チョン・ヤギョンなんて知らない 「第七回」
第四章「丁若鏞とその時代」はこんな内容だった。丁若鏞は、1762年、英祖38年に京畿道で生まれた。牧使を務めていた父、丁載遠は、この年に隠退している。兄が二人いた。若詮と若鐘である。三人の兄弟は、いずれも神童と呼ばれた。若鐘は朝鮮天主教界の大立て者となり、若詮は博物学者として多くの著作を残した。英祖とそれに続く正祖の時代は李朝の変動期だった。秀𠮷とヌルハチの侵攻で荒廃した国土はようやく回復し、商品貨幣経済も浸透しつつあった。その時期に登場したこの二代の国王は、いずれも英明な