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旅をする

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中江広踏の旅の記録
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2021年1月の記事一覧

中国の旅 #3

はじめての北京 1991年 (その2)  翌日は、一日フリータイムだった。上海の旅行日程にはなかった、このフリータイムが、はじめての北京の旅を思い出深いものにした。朝食の後、長富宮飯店を出た私たちは、ホテルから近い建国門の駅から地下鉄に乗って、前門駅に向かった。現在の北京の地下鉄には24も路線があって、1日平均1000万人を運んで、世界一の輸送量を誇るらしいが、当時は、ほんの数本しか路線はなかった。ひょっとすると、1号線と2号線の2本しかなかったかもしれない。1号線は、王府

中国の旅 #2

はじめての北京 1991年 (その1)  上海から北京に飛んだ。どこの飛行機に乗ったのかは記録も記憶もない。やっぱり、中国東方航空だったのだろうか。たぶん一時間くらいで北京国際空港に着いた。今では、北京には複数の空港があるので、ここは北京首都国際空港という名前になっているようだ。北京中心部からは東北方向の郊外にあった。現在の空港は、私たちが行った時の3倍の広さに拡張されているというが、当時は、大阪の伊丹空港などとさして違わない、古ぼけた印象の平凡な空港だった。ここでも、空港

中国の旅 #1

はじめての上海  1991年  私たち夫婦がはじめて中国へ行ったのは、1991年のことだった。そう、韓国へ行く前に、私たちは中国へ行ったのだ。上海と北京を訪れた。5泊6日の旅である。午後発の中国東方航空で、まず、上海へ行った。その、今から30年前にもなる上海の旅について書く前に、まず、時代背景を整理しておきたい。年表で簡単に表示すると以下のようになる。 1949年 中華人民共和国成立 1950年 朝鮮戦争勃発 中国人民解放軍が参戦 1953年 朝鮮戦争休戦 1965年 文

韓国の旅 #16

釜山「国際市場」の旅           2015年  夫婦で行く釜山は、2015年が6回目だった。その前年に行った時、もう釜山はこれでいいだろうと私は思っていたのだが、韓国の大ヒット映画「国際市場」(日本での題名は「国際市場で逢いましょう」)を見て、またまた釜山へ行きたくなった。ちょうど、格好のガイドブックもあった。旅行作家・鄭銀淑さんが、この映画に触発されて書いたという、「釜山の人情食堂」という文庫本だ。この本をバッグに入れて、いつものように博多国際港から高速艇で釜山港