【パリ生活】⑤フランスと日本のネイル市場の違い
2015~2016年にパリで活動していたお話です。
今回はフランスと日本のネイル需要の違いについて。
日本でネイルアートが一般的な生活に溶け込んで10年以上経ち、産業として認識されつつあります。
日本で「ネイル」というとカラーやアートを施してデザイン性のあるものをイメージされる方も多いのではないでしょうか。
デザインもシーズンやイベントに合わせて遊んでみたり。
いわばファッションの一部として楽しまれている方が多いです。
一方、フランスのネイルは身だしなみの一部という位置づけです。
あくまで、女性が着飾るアクセサリーやファッションを引き立てるもののひとつであり、決してネイルが主役ではありません。
(パリ滞在時にお仕事させて頂いた撮影写真)
シンプル且つ上品、定番なカラー。それは赤です。
何が何でも赤。サロンのカラーバリエーションも赤だけで30色ほどありました。
生まれてこの方、赤しか塗った事がないわ、というマダムもいるほど。
日本は毎月デザインやテイストを変える方も多いですが、フランスでは毎回決まったコース。
同じ形(角ばってるスクエアが人気)・同じ色(もしくは自分で気に入った色を持参)「いつもの!」ネイルをオーダーされる方がほとんどでした。
流行などに惑わされない、自分に合ったものを身につける、パリジェンヌ気質ですね。
そしてジェルネイルよりも、専らマニキュアメニューが人気。
デザインは何もせず、一色塗り一択。
セミパーマネントと呼ばれる、「ボトルタイプのマニキュアジェル」を導入しているサロンも増え、ようやくUVライトの出番がでてきたくらいでした。
私が勤めていたサロンでもセミパーマネントを行っており、2週間に一度のお付け替えで所要時間は1時間弱。
育児やお仕事の合間にいらっしゃるお客様も多く、共働き家庭が当たり前のフランスで暮らす女性にとっては、うってつけの時短メニューです。
日本の繊細なデザインは
・時間がかかりそう
・アニメっぽくて幼稚
・1ヶ月も同じネイルは嫌!
との理由で、一般的にはあまりウケない様子でした。
そして実は「ネイルサロン通い」されている女性が格段に少ないというのがリアルなフランス事情。
お家のリフォームも自分達でDIYしたり、畑で自家栽培、パーティはレストラン予約、でなくホームパーティだったり、大の「手作り」好き。
日本より、ネイルをされている女性は多く感じましたが、ほとんどの方が自身でマニキュアを塗ってるようです。
街中でも自爪に負担がかからないオーガニックのマニキュアが販売されていて、日本よりもセルフネイラーが多いように見受けられたフランスネイル事情でした。
久賀田有紀
教員を経てネイリストに転職。
現在ネイリストとして働く傍ら、ネイルサロン2店舗経営、海外ネイル協会運営、シニアネイル事業の監修、商品開発を行っている。
㈱マニクリエーション代表取締役
一般社団法人海外ネイル協会 代表理事
【ネイリストと海外をつなぐ】海外ネイル協会 http://jnisa.com/
【銀座・京都ネイルサロン】maninail http://mani-nail.com/
【シニア向けネイル事業】えがお爪工房 https://egao-nail.jp/
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