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潰してはいけない会社だと思えるようになった

ネイルサロンを始めて今年で12年目。
個人事業主の一人サロンからスタートし、店舗展開し雇用し、コロナ禍も乗り越える中で、私ってもしかして割と経営や商売がうまいのでは?(自己肯定感w)と思い始め、きっとこれからも商売としては続けていけるんだろうなあとは感じていました。


「お客様の爪を美しくし目の前のお客様に喜んでもらえる」
「未経験スタッフへの教育と雇用を生み出し続ける」
「会社として利益を出し税金を払う」
分かりやすい社会貢献はできていないけど、きっとこんな感じで社会にはお邪魔にならない程度の会社かなあ・・と思っていました。
仮に自分の会社が潰れても、スタッフは5分後に次の仕事を見つけることができるだろうし、お客様も1分後には変わりのネイルサロンを探せるだろう。
なくなっても誰も一ヶ月後には困らない仕事を続けていることが空しくも感じていました。
経営者、ではあっても起業家ではないとずっと思っていて、せっかく経営者をしているのならば自分自身が「潰してはいけない」と心から会社にしていきたい、そんなことを昨年1年間はずっと考えていました。

①サステナブルな取り組み


事業内容はあくまで美容サービス業。
どう社会に向けて動いていけばいいのかな、と考えていたところ、弊社の強みでもある「女性の働き方」を、自分の力では難しい環境にある人たちに対してシナジーを生み出すことにしました。
一つが、難民背景にある女性に向けてのプロジェクト。
難民支援を行う会社、ボンズットナーの代表、坂下さんとの出会いから「様々な事情で日本には来たが、日本語が話せないがために日本で仕事をしにくい女性」に向けてのネイル講座とサロン開業を行うことにしました。
こちらは今年1月から講座を開始し、今月末には卒業式、春からサロン営業を開始する予定です!


そしてもう一つが、自身が当事者でもあるYOUTUBER難聴ウサギさんと、聴覚障がい者に向けてのネイル講座とサロン開業。


どちらも弊社だけの力では到底できないことであり、社会問題に直面で向き合うの方々と一緒にさせて頂くことで、知識ゼロの私たちは一緒に勉強させてもらっています。
マニネイルの基盤と掛け算して社会問題が解決できた」そう社会やお客様、スタッフにも堂々といえる日が早くくるといいなと思っています。

②民間ならではのアイディアと行動力

先日参加させて頂いた難民包括を目的とした【Welcome Japan CxO Council】で金代表のお話で、とても響いた言葉がありました。
民間だからこそのアイディアと行動力。そしてこれを広げていく
まさに中小企業のベンチャー、創業者の役割だと思っています。
とにかく何事もアイディアと実験。
実験を繰り返さないと影響力も持てないと思っていて、これはいい!!社会に広めたい!と思ったら、すぐやる。
代表としての選定する勘の鋭さを磨き続けて、スピード感と行動力はこれからも大事にしていきたいです。

③利益のでる事業にしないと絶対広がらない

とはいえ、私たちは民間企業なので、慈善活動でもボランティアでもありません。あくまで事業
売上を上げ、十分な給与を出し、利益を出すことが私たちの責任でもあり、まずは目の前の第一目標です。


難民支援も聴覚障がい者の方との取り組みも、ありがたいことに「うちの地域でもやってみたい」と他社のネイルサロンオーナーさんからの声を数件頂いています。
ですが、利益がでない事業は絶対に広まりません
「増えれば増えるほど社会がよくなる」内容としてはそう自信をもっていえるからこそ、第一号店として収益化の組み立て、十分な給与支払いと利益を出す責任があります。
慰めや哀れみ、同情での集客やPRではなく、通常のネイルサロンとして、何なら今あるネイルサロンよりもっと良いサービス・付加価値を提供して、対価をいただく。そして通い続けてもらえる店舗作り。
コンセプトへの注目や応援していただける声に甘んじず、普通に商売を頑張る。
この事業の仕組み作りは私や弊社の腕の見せ所だと思っています。

④潰してはいけない会社だと思えるようになった

1年前は「どこにでもあるネイルサロンだからなくなっても誰も困らない」と心の奥底で思っていましたが、今は「潰してはいけない会社」だと素直に思えるようになりました。
それは大事にしている、「働き方」という側面でもそうだし、弊社の取り組みをもっとネイル業界・美容業界に向けて発信、ソーシャルインパクトを起こすことが社会問題解決への一歩になるような気もしてきています。
ただのネイルサービスを提供する会社、でしたが、ボンズットナーさんや難聴ウサギさんとの共同企画のお陰で、弊社もほんの片足だけ社会に対して良いことができそうなかな、と思えるようになってきました。

⑤社員が増えることはきっと良い


そしてこの取り組みは、創業時のような一人サロンや3~4名で運営していた時だと難しかったことだと思います。
店舗や社員が増え、売上が伸び、役割分担ができるようになったからこそできること。
現在、この社会事業に関わっているのは2名だけですが、全店舗みんながサービス提供の努力を怠らず、売上が伸びているからこそできること、人事や教育担当が、より良い採用や教育ができるからこそ成り立つことです。
社員20名を超えた今、一人や少人数の時より大変なことや悩みはもちろん増えますが、今の方が断然楽しい!と思えています。
そして店舗が増えることで、弊社の取り組みを知ってただけるお客様、働きやすいなと思ってもらえるネイリストさんは必然的に増え続ける。
この春マニネイルは8店舗になります。これが店舗展開、フランチャイズ展開する一番の理由です。
ネイルサロンに行けば社会問題に気が付く、その地域がよくなる、働きやすいと思える人が増える。
増えれば増えるほど社会がよくなるネイルサロン
今まで通り、地盤を固めに、いくときは勢いよく!増やし続けていきたいと思っています。

久賀田有紀

株式会社マニクリエーション代表取締役
一般社団法人海外ネイル協会代表理事
教員からネイリストに転職。
ネイルサロン勤務・NYインターンを経て2013年ネイルサロン「maninail」開業。
2015年より一年間、フランスパリにて活動のち2016年再開。
ネイルサロン6店舗経営、海外ネイル協会運営、シニアネイル事業の監修を行っている。
女性支援の事業を通してジェンダー格差のない社会を作ることが目標

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