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灯りをつけるな

なんだかやけに面白そうな本であるが、咀嚼する余力が無さそうであるから、今夜(昨夜)は閉口していただく運びとなった。また負け、負け。負けが込んでいる。自身との終わりなき闘争は字義通りの常在戦場であり、それはそれは微温いものである。浸かっていることすら忘れちゃう。そんなことばかり。

〈セリ・ポエティク〉Ⅷ
アンドレ・ブルトン
同上

金沢のこのホテル(昨日)には、珍しく屋上に露天風呂がござって。橙の灯りが湯の上で揺れる。秋分も近くまでいらしているからか、夜風の具合が大変心地好い。視覚から聴嗅覚、触覚に至るまで、まこと絵画的であった。そんでから身体を投げ打ってサウナに入ってみたはいいが、やはりイマイチ調子が悪うござった。思い返すとこれまた先の敗戦に重なる。

泉鏡花記念館
金沢文芸館

泉鏡花記念館にはどうも嫌われているらしい。私が入金沢した当日よりの休館である。そう、不思議な出会いもあって。昨夜(一昨日)出会って、そのまま成り行きで二軒ほど呑み歩いたオジサマなのじゃが。過去に鏡花作品の翻訳事業に携わっていたそうな。すごい(すごい)

さて、文学関連のお目当てが軒並み潰れてしもうた。手持ち無沙汰この上ない状況下では右も左もいってらんない、どうしようもこうしようもあったもんじゃあない。県立美術館に行ってみた。企画展、やってれば入ってみよう、なんて。

石川県立美術館

そんなこんなの企画展〈川瀬巴水 旅と郷愁の風景〉であるが、痛く感動をした。この際、休館の彼是は赦すこととして、却って此方より厚く御礼申し上げたい一一 云々というより、最早そのことすら忘れるほどのヒタヒタ具合である。それから会場を出てすぐの所で、久しぶりにオトナの英会話を嗜んだ。

公式図録

アイライクディスアーティスト

(一度聴き直す)

オーイェー、アイムベリーエキサイテッド

アーユーペインター?

("三度"聴き直す)

ノーノー、アイムビジネスメン

(胸を張る)

三月

購入した図録は帰京してからじっくり読むといたしまして。この日は三月の桜の時期以来の、久しぶりに会った方とよく喋った。年はひとつ上で、同性ではあるが素敵な方である。連絡先はおろか、互いに名前すら覚束無い状態ではあるが(少なくとも私からすれば)、またお会いできると思っている。

寝ていたです。

二年ほど前

3amである。大学も後半に差し掛かった頃、毎晩のように深夜まで何をするでもなく、ただテレビを眺めてひとり酒を呑んでいた時期があった。お気に入りだったのが、あれはたしかBSの〈駅ピアノ〉という番組で一一 これは意識が飛ぶか否かの狭間の、正に未曾有睡魔襲来である。

某所

案の定上の流れで寝ていたから、木曜日の夜、すなわち今夜にやってきた。宿はドミトリーで、いつにも増して肩身が狭い。連行された呑み屋で土瓶蒸しが登場して、まさか二日連続で松茸を食べることになるとは思わなかったから、リアクションに困ったりした。それにしても旨いものは何度食べても好いものである。

この辺りで切り上げておかないと、幾夜重ねりゃええのか分からんですから、はい、そんなわけです。まだ眠らぬ心意気だけはあるです。

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