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金曜夜には

岡崎のパークプラザにて『民藝四十年』を読み進める。ちょうど〈琉球の富〉を読み終えたところで閉館時間。約束の時間まで余裕があったから、蔦屋書店で浴することに。具合い宜しく〈MADE IN RYUKYU byゆいまーる沖縄展〉が催されているではないか。並べられたやむちんを手に取っては返し、取っては返しを繰り返す。我慢である。

この店での新刊浴はまた愉しいもの、兎にも角にも粒揃いなのだ。いやに神経を使わずして新鮮な出会いに身を委ねるのは、非常に好いカンジといえる。反面、これを買うのだ、という際には適さぬのもまた事実。目当ては谷崎の『痴人の愛』であった。今日、読もうと思うて家の本棚を探すも見付からぬ。それではと日本文学全集の同氏の巻を持ち出すも、これまた収録無し。そしてこの書店にも無いのである。

これはもう仕様が無いから、アップリンクへと向かう。今月二度目の〈観る会〉である。作品は『痴人の愛 リバース』を。実に親切な構成で、描写が明快である。ときに単調な、歪な画面に突如として秩序的構図が現れるものだから、その緊張感が全体として眺めても小気味好く映った。ライトに纏まった一品。

個人的に、次に劇場へ足を運ぶタイミングは『Furiosa: A Mad Max Saga』であろうから、何がとは言わんが頗る宜しい状態である。帰り際、久しぶりにメーカーズクラフトハイボールを。痺れが身体を襲った。

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