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相応しい殺し方

DolbyCinemaで『マッドマックス フュリオサ』を観た。これでもう、六月の半分が終わってしまったようなものである。前作『─ 怒りのデスロード』の劇場鑑賞が叶わなかった、自身の過去への復讐も済んだワケだ。いやはや、圧倒的純度を誇る面白さである。映像と音響でタコ殴り、手も足も出たもんじゃない。我々も強制ライドのうえで修羅を駆け抜けるのだが、その道中でも絶えず王道を薙ぎ倒している感がある。アイデア満載破茶滅茶ドンパチの愉しさはもとより、戯曲めいた台詞の繊細さもまた作品の密度を上げる。時代の空気感の表現にも唸らされた。エンドロール終了後、拍手 ─スタンディングのやつ─ をしたい衝動に囚われる、映画体験におけるひとつの到達点。

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