試験管の海
試験管の海で感情を育ててきた
容易に傷ついてしまう体なんていらない
プロトコルで制御されたい
手足なくとも思考があればどこにでも飛べる
名無しの死体が赤い口を開けてヘビに思えた母親
湖に落ちる太陽 父親はどれ?
影のないモノクロームに思念を映す
ブランコの音 工事現場重機の鼓動 防犯カメラ
規則的な鶯の鳴き声 無機質なLEDに血が灯心臓を重ねる
変異種と呼ばれても所詮は色合いと舌触りの違い
血の色は何色だっけ?
ものになる一歩手前に賭ける
死ねばものになる前に
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