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ヒンディー語テキストレビュー① ~バランス編~

こんにちは。もはや語学書オタクなんじゃないかというレベルでヒンディー語の語学書をもっていることに気づいた岡本です。
せっかくなので手持ちのヒンディー語参考書の特徴、メリット・デメリットなどをレビューしてみましたので、独学するときの参考にしてもらえればなと思います。
なお、「ニューエクスプレス・ヒンディー」など目を通したことはあるものの購入していないテキストもあるので、有名だけどレビューできていない本もあります。いつか入手したらまた改めてレビューします。

その前にお前は何者だ?!

自己紹介記事がまだ書けてなくてすみません…。
ざっくり書くと、大学時代から現在までヒンディー語をかれこれ10年以上やっている者です。今は大学院の博士課程で文化人類学を専攻していて、北インド(特にデリー)での現地調査をもとにした博士論文を書いている途中です。現地の人へのインタビューや同居生活を通して日常的にヒンディー語を使っていたので、テキスト的な表現だけではなく口語表現についても知識があるほうかと思います。
そのうち、最近の仕事(ヒンディー語やインドに関するもの)もまとめた自己紹介記事を書きます。

では早速。

会話文、文法解説、練習問題のバランス◎
「CDエクスプレス・ヒンディー語」(著:田中敏雄/町田和彦、白水社)

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恐らくヒンディー語をある程度やったことある人には大本命のテキストで、意外性がなくてすみません…。10年以上前、東京外国語大学のヒンディー語専攻に入学したときに文法クラスのテキストとして指定されて購入しました。何度も自習用に使ってきたのでボロボロになり、破れそうな表紙をマスキングテープで止めています。

全20課で一通りの文法事項が学べるよう作られています。また、本のタイトルにある通りCDが付属しているので、各課のスキットや単語はネイティブの発音を聞きながら学べます。さらに1課~10課のスキットはカタカナでルビもふってあるので、まだ文字に慣れていなくてもとりあえず読み進めることができます。ただし、このカタカナ読みをしているとネイティブの発音と乖離するという恐ろしい罠があるので、付属CDを使いつつ早めに文字も覚えてカタカナに頼らずに読めるようになるのがベストですね。

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構成は、1課につき複数の会話文とその日本語訳が見開き1ページあり、その次ページに文法解説が載っています。

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そして2課ごとに練習問題が見開き1ページ分あります。前半の練習問題は結構簡単ですが、後半になるとまあまあ骨の折れる問題も出てきます。内容を忘れた頃に解きなおすのを繰り返せば、基本的な文法事項や語彙はばっちり身につくでしょう。

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巻末には付録として数詞や本文に出てきた単語のリストが載っています。

非常にバランスが良いテキストなんですが、コンパクトにまとめられているので、文法説明が物足りないです。例文や出てくる単語も決して豊富ではないので、この本で基本をマスターしたら文法解説に特化した参考書か、あるいは会話文や語彙に特化した参考書を選べば良いと思います。

スキットがとんでもないが、内容はパーフェクト?!
「teach yourself hindi」(著:Rupert Snell、Teach Yourself)

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これも10年以上前にヒンディー語専攻の作文クラスで教科書に指定されて購入したものです。個人的には、CDエクスプレス以上に独学に向いているバランスのいい良書だと思います。ただ、残念ながら現在は販売されていないようです。中古で見つけたとしても相当高いんじゃないでしょうか。
2015年に同じ出版社から同じ著者で「Complete Hindi」というテキストが出ていて、恐らくこの本の後継だと思われます。Completeのほうは持ってないのですが、「インド留学に来てホームステイさせてもらっている家のホストファミリーの娘さんが可愛くてワンチャンあるかなと思っていたら、その子が自分の父親と結婚することになりました!」というストーリーが展開されているなら恐らく同じ内容でタイトルが違うだけだと思います。
というか初代teach yourselfはよくこのスキットを思いついたよね…。

teach yourselfは全18課で様々な会話文と一通りの文法事項を学べる作りになっています。各課は取り扱う文法事項を軸に2パートに分かれているので、スキットの量が18課×2パートとCDエクスプレスより多く、巻末の語彙リスト(ヒン→英と英→ヒンのどちらも載っている簡易辞書になっている)もボリュームがあります。

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4課まではアルファベット表記で読み方も載っています。カタカナよりは発音が近くなると思いますが、やっぱりヒンディー語の正しい発音を身に着けるために付属CDを聞いてリスニングと発音練習するのが良いと思います。

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文法説明もCDエクスプレスより丁寧なんですが、全て英語で書かれているので英語が苦手だと大変かもしれません。とはいえなんとなく雰囲気で読めるので意外と問題ないかも?練習問題は各課につき大問3つくらい用意されているので、かなりボリュームがあり、レベルも解きごたえがあります。この本に載っている問題を全て解き、巻末に載っている単語の大半を覚えれば、インドで生活するのに支障がないくらいヒンディー語のスキルが上がります。これは私の実体験なのでマジです。

冒頭に書いた通りですが、このテキストはバランスが良いものの入手しづらいのがネックです。また、スキットは1課~18課まで話が繋がっているのですが、その内容が無駄にインパクト強いのと、登場人物が多くて名前を覚えきれないという罠もあります。

次回は文法特化編

というわけで今回は2冊、初めてヒンディー語に取り組む人にオススメしたいバランスのとれた参考書を挙げてみました。
次回は「この2冊では十分に文法事項が理解できたか不安だ」という人にオススメしたい、文法説明や練習問題に特化している参考書をご紹介したいと思います。

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お楽しみに~!


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