今月読んだ本『Think clearly』 ③


人災のほとんどは見かけよりずっと複雑であるということも、この本では語られていて興味深かったです。
人災とはつまり、紛争や戦争、テロのこと。
著者の主張はこう。
「テレビの前で犠牲者への哀れみにどっぷりとひたっていても何もならない。」
自分の力を過信せず、現地のすばらしいスペシャリストたちに寄付をしよう。
「本当に世界で起きている惨事を理解したければ、一年ほどかかるかもしれないが、本を読むのが一番だ。」

無駄に記憶力もたくましい私は、今度は放送大学のCMを思い出しました。
中年の女性が「紛争の止め方」と題された番組を観ながら熱心にメモをとってるやつ。。。
「お、おばちゃん。たったひとりで紛争止める気なのか?」と凄い違和感があった。
てことは、自分の中でもずっと何か引っかかっていたんでしょうね。
現地に行けるほどの装備も勇気もない。だけど事実として困ってる人がいるのに見なかったことにしていいのか?っていう。

とにかく、今日の自分にできる生産的な行動を精一杯やっているのであれば、どこかで遠い国で苦しんでいる人たちに対して罪悪感を感じる必要なないのだときっぱり言ってくれて、私は少し楽になりました。
もちろん、可能な限りの寄付と情報収集はしていきますが。

さて、楽になったと感じたところは他にもありました。
テクノロジーは、必要最低限でいいという発想。これも今までなかった。
むしろ、「最新型でないといけない」「最新型をなかなか用意できない自分はダメだ」って、心の中で自分を責めていたところもあったんですが、実は、人生の質という観点からいえば「反生産的」に作用することが多いという話。
私はディスクを横から差し込めるタイプのMacBookを使ってるんですが、この挿入口がなくなってしまったら、うちにあるDVDは全部ゴミになってしまうので、年式は古いけどずっと大事に使ってます。
新しいタイプはもう挿入口ないんですよね??
これはこれで間違ってなかったんですよ。
常に最新型が必要な職業の方ももちろんいらっしゃいますけどね。

ちなみにP77あたりでパワーポイントについて、著者がこれでもかと皮肉たっぷりにディスってるところがあります。
パワポに一体なんの恨みがあるんや?ってくらい辛辣な言い回しをしていて、これはこれで文章の才能を感じました(笑)
皮肉を込めた文章を書く際には参考にしようと思います。

深いい話だなと思わずメモしたのは、
P180「人が幸せを感じるかどうかは所得の額によって決まるのではなく、目標を達成できたかどうかで決まるのである。」
P182「大事なのは、少しでも早くどこかにたどり着くことではない。自分がどこに向かっているかをきちんと把握しておくことだ。」というところ。
自分で立てた目標を自分で達成する。
一見地味にも思えるこのことが、実は人間の幸福度を維持したり高めてくれているんですね。

あと、P258 つらい状況を乗り切るための4つのアドバイス 
ここは4つとも全部ためになる話だったので、ぜひ色んな方に読んでいただきたい。

P316 「まだ持っていないものについて考えるよりも、いま持っているものを持てていなかった場合、どのくらい困っていたかについて考えたほうがいい」
ストア派の哲学者たちは、すでに2000年も前にこう述べていると知って、ストア派にも興味を持ちました。


いやはや。まとまりのない文章で申し訳ないですが、ざっと読んだ感想が以上です。
良い本は一度でなく、2回以上読もうとも言ってたので、どこかでまた時間見つけて読み返したいです。
ごちゃごちゃしている頭を整理したい人には、とてもオススメの本です。
著者は言いたいことをズバズバ言うので文体も小気味良いし、時に本人の失敗エピソードなども赤裸々に語られていて親しみも湧きます(笑)


ここからは完全に本ではなく私の身に起こったことですが、先日、新しく赴任してきた上司とテレビ面談しまして。
今読んでる本の話題になったので、PCの画面にこの本を映してご紹介したところ、
「え、経営者にでもなるんですか??ビビるなあ。。。」
と言われてしまいました(苦笑)
「い、いや、違うんです!私はただ中田敦彦YouTube大学で面白おかしく紹介していたので買っただけでして、本当はただのお笑い好きです!!」
とは言えませんでした。
そもそものきっかけはそれでした。
中田あっちゃんの解説はすごく分かりやすかったので、分厚い本を読む時間が取れないという方は、そっちをまず観ても良いんじゃないんでしょうか(^O^)

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