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#1 事例研究「メドレーの採用広報」

こんにちは!
金融スタートアップで採用人事をしております、満月ぽんです。

読書感想に続いて、ウェビナーやインターネット記事から他社事例について学び、感じたことや今度に活かせそうなことを記録することにしました。

メイン目的は、やはり自己のスキルアップに他なりませんが、わたし自身、外部記事やSNSなどで「人事の方たちが、何を見て、何を感じているか」に触れることで新たな発見をすることが多く、同じようにわたしの記録から何かを感じていただける方がいればいいな、と思っています。

特に、採用人事歴3年以内、ベンチャー企業のひとり人事、ジョブチェンジ間もない方、などは同じ目線で楽しんでいただけるのでは、と考えます。
一緒に、採用人事、楽しんでいきましょう!

“年100人採用”を実現した、広報戦略の全て。

http://compass.vision/medley_kato01/
メドレー 執行役員 加藤恭輔
掲載:COMPASS
概要:「半年で100人採用。メドレーの秘訣」と題して行われた勉強会の内容をダイジェスト編集

読もうと思ったきっかけ・目的

未経験で採用人事をすることになった1年前、採用広報が上手なベンチャー企業として、取締役の方から教えてもらったのが「株式会社メドレー」でした。当時はまず採用実務にキャッチアップする必要があり手が付けられませんでしたが、採用広報への興味、やりたい意欲は持ちつづけていました。
採用がひと段落したいま採用広報に挑戦すべきだと感じ、事例研究の第一弾として、当時感激したメドレー社の事例を学びなおしたいと考えました。

要約

会社の魅力を届けるストーリーの“4原則”
採用広報戦略は、「どういう人に、どういう認識をもってもらいたいか?」というゴールを決めたうえで、その達成のために企画を考え、実際に試しながらPDCAサイクルをまわし続けることが重要。「会社が目指す状態」と「採用したい人材」を明確化し、その人物が「入社したい」と思えるような「会社の魅力を伝えるストーリー」を4ステップで設計した。

①事業領域が「どのフェーズ」にあり「なぜ今ジョインすると面白いのか」
②その領域において「どのようなプレイヤーがいるのか」
③その領域において「自社にはどのような魅力・優位性があるか」
④ベンチャーに就職することに対する「心理的不安」の払しょく

『PV100倍』を実現した“メディア戦略”と、ゼロから接点を生み出した“草の根戦略”
具体的な採用広報施策は以下。

①メディア
「会社への親近感」の醸成を狙って、入社理由、週刊メドレー、社員インタビュー等の連載をスタート。「クリエイターへのブランディング」を意識して、Tech BlogやCTOによる開発思想を伝えるブログ、開発の裏側を語る対談企画など、人の雰囲気を感じてもらえるようにした結果、Wantedlyでの発信で以前の100倍PVを達成。

エージェントが候補者の方にメドレーのことを紹介しやすくするため、メドレーの採用についてまとめたプレゼン資料を作成。一般的な事業概要に留まらず、メドレーの将来展望の説明や、求人の背景となる課題やストーリーについて言及することで、採用に賭ける本気度を伝える効果があった。

③リアルイベント
医師はそもそも転職を検討する機会が少なく、接点づくりが難しいことが課題だったが、採用の母集団形成を目的に実施した「医師とのミートアップ」が奏功した。同様のことをエンジニアやデザイナーの採用活動においても実施しており、こちらも継続的な接点の確保や中長期的な採用につながっている。

最良の広報施策とは、社員のエンゲージメントを高めること

- 採用広報を強化した結果
当初はメドレーの認知率が低かったため、世の中の注目を集められるコンテンツを意識して経歴が特徴的なメンバーを多く取り上げていた。その結果、認知率が向上、応募数も増加した一方で「経歴が特徴的じゃないとメドレーには入れないんじゃないか?」と言われてしまうように。また、特定の事業についての広報が続くと他事業の採用が困難になる場合があるため、現在はなるべく部署や属性の偏りがないようバランスを意識し、社内環境がより正確に伝わるよう心がけている。

- トライアンドエラーの結果、自社に最適化した採用広報の仕組み
職種ごとに有効なチャネルが明確化された。

プロダクト開発職    :リファラル採用と特定の紹介会社
ビジネス職(ジュニア層):媒体や紹介会社
ビジネス職(ミドル層) :採用広報や媒体経由

ミドル層は情報感度が高い層なので採用広報が効きやすく、紹介会社よりもビズリーチやWantedlyなどの媒体のコストパフォーマンスが良い。一方で、ジュニア層は、エン転職やDODAといった媒体との相性が良かった。

社員紹介(リファラル)については、社員数が100名以上の規模になると、少し伸び悩むことが判明。原因は、大規模化するほどエンゲージメントが希薄化する傾向にあるため。この場合、単純に紹介料を高く引き上げるより、シンプルに「社員に心から会社を好きになってもらう」ことが重要である。手段だけに気をとられると、メンバーと心の距離が離れることもあるため、「目的から手段を考える」という順序を常に留意することが大切である。

■学び・気づき・感じたこと

採用広報戦略の立て方
最近はよく採用広報について考えているのですが、採用広報戦略の基礎は、「会社が目指す状態」と「採用したい人材」の明確化である、ということが再確認できました。
ここ数年で盛り上がった採用広報という分野では、常に新しい手法がトレンドにあがりますが、「すべては会社/事業のため」であることを忘れないよう心に留めておきたいと思います。

会社の魅力の伝え方
会社の魅力は採用の4Pで分析するものの、事業のおもしろさについては伝え方に悩んでいたので、即マネできる良い手法を知れたのは良かったです。特にスタートアップ・ベンチャー企業が「なぜ今ジョインすると面白いのか」を伝える際、企業規模(創業メンバー、仕組化が経験できる等)にフォーカスしてしまいがちですが、本来は事業フェーズや社内環境など様々な要素によって面白さは決まるはずです。これに気づけたのは、今後組織拡大をするにあたり大きな収穫でした。単に創業期という武器が失われる訳ではなく、企業/事業フェーズによって「なぜいまか?」の理由がかわるだけで、その理由をフェーズごとにアップデートすることが重要という理解ができました。

職種ごとの最適チャネル
2018年の記事ということで有効チャネルの変遷はあると思いますが、当社が採用をする中で感じている肌感覚と、若干異なる部分がありました。また、採用広報に成功したメドレーと当社では、知名度や規模、リファラル採用の有効性に違いがあり、やはり様々な要因がからみあって、各社、各フェーズに適切な採用チャネルというのは変動するのだな、と再確認できました。

【メドレー】
プロダクト開発職    :リファラル採用と特定の紹介会社
ビジネス職(ジュニア層):媒体や紹介会社
ビジネス職(ミドル層) :採用広報や媒体経由

【当社(金融スタートアップ)】
プロダクト開発職    :特化型スカウト・特定の紹介会社
ビジネス職(ジュニア層):スカウト・媒体・紹介会社
ビジネス職(ミドル層) :リファラル採用・紹介会社

■自身の考え・アクション・仕事での活用方法

採用広報戦略のために必要な準備をする
採用広報戦略の基礎となる「会社が目指す状態」と「採用したい人材」を考えるためには、代表や経営陣、各部門長など個人の意思を引き出すことが重要です。
※個人の意思の重要性については、下記の読書感想noteで言及しています
https://note.com/mangetsupon/n/nc322df17dbba

アンケートなどで表層的な言葉をあつめるよりも、なぜその考えに至ったのか、という背景を個別に対話形式で深堀っていくことが、ユニークなストーリーへの近道であると考えるため、聞き出したい要素を洗い出し、インタビュー実施に向けた準備をしっかりして挑もうと思います。

【例】「会社が目指す状態」を明確にするために
・事業としてどんな状態を目指したいか
 →日本一の金融サービス →売上●●●億円 →なぜその数字なのか
・組織としてどんな状態を目指したいか
 →売上●●●億円を実現する体制 →■■な能力がある人(職種ごと)
 →切磋琢磨して成長し続ける社風 →▲▲なスタンスをもった人材
・必要な人材
 →上記内容に加え、より詳細にペルソナ設計をおこなう

会社の魅力の伝え方
会社の魅力を伝える4ステップの設計を実施し、関係者でディスカッションする際のタタキ台を作成する。

■最後に
今回も長文になってしまいました。ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございました。

この感想文をとおして、手段だけでなく背景まで知ることが重要である、ということが、他社事例研究においてもバッチリ当てはまることを実感しています。「●●社は凄いが、自社には当てはまらない」という感想ではなく、少しのエッセンス・共通点から自社の実務に活かせる可能性がぐっと広がると感じています。

また、その時期の自身のスキル・経験やスタンス、興味関心によって、同じ記事から得られる学びが違ってくる、という再発見もありました。1年前に同じ記事を拝見したときには感じられなかったことや言語化できなかった考えを、一年間の採用実務を経て、今回は自分の言葉で整理できたことは小さな自信となりました。

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(応援してくださっている皆様、いつも本当にありがとうございます)

読書感想に続いて、他社事例研究のnote投稿も続けていきますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします!!

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