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モンテッソーリ小学校をつくる決意をした理由

1. はじめに


私、あべようこは18年間、発信だけではなく現場でも、あらゆる年齢のモンテッソーリ教育に関わってきたモンテッソーリ教師です。そして、今は日本でもまだ珍しい「モンテッソーリ小学校」を開校するために、日々奮闘しています。

あべようこ

なぜ、私がここまでモンテッソーリ教育に情熱を注いでいるのか。それは、この教育が子どもたちにとって驚くほど良い影響を与えるからです。子どもが生まれ持つ「自分で学びたい!」という気持ちを尊重し、環境を整え、その成長を見守る。このシンプルでありながら深い教育法が、私の人生を大きく変えました。

この記事では、モンテッソーリ教育をまだよく知らない方に向けて、どのような教育なのか、そして私がどのようにこの世界にのめり込んでいったのかをお話ししたいと思います。


2. モンテッソーリ教育とは?

モンテッソーリ教育は、20世紀初頭にイタリアの医師であり教育者でもあったマリア・モンテッソーリによって開発された教育法です。この教育の一番の特徴は、子どもの自主性を大切にすること。子どもが選択し、自分のペースで学び、探求し、成長できる環境を整えることを大切にしています。

モンテッソーリ・ファームの3-6歳クラス

モンテッソーリ教育では、先生は「指示をしたり、教える人」ではなく、「環境を整える人」。例えば、子どもたちが興味を持つ教材や活動を自由に選べるように、お部屋は整えられています。これによって、子どもたちは本来持っている「自分で学ぶ力」で、自分で考え行動することを自然に覚えていくんです。

また、他の教育方法との大きな違いは、異年齢の年齢の子どものいる、縦割りクラスという点。異なる年齢の子どもたちが同じ空間で学び合うことで、年下の子は年上の子を見て学び、年上の子はリーダーシップを発揮します。そして、その逆(年上が年下から)たすけられることもあります。まさに、互いに学び合い、成長を支え合うことが自然に生まれるのです。

アメリカのモンテッソーリ園(Montessori International Academy 2014年訪問時)

3.私がモンテッソーリ教育にのめり込んだ理由

私が初めてモンテッソーリ教育と出会ったのは、大学4年生のとき。教育学を専攻していた私は、偶然モンテッソーリ教育を取り入れている教室でアルバイトを始めました。

最初は、正直「普通の保育」と何が違うのか、よく分かりませんでした。

でも、すぐにその違いを知り、驚かされました。子どもたちが目に見えて変わるんです。普段は落ち着きがなかったり、自分から何かに取り組むことが少なかった子どもたちが、モンテッソーリの環境の中では自ら進んで作業に取り組み、集中しているのを目の当たりにしました。

「子どもが主体の教育って、そして子どもたちが本来持っているすごい力を引き出す教育って、こういうことか!

モンテッソーリのインファントコミュニティ参加初日の娘

その瞬間、私は完全にモンテッソーリ教育に魅了されました。そして、モンテッソーリ教育の教師資格を取るために、それまでやっていたことを辞めてトレーニングに申し込むなどすぐに行動を開始しました。

その後、教師としてクラスで子どもたちに接するだけでなく、結婚後は自分の子育てにもこの教育法を取り入れました。すると、自分も救われる部分が多く、子どもも最大限に成長を遂げるのを実感しました。この教育が単に学校だけでなく、家庭でも大きな力を持つことを身をもって体験したんです。

アメリカのモンテッソーリ園に通う娘

4. 世界のモンテッソーリ教育と日本の状況

2006年にモンテッソーリ教育の世界に入ってから、私はこの教育法が幼児期(0歳〜6歳)の子どもに特に素晴らしい影響を与えると感じていました。しかし、2017年頃に海外のモンテッソーリ教育を取材する機会があり、私の考えはさらに広がりました。

アメリカやヨーロッパでは、幼児期だけでなく、小学校の教育にもモンテッソーリ教育が取り入れられていることを知ったのです。例えば、ヨーロッパやアメリカではモンテッソーリ園(幼稚園)に小学校が併設されているのが当たり前のようになっていて、子どもたちは小学校に進んでもモンテッソーリ教育を続けられる環境が整っています。

イタリアを取材した際のモンテッソーリ小学校

「児童期(6歳〜12歳)のモンテッソーリ教育にも、こんなに素晴らしい可能性があるんだ!」と感動した私は、3年間かけてアメリカで勉強し、AMIの6〜12歳対象のモンテッソーリ教師資格を取得しました。勉強の過程は決して簡単なものではありませんでしたが、その努力が報われる瞬間を楽しみに頑張りました。

トレーニングセンターの環境
アメリカでトレーニング中の私(笑)

しかし、2020年にディプロマを取得して日本に戻ると、私は大きな壁にぶつかります。それは、日本にはモンテッソーリ小学校がほとんど存在しないという現実でした。


5. 私の挑戦と今後の展望


苦労してやっと取得したモンテッソーリ小学校教師資格を持っていても、それを生かす場所がほぼない。

それは、私にとって大きなショックであり、失望でもありました。しかし、ここで諦めるわけにはいきません。「なければ、自分で作ればいい!」 そう思い立ち、2020年12月から2021年1月にかけて、私はクラウドファンディングに挑戦しました。

このプロジェクトでは、まず、6歳から12歳までの子どもたちがモンテッソーリ教育を受けられる教室、「モンテッソーリ・ファーム」を開設することを目標に掲げました。多くの方々からの温かい支援をいただき、無事に目標額を達成することができました。

現在、私はこの「モンテッソーリ・ファーム」を通じて、子どもたちが0歳から児童期にかけて、モンテッソーリ教育を継続して受けられる環境を提供しています。

モンテッソーリ・ファーム

この教育法は、子どもの自主性や個性を大切にすることで、その可能性を最大限に引き出します。私が目指しているのは、すべての子どもが自分の力で成長し、学び、未来を切り開いていけるような場を作ることです。

日本でもモンテッソーリ小学校がもっと普及し、選択肢の一つとして認知される未来を目指して、これからも取り組んでいきたいと思います。


おわりに


モンテッソーリ教育は、子どもたちが自分の力で学び、成長することを支える素晴らしい教育法です。

私自身、モンテッソーリ教育に出会い、その力を実感してから、18年間この道を歩んできました。これからも、もっと多くの日本の子どもたちがこの教育の恩恵を受けられるよう、日本にモンテッソーリ小学校を広めていきたいと思います!

ぜひ、モンテッソーリ教育、そして私の取り組みに興味を持って、応援していただけたら嬉しいです。

モンテッソーリ・ファーム代表
あべようこ

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代表 あべようこ
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オフィシャルブログ ひらけ!モンテッソーリ小学校

子育て中のママパパに役立つような情報を書いています。 これからも頑張りますので応援お願い致します!! 保育士、モンテッソーリ教育資格者(0-12歳)、おもちゃコンサルタント、おむつなし育児アドバイザー。