子どもの遊び食べ・叩くことの対応
質問
フォロワーさんから、こんな質問を頂きました
「こんにちは!今子育てに悩みがあり相談させてください。4歳、2歳、6ヶ月の女の子を育てているものです。
4歳の子が、ご飯を食べるのが遅いです。どんな声かけをしたらよいでしょうか?毎回怒ってしまいます。
まず食べ始めるのに時間がかかります。そろそろ食べようか!→早く食べなさい!という言葉かけになってしまいます。
”早く” というフレーズを使いたくないのですが、食べながら机の下にもぐったり、妹にちょっかいだしたり、近くにある物をさわってみたりして集中力がありません。
あと、次女も叩いたりつまんだり噛んだりします。しないでね、痛いんだよと何度も伝えても面白がっているのか、変わりません。私も耐えきれず、怒鳴ったり、叩いたりしてしまいます。
どんな声かけをしていいのかわかりません。どれが正解でどれが悪いのかもわからなくなって、夫婦でどうしたものかと悩んでいます。」
答え
うまく声かけをすれば、やめるということはないと思います。
子ども自身が、どうしたらいいかを自分で気が付いていけるように、落ち着いた態度で伝え、成長を信じて見守っていってあげましょう。
解説
育児お疲れ様です。今のコロナの影響で制限の多い中、おうちで三人の子育てをされていて、きっと大変ですよね!涙
さて、今回4歳のお子さんの件でご相談頂きました。遊び食べについてと、叩いたり暴力をふるってしまう事。
遊び食べの原因と対応①
なかなか食べないとか、ふざけるとか、幼児期にはよくあります。その原因として考えられることの一つは
ママ(大人)の反応が楽しいから
我々は、子どもが困ったことをした時に(人間ですから)感情的になって、毎回違う反応をしがちです。机の下にもぐるたびに、大人が怒ったり、無視したり、または優しくなだめたり、と毎回全然違う反応だったら、子どもは楽しくてもっと反応をみたくなります。
モンテッソーリ教育の0-3歳のトレーナーであるサラ・ブレイディ先生も仰っていました。大人の感情的な態度は、子どもを楽しませる。と。
小さな子どもは科学者です。彼らは原因と結果が大好きです。『このボタンを押したら、どんな反応が得られるかな?』と。毎回同じ反応だとしたら、『なんてつまらないんだろう!他のことを探そう』と思います。(イデー・モンテッソーリ インタビュー記事より)
ですから、毎回オーバーにリアクションせずに、ただ冷静に「机の下から出てきてね」と伝えればいいと思います。それで出て来ないかもしれませんが、別に誰も構ってくれない、と思えば徐々にそういう行動は減っていくはずです。
遊び食べの原因と対応②
次に、食べるのに時間がかかるという件ですが、この原因も、いくつかあると思います。
ひとつめには、だらだら食べていても、結果的には食べられるということがわかっているからです。
最大の時間を決めて(例えば1時間とか)、その時間内にふざけていて食べなければ、食事をおしまいにしてもいいと思います。
その時のポイントは、例えばお昼にふざけていて食べなくて食事がちゃんと食べられないのにおしまいになった場合、後でお腹がすいても、その時に残したご飯を出さない、ということです。3時のおやつや夕飯までは、空腹を我慢することで自分が選んだこと(ふざけていて食べない)の、結果(おなかすいた)を体験することができます。
「ああ、きちんと食べればよかった!」という気持ちをもってもらうことも大切です。
二つめは、なぜ「早く」食べなくてはいけないのかわかっていないということも考えられます。こんなに楽しいのに、なんでママは急いでいるの?なんで?
食事とは別の、落ち着いている時に、例えば時計などを見せて、お昼はこの長い針がここからここまで動く間に食べるんだよ。その時間が過ぎたら、お片付けをしなくてはいけないんだよ。だから、その間に食べようね。というルールを伝えておいてあげるのもいいと思います。
遊び食べの原因と対応③
食にあまり関心がない子どももいます。そういう場合、食に興味を持たせるために、料理の調理過程に参加させるということはとてもよいです!
毎食のご飯が、ただどこからか勝手に出て来るのではなく、自分が関わることで、同じ食事でも違って見えるはずです!
ちぎる、切る、まぜる、焼く、注ぐ、盛り付ける、とか何かお子さんが参加できる部分に参加させてみて下さい。すると、自分でつくった料理は、きっと食べると思います! そこで●●ちゃんのつくったご飯すごくおいしい!と伝えてあげれば、自信もつきます。
大人の対応
もしかしたら、遊び食べをしてしまうのも、叩いたりするのも、大好きなママやパパの気をもっとひきたいということもあるかもしれません。(これは見ていないので本人にしかわかりませんが。)
ですから、できていない時だけ怒るのではなく、きちんと食べていた時や、叩かないで言葉で言えた時などは、すかさずキャッチして「今日、座って食べていたね。」「叩かないで、おくちで言えたんだね」などと伝えて、抱きしめたり笑顔を見せたりしてみて下さい。
あ!派手にアピールをしなくても、大好きなママパパが見ててくれた!認めてくれた!ということもきっと成長につながると思います。
叩くことについて
叩いたりつまんだり噛んだりするとのことですが、これも色々な原因や対応があると思います。
私なら、まずは叩かれたりした方の子に「痛かったね、かわいそうに、こんなに腫れてるね。」などとケアをしてあげます。そして、叩いた子の方に、アイスパックをとってきてもらったりして、介抱を手伝ってもらったり、背中をさすってもらったり、結果を体験してもらうのもいいと思います。
ここで、大人が、叩いた子を叩いてわからせようとしたり、激しく怒ったりするのは逆効果だと思います。何かを伝える時には、叩いたり、怒鳴っていい!ということをメッセージとして伝えてしまうと思うからです、
”叩かないで、口で言おうね。”とか、”叩く前に、嫌なことをママに、ことばで教えてね”とか繰り返して伝えて、それができた時に、いっぱい褒めて抱きしめてあげることが、私はいいと思います。
さいごに
お母さんの言っているように、子育てに正解はありません。でも、困った行動をする子どもの陰には、必ず良い子どもの姿が隠れています。
子どもは本当に素晴らしいのですから。
その良い子どもが現れることを信じて、接してあげて頂ければ幸いです。
参考記事
以前私が、インタビューした記事です。よかったら、こちらも参考にされてみて下さい。
子育て中のママパパに役立つような情報を書いています。 これからも頑張りますので応援お願い致します!! 保育士、モンテッソーリ教育資格者(0-12歳)、おもちゃコンサルタント、おむつなし育児アドバイザー。