マンガ表現講座

表情描き分け基礎講座 /その1

ストーリーマンガに登場するキャラクター達は、映画に出てくる役者と同じで、
演技をして感情を表現します。
演技が下手な役者は感情表現が上手くできないため、観客の共感を得ることが出来ませんが、それはストーリーマンガでも同様です。

学生の描くストーリーマンガを見ると、演技が出来ていないキャラクターが大勢出てきます。
演技というのは、顔の「表情」の使い分けや「しぐさ」がポイントになりますが、それらが十分に描き分けられず、セリフによって感情を伝え読者の想像力に頼ってしまうという傾向があるのです。

■ストーリーマンガにおいては、表情の描き分けはとても重要な表現要素です。

マンガの中に登場するキャラクターが「笑っている」となぜ分かるのでしょうか?

「当たり前でしょ、笑顔を描いているのだから」と言われそうです。

なぜ泣いていると分かるのでしょう?
「泣いた顔が描かれているから」と言われそうですが、「笑った顔」と「泣いた顔」の違いをどうやって描き分けているのか。

そもそも「泣いた顔」と「笑った顔」の違いって何でしょう?

マンガはデフォルメされた記号として描かれることが多いので、プロの描いた「記号としての表現」を多くの方が真似して描き分けていることがほとんどですが、それだけでは十分な表現とは言えません。

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