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大人気野球漫画【MAJOR】

どうも、漫画人です。今回が初投稿となるのですが、どうぞよろしくお願いします。気軽に読んでいただけると嬉しいです。それでは本題へと参りましょう。

※あくまでも個人の意見、感想、推測です。笑

気になっている方もいらっしゃると思いますが、なぜ初回がMAJORなのか?ということから話していきます。これは単に、私が初めて読んだ漫画、そして初めて買った漫画がMAJORだったからです。幼稚園の時に初めて手にし、世の中にはこんなものがあるのだと感動をしました。当時はまだ字もそんなに読めず、言葉もそんなに知らないのに、絵だけでなんとなく何をしているのか、したいのかがわかるそんな素晴らしいものに出会ったきっかけがMAJORでした。

皆さんにも、初めて読んだ漫画ってありますよね?

では、本格的な説明をします。満田拓也さんによるMAJORは1994年に連載を開始し、全78巻と長期連載を週刊サンデーで経て、現在は完結しています。78巻というと漫画多しと言えどなかなかない冊数であり、ここまで長い理由には人気はもちろんですが、特殊な物語の構成方法にもあります。それは、主人公である本田(後に茂野)吾郎が野球に出会ってから野球人生を終えるまでの全てを描いているという点にあります。これの何が特殊かというと、基本的にスポーツ(野球)漫画では高校生が舞台のものが多く、その最終目標(つまり漫画の終わり)はだいたい甲子園優勝やインターハイ出場、プロになることにあります。しかし、本田吾郎の目標は「野球を好きであること、し続けること」に常に設定してあります。だからこそ、少年時代から大人になるまでの主人公が描けるのです。そして、作品の一番の魅力であると私は感じています。

さて、ここからはMAJORのどこが面白いかについて書いていきたいと思います。(※ネタバレを含みます)

まず一つ目は、シンプルに野球の試合が毎回熱くなれるという点にあります。当然のことですが、テレビでやっているプロ野球の試合でもチャンネルを変えたくなるようなワンサイドゲームや消化試合もある一方で、優勝決定戦の最終戦で一点差などの野球にあまり興味がない人でもひりつくような試合ってありますよね?この後者が漫画内で続くと思ってくれればいいです。といっても、フィクションであり読者を盛り上げなければいけない漫画というジャンルでは当然のことなのですが、作者視点で見てみるとギリギリの攻防や、読者が思いつかないような策略、試合中の主人公の成長や仲間との絆を全試合で飽きさせないように描くのって至難の技ですよね。しかも9回表裏のある野球で他のサブキャラもたてながら熱くなる試合が行われるわけですから、正直拍手せざるをえません。特に、ひっくり返せないだろという点差からの詰めかたとかは、ランナーの数とアウト数、そして立たせたいキャラの打順などを野球漫画の場合は計算して描かなければならないので、本当に難しいと思います。(私はカットされている場面なども粗探し気分で計算したこともあります笑)

また、甲子園優勝を目標にしているようなスポーツ漫画とは違う点が二つあります。一つは、本田(茂野)吾郎は重要な試合で負けます。これはなかなか難しいことで、例えば甲子園優勝を目指している場合その目標を達成しようと思うと、地区予選から甲子園を終えるまで主人公が負けることは許されませんよね?しかし、先にも述べたとおり、吾郎の目標は「野球を好きであること、し続けること」にあり、それは作品を通して変わっていく目の前の目標においても揺らぐことがないからこそ、吾郎は負けることができるのです。そして二つ目も目標に繋がるのですが、吾郎は再起不能になるまで、最後の一球まで、限界まで振り絞ってピッチャーとしてボールを投げます。ボロボロになりながらも、どうなっても倒れるまでは試合から降りることはないというのを感じれるのは、主人公が吾郎だからとしか言いようがありません。そういう男だからこそ、読者は試合そのものに惹かれて、感動を覚えます。マジでカッコイイです。

そして、二つ目の面白い点は、家族愛です。(これはわりと本格的なネタバレになりますので御注意を...)漫画だけでなく、映画や小説においても家族を題材にしたものは多く、読者との「大事なもの」という意味で共通認識と共感を得やすいためによく用いられます。なので先ほどと違い、わりとありきたりではありますが、これはMAJORとしてはもう一つのテーマとして掲げていいほどのものでしょう。というのもまず、漫画の始まりからすでに吾郎の母親の千秋は病気で亡くなっています。方や父親の茂治(しげはる)はプロ野球選手ですが活躍はできていません。しかし、吾郎に親としての背中を見せるために一軍の試合でアメリカからやってきた凄腕のピッチャーのジョー・ギブソンと対峙します。吾郎に隠れて練習をしてきたバッティングでギブソンを圧倒するのですが、その圧のせいか不幸にも頭にデッドボールを受け、最初は何事もなかったように立ち上がるものの、その夜に死んでしまいます。初めて読んだ当時は、自分と同じ年くらいの主人公が両親を失ったというのは衝撃的でした。(涙)そしてそんな吾郎を引き取るのが、吾郎の幼稚園の先生であり吾郎の父親の婚約者でもあった桃子先生でした。余談ですが、そのあたりの桃子先生は儚さと愛情とでかなり色っぽいです。そして後に桃子先生は本田茂治のライバル関係であり友人でもあった茂野英毅(ひでき)と結婚をします。その二人の間にできる子供の名前が、吾郎のような真っ直ぐな子に育ってほしいという名前から長男の真吾、そしておそらく千秋と茂治からとった妹の千春が産まれます。どれだけ、この家族が本田茂治と千秋を尊重し、吾郎を大切に思っているかが伺えますね。そんな吾郎は紆余曲折ありながらも、小学校からの幼馴染みである清水薫と結婚をし、いずみと大吾が産まれます。このいずみと大吾に、茂治と同じように父親としての背中を見せようと、一度は世界をとったものの肉体的に衰えてしまった吾郎は影で練習に励み、最後の活躍をして野球人生を終えます。そして、最後には大吾が幼稚園でプロ野球選手になりたいと言っているところで漫画が終わります。このお話の続きは現在も連載している主人公を大吾にしてのMAJOR2で読むことができます。MAJORが名作すぎたために劣化しているように見えますが、MAJOR2も漫画としては面白いと思います。

話は戻りますが、家族のドラマというか、温かさというか野球というテーマがなくてもヒューマンドラマ系として一作かけそうなほどの深さがあります。細かいところを書き出すとキリがないですが、本当の家族じゃないからこその口をついて出た言ってはいけない言葉や遠慮、絆などが伺えます。こういうシーンの漫画ならではの表情もいいですね。むしろ、本当の家族じゃないからこそ、本当に大切にできるんだなとも感じました。

最後に、最初に読んだ作品だから思い入れが強いのかもしれませんが、名作であることは間違いないでしょう。それは世間の人気が証明していますし、何よりリアルでありフィクションという言葉があうのような、現実と漫画の間にあるような作品です。なので共感もしやすいと思いますし、だからこその面白さもあります!

さて、面白さを伝えたところで総評に入りたいと思います。今回紹介したメジャーですが、作画に関しては非常にノーマルです。しかし、ストーリーの濃さと作る混みはかなりのものだと思います。個人的には、もう少し隠れ要素があってもいいかなとも思いますが、なんせ25年も前に連載をはじめた作品なので今と違ってそういったテクニックも少ないのは仕方ないですね。なにより基礎値の高い漫画だと思います!気になったら是非読んでみてください。

【MAJOR】総評

作画:★★★☆☆

ストーリー:★★★★☆

キャラ:★★★☆☆

読み込み度:★★☆☆☆

おすすめ度:7/10

読んでいただきありがとうございました!漫画人でした〜!!