見出し画像

【ドミネーター起動!】PSYSHO-PASSでSFを語る《SFプロトタイピング》

今でこそ「アイツってサイコパスだよな」のような会話が繰り広げられることがありますが、私はこのアニメを見てから”サイコパス”という言葉を知りました。

もう何についてこれから話すかお分かりですね。
はい、そうです。

SF作品をif目線で編集部員が語るシリーズ、第二弾!
今回は”PSYSHO-PASS”(サイコパス)という作品について語ろうと思います!

©サイコパス製作委員会

(こういう企画初めてでどきどきです。お手柔らかに…)

■サイコパスのあらすじ


舞台は、人間のあらゆる心理状態や性格傾向の計測を可能とし、
それを数値化する機能を持つ「シュビラシステム」が導入された西暦2112年の日本。

人々はこの値を通称「PSYCHO-PASS(サイコパス)」と呼び、
有害なストレスから解放された理想的な人生を送るため、その数値を指標として生きている。

今回はあまり触れないが、サイコパスの世界ではその日に着たい服を腕時計型のコンパクトで選択すると、たちまち自分の来ている服が選択したデザインに早変わりしたり、最新のVR技術でアバターを使ったコミュニケーションなどなど、未来的な技術が盛りだくさん!

あったらいいなと感じる技術がリアルに描かれているため、そこもサイコパスの魅力のひとつである。

■管理された未来を担う技術「シビュラシステム」とは

「シュビラシステム」とは、生体力場*を解析し人の心の在り方や魂までをも読み解くことに成功した、まさにこれ以上ないシステムである。

©サイコパス制作委員会

こ人々は職業適性考査により最大限の能力を生かせる職業を決めることができ、恋人適性により最適な恋人を選ぶことができる。

精神状態においては、数字や色相と呼ばれる色で示される。
人々は精神状態を改善し、色相をクリアするためメンタルケアを行う。
全てを「最適」に導いてくれるシステムこそ「シビュラシステム」の能力である。
----------
生体力場…生理学的指標を用いて対象の心理状態を科学的に解明する、感情心理学的な見識を元に体系化された物理量

■現代の人の心を読み解くSF科学技術

©サイコパス制作委員会

サイコパスのように犯罪を扱うとなると、なかなか私たちの現実世界でイメージすることは難しい分野ではあるが、人の心を読み解くとなるとイメージしやすいのではないだろうか。

例えば大切な友人やパートナーと関わる場面を想像してみよう。

相手が落ち込んでいたり何か言いたげな様子。だがしかし「どうかしたの?」「何かあった?」と質問を投げかけても「なんでもない」「別に」の一点張り…。

「あなたが何考えてるか全然分からないよ!?!」

のような人とのコミュニケーションでありがちな問題も、相手が今どんな精神状態なのか把握ができるだけで衝突は未然に防ぐことができ、悪化する前の緩和ケアもしやすいのではないだろうか。

実は現代でも心拍や心電、脳波、発汗などの生理信号から人間の心理状態を分析するシステムは、すでに国内でも社会実装化を目指して動いている。

計測には筋肉の動きを表す筋電位や、
心電、脳波、発汗といった生理信号の他、
画像による瞳孔の大きさなど様々なデータが使用できる。

(これが本格的に日常生活に浸透してきたら、嘘とかつけなくなるな…?)

■シュビラシステムが現実世界に存在したら

・自分に合った職業が分からない
・どんな人が人生のパートナーとして相性が良いのか分からない
・自分の今の精神状態がどんな状態なのか、悪い場合はどうすればいいのか

のような事態は、シュビラシステムが現代にあれば起こらない。

シュビラシステムは言い換えると「選択を間違えない」ことを可能とするシステムだ。
“シュビラが判定するなら絶対”と一種の依存の様な社会が作中では描かれている。(反発派も一部存在はする)

©サイコパス制作委員会

いい意味で人は幸せになれるかもしれないが、ある意味でいうと機械によって自分の人生全てがシュビラによって決められてしまうのだ。

■直感型人間しゃき(筆者)の考察


コンピューターやAIがますます進歩していく中で、サイコパスは人間の可能性が問われる内容になっています。
私たちの未来もいつかこの世界のように、管理される時代がやってくるかもしれません。

・自分の能力を最大限に発揮することができる適切な職業
・自分と相性ぴったりな恋人

わたしの周りでも

「将来的には結婚したいけど、今の相手で本当に幸せになれるのだろうか」
「自分に合ったパートナーってどんな人なんだろう」

といった話はよく議題になります。

そういった人生のパートナーもシュビラが決めてくれたら万事解決!…とか想像してみましたが、そしたら片思いの楽しさも切なさも、私の大好きな少女漫画もこの世に生まれないかもしれないわけで…。

サイコパスのような適切な選択を教えてくれる世界が将来待っているかもしれないですが、管理されずに自分で選択して迷うことができる今の世界も私は好きだなぁと感じました。
(片思いは最高だ……!!)

あなたはサイコパスをみて、どんな世界を想像しましたか?


トップイラスト=moon(@mokumoku_moon6)
文=山崎 梨花