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【天気の子・新海誠】今だから観て欲しい4つの理由《イフ的視点》

皆さん。
新海誠はご覧になっているだろうか。

かく言う私も、「秒速5センチメートル」を始めとして、新海誠の大ファンである。
同郷出身であったり、ifならぬ「ef」のOPムービーを制作していたり、他人とは思えない。(全くの他人である)

とまあ、前置きはともかくとして。
新海誠を語る上で、ゼロ年代SFの話、セカイ系の話、美少女18禁ゲームを始めとしたオタク話、民俗学的な神話的考察など机上に上げねばならないことは多い。

今回は「if/イフ的な視点」として最新作「天気の子」を、新型コロナウイルスで大わらわな現代の日本と未来の日本に焦点当てながら今こそ見るべき理由を説明しよう。

ネタバレ有なので、情報なしで見たい場合は安心してUターンして欲しい。
そして見た後に読んでくれると嬉しいぞ。

見るべき理由① ボーイミーツガールアンドユー

セカイ系がセカイ系たる所以であるが、マジ陽菜ちゃん可愛い。かわゆす。僕はロリコンじゃない。(*´Д`)クンカクンカスーハァー

主要な登場人物の一人として、小栗旬演じる須賀がいる。

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(c)2019「天気の子」製作委員会

冒頭、客船に乗って東京を目指す主人公を助ける須賀はヒロインより先に登場して劇的な出会いを果たす。
あれ?これボーイミーツオッサン?

まあ、このあとしっかりと陽菜ちゃんと出会うんだけど、その前にオッサンと出会っていた。これが重要。
10代には少し難しいかも知れないけど、20代以降の人たちには、まず須賀に感情移入して欲しいと思う。
彼は物語の要であり、僕たちの鏡

僕は彼が、ごく一般的な東京の住人(アンドユー)であると感じた。
これが前提だ。

見るべき理由② 最大多数の幸福が招く自己嫌悪と葛藤

RADWINPSの軽快な音楽とともに、物語が進行するにがつれて、同時に暗雲が立ち込める。

警察の介入で、須賀は主人公を放り出し、自分を正当化する。
そして異常気象的な大雨が降り続ける東京、半地下の事務所にて自嘲するのだ。

「大人になれよ、少年」
「一人の犠牲でおかしくなった天気が治るんなら…」

見るべき理由①の前提を思い出しながら聞いて欲しい。
大雨をコロナに、須賀を自分に置き換えてもう一度。

須賀はオトナだ。
しかし、守るべきものがあり、一身独立したオトナだからこそ、見えなくなっているものがあると言っているようにも見える。

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(c)2019「天気の子」製作委員会

コロナ禍においても、自分の生活であったり、家族であったり、守るべきものがある人々は心の底で「一人の犠牲で~」と思うことはあるのではないだろうか。
全く思わない人はいないんじゃなかろうか。
恥ずかしながら、僕だって思う。
例えば見知らぬ誰かが一人犠牲になることで、コロナに侵されたセカイが元通りになるならば、容認するんじゃないだろうか。

須賀は、自嘲し、気づかないままに涙する。

あれ?ちょっと待って?
ずっとオッサンの話ばっかしてない?

見るべき理由③ これは彼と彼女と僕たちの選択である

物語は終盤に。感動的なクライマックスを迎える。

主人公は言うのだ。
「青空よりも陽菜がいい。天気なんか狂ったままでいい」

因みに僕は、このクライマックスを見ると自動的に号泣するシステムを搭載しています。

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(c)2019「天気の子」製作委員会

彼と彼女は、セカイの在り方を変えてしまう。
しかし、これは彼と彼女だけではない、僕たちの選択でもあるのだ。

「見知らぬ他人が犠牲になって治るならば…」という選択は「見知らぬ他人が犠牲になることを拒むこと」を孕んだ選択に他ならない。

だって、一人を犠牲にして大勢を救うという大義名分。
でもその”救う”という行為を自分で選択していないのだもの。

「天気の子」は誰かに責任や義務を押し付けて、セカイを救ってもらおう。なんて甘い考えを一蹴する。

見るべき理由④ 変わってしまったセカイの中で僕たちは

物語の終わり。
セカイ=東京は水没し、にわかにディストピア味溢れた風景になっている。
このあたり僕好みなのでぜひ見て欲しい。
でも小難しい話をしてしまうから、まずは陽菜ちゃんの可愛さで癒されてくれ。

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(c)2019「天気の子」製作委員会

あの水没した東京は、見るべき理由③で述べた選択の結果に他ならない。
今見ると、afterコロナなどない、withコロナとしていかに生活していくかを迫られているようにも感じる。

僕は/私は須賀じゃない?現実はもっと複雑だ?
ごもっともである。
でも、自らの行動が近因遠因となって現在の状況を招いているのは事実であること、オトナは受け入れなければならない。
解決方法は選挙かも知れないし、自粛的行動かも知れないし。正直、僕にも答えはわからない。

だから、これからは誰かに救ってもらおうなんて在り方のセカイではいけないのだ。
自分が選んだ一つのことが、自分のセカイの真実であるという在り方に世の中は変化していくだろう。

withコロナは、ウイルスとどう向き合うかの話ではない。
セカイとどう向き合うかの話なのだ

今だからこそ、その序章たる「天気の子」という物語を観て欲しいのだ。

まとめ 陽菜ちゃん好き好きあーかわいい好き

以上が、映画好きの僕が自粛明けに我慢できず映画館で天気の子を再度観たときに考えたことである。
ちなみに自粛期間中に届いたBlu-rayは擦り切れんばかりのヘヴィーリピート中。

セカイとどう向き合うか。
これから先、僕たちは何を選ぶのか。

それは、ifでも掲載している記事たちの中にも答えの欠片があるかも知れないと感じた。
なぜならば、彼らもセカイと戦う主人公のようなものだから。

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(c)2019「天気の子」製作委員会

僕は、そう思いながら、どうやったら陽菜ちゃんと結婚できるか考えています。
あー、陽菜ちゃんマジ天使。かわゆす。クソ推せる。
好き好き大好き愛してる。

んはぁー、天気の子観よ。

文・編集=齋藤春馬(@st_hal_

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