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『堕天使は呻く/第三の目の予兆』【読切小説】#封印されし闇の力を解き放て

初めまして! 通りすがりの者ですが、中二病設定なる魅力的ワードに呼ばれて、書かずにいられませんでした。お目通しいただければ幸いです。


(全文約1500字)

その1『堕天使は呻く』

 
 漆黒の闇の中で。
 私は薄く目を開き、うめく。
 ただ、安らかに眠り続けたかった、それだけを望んだ。
 だけど、運命が……それを、許さない。

 この、まるで背を裂くような、痛みは。
 私の背に、一対の翼があった頃の、記憶。

 それは。遠き日に終焉を迎えたはずの、前世過去
 神の栄光を讃える、白き翼をもがれ。
 痛みと共に、生え変わったのは、闇よりも暗い……黒き翼。
 そして。私は堕天した。
 それが私の、生まれ変わっても消えない、罪。

 どうして……私は。
 この因果律から、逃れることが出来ないのだろう。
 罪深き魂は、肉体という檻に囚われて、あえぐ。

 たとえ、この生が終わっても。
 未来永劫、この牢獄から逃れることは叶わない。
 叶わない、のだ……。

 暗闇の中で。倉田佳世かよはハッとして、目を見開いた。
 時計を見ようとして体を動かすと、背中がミシミシッと痛み、思わず「ううっ」と声を上げる。

 ああ、そうだった。
 半分寝ながら、現実逃避してた……まるで自分に、第二人格が存在するかのように。

「あー痛い……」

 独り言ちた佳世は、これは確かに、背中から羽が生えてきそうな痛みだな、と思う。

 ベッドサイドランプのスイッチに手を伸ばして、そこでまた呻き。室内が明るく照らされたところで、そうっとベッドから起き上がり、洗面台へと向かう。

 佳世は洗面台の鏡裏から、常備している貼り薬を取り出した。パジャマの上だけを脱ぎ、痛みに耐えながら腕を伸ばし、背中にペタペタと貼る。それを終えると鎮痛剤を手に取り、押し出して口に含む。コップに汲んだ水道水で、一気に流し込んだ。

 戻ってベッドに腰掛けると、肩の力が抜け。
 けれど、力が抜けたなんて些細なことでも背中が痛んで、佳世はため息をついた。

 実のところ、佳世がこの痛みに対処するのは、初めてではない。
 どうやらこの背中の痛みの原因は、運動不足&姿勢の悪さ&長時間の同じ姿勢、などのようで。

 ……あとそれから、歳のせいもあるよねー。
 えーい、ほっとけ、コンチクショー。

 佳世は頭の中でそんな悪態をきながら、背の痛みにまた呻きつつ、身を横たえ、枕に頭をのせる。

 ……それにしても。
 厨二病って、この歳になっても治らないもの、なんだなぁ……。
 背中より、むしろ、こっちをなんとかするべきなんじゃないの?
 いやいや、これは自分なりの処世術。
 本来の私ではなく、第二人格だし……。
 へぇ。まぁ、そういうことにしておこうか?

 とりとめのない、自問自答な思考を重ねるうちに。
 薬が程よく効き出し、痛みよりも眠気が勝るようになって。

 背中の痛みが薄れてゆく、それが少し寂しい、などと思ってしまっている自分に気付き、佳世は思わず「バカだなぁ」と、天井に向かってつぶやく。

(堕天の罪を忘れし人の子は、その忘却により、また一つ罪を重ねる。)

 ……と、なると?
 私の来世って、どうなっちゃうの?

(それは、夢のつづきにでも。)

 佳世の、第二人格が言い。
 二人はそろって、痛みのない夢路をたどり始めたのだった。


おしまい。

(注・背中の痛みはヘルニアなどの整形外科的要因、内臓疾患の可能性もあるそうなので要注意。そこの堕天使なアナタも、我慢しないで早めに受診を……って、オマエには言われたくない? デスヨネー)


その2『第三の目の予兆』~特別ダイジェスト版~


第二人格な佳世(鏡の前):
『ばか、な……第三の目の予兆、だと……?』
 
現実な佳世(鏡の前):
「ええー、おでこの真ん中に吹き出物とか、勘弁してくれい」


おしまい。



堕天使は呻く/第三の目の予兆
【2024.10.04.】up.

#封印されし闇の力を解き放て
#中二病 #厨二病 #堕天使 #第二人格  #第三の目

#駒井かや
#あなたにニヤニヤしてほしい

# 両方とも実体験クサいぞ
# キャラ作るまでもなく自分が厨二病
# 背中にト〇ホンおでこに絆創膏な厨二病の妙齢女子ってキャラ

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