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仮想通貨銘柄・Riot Blockchain Inc.,(RIOT)の決算書を読む

CoinRiot Blockchain Inc.,は、アメリカのマイニング会社です。

https://www.riotblockchain.com/


マイニングの他にも各種プロジェクトに投資しています。

https://www.riotblockchain.com/portfolio

・TESSPAY:携帯キャリアのためのブロックチェーンを基本としたエスクローサービス。
・Verady:VeraNetを通じた暗号資産会計と監査技術のサービスを提供

執筆時点、3Q (2020/9/30)までの決算情報が発表されているので見てみることとします。

Riot Blockchain Inc.,(RIOT) の財務諸表を見てみる

Organization(組織Organization

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抜粋:

・特別なコンピュータ(マイナー)を利用した仮想通貨のマイニングの活動を行っている
・2000年7月24日に創業。
・2017年10月19日にBioptix, Inc.からRiot Blockchain, Incに名称変更。
・ネバダからコロラドに拠点を移している
・当年度、マイニングの効率性とパフォーマンスを向上させることを目的としたマイナーのネットワークアップグレードが終了。
・Bitmainとの購入契約を結びマイナーを追加購入(分割払い)する予定である。2020年の第四半期と2021年前半に引き渡される予定。

Statement of Operations(損益計算書)

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トップラインのRevenue(収益)ですが、マイニングによる収益が主ですね。そして前年同期比で3ヶ月だと$1,715K → $2,437K (+41.6%)、9ヶ月だと5,564M→6,717M (+20.7%)の伸びとなっています。Organizationセクションで記載している通り2020年第四半期と2021年前半には追加でマイナーが増えることから、トップラインの伸びにも期待ですね。

Operating loss(営業損失)を見てみると前年同期比で3ヶ月だと、△$1,894M→△$2,437M(△28.6%)で9ヶ月で△6,481M→△18,486M(△185.2%)となっています。

Operating lossの増加要因ですが、9ヶ月PLのCost and expense sectionのImpairment of long-term investmentで$9,413M発生しているのが主な要因ですね。2Q以前に発生していたことがわかります。またImpairment of cryptocurrenciesも$989M発生していますね。

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また、Net loss(純損失)については、前年同期比で3ヶ月だと、△$1,834M→△$1,717M(△6.4%)で9ヶ月で△16,641M→△16,584M(△0.34%)となっています。

また、Operating lossがFY2020で増加していますが、Net lossについてはFY2019であまり変わっていないことが見てとれますね。

Operating lossが増加していますが、主な原因としてはImpairment of long-term investmentが発生していることに起因するものです。

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抜粋:

・発生理由は、Coinsquareの投資の減損によるもの。
・2019年度にCoinsquareに9.4 million USD(当社発行済み株式の11.8%を保有)を投資。
・2020年6月にOntario Securities Commision (OSC)からの申立てがあり。内容は2018年から2019年にかけて経営陣や取締役が仮想通貨の「ウォッシュ・トレーディング」に関与していたというものである。
・その後、2020年7月21日、OSCのヒアリングパネルは、OSC、Coinsquare、および経営陣・ディレクターとの間で、オンタリオ州の証券法の違反を認める内容の合意を承認する命令を下した。(内容はCoinsquare市場のトレーディング量の市場操作、顧客や投資家に誤解を与える行為、内部の告白者に対する報復など)
・OSCからは監督やガバナンスの強化と関与した経営陣や取締役の特定の活動の禁止、辞職と制裁金の支払(CAD 2.2 million)を命じられた。
・上記の理由によりCoinsquareの100%の減損を生じさせる兆候と観察価格の変化があり、減損を認識することとなった。・・・

Coinsquareはカナダの会社で仮想通貨のTrading platformを運営している会社です。この不祥事があったものの、Coinsquare自体はビジネスを継続しているようです。(経営者による不正と内部告発の無視という典型的な不正スキームのパターンですね...)

一方で、Other expenseはFY2019のほうが大きかったようです。これは、転換社債/普通株式/ワラントの発行による損失、ワラント負債の公正価値の変動、転換社債の公正価値の変動による損失が発生していた影響です。

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Balance sheets(貸借対照表)

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1年でBSのサイズは2倍に。おもな要因としては下記ですね:

Cash:$7,440K → $30,086M
Cryptocurrencies $3,839K → $8,987K
Deposits on equipment $1,449K → $12,803K


対してEquityが増えたためにStockで調達したことが見てとれます。ただ、累積の赤字がかなり膨らんでいるのが気になります。。。(直近の赤字のドライバーは減損などの非現金支出費用が目立つ)

最後に

・着実にRevenueを増やしていますが、ボリューム自体そんなに大きくない。
・手許現金の厚み的には当面のオペレーション
・2021年にかけたマイナーの強化によるマイニング量の増加に期待。








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