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新卒エンジニア就活いろは

私は2022年1月から4月にかけて4か月間、新卒としてエンジニア就活をし、自社開発企業のエンジニアとして複数内定を頂きました。そこで感じたことに「新卒のエンジニア就活の情報がネット上に全然載っていない」ことが挙げられます。母数が少ないので仕方がない部分ではありますが、情報不足によって技術力のレベルやプロダクト志向かどうかなどでミスマッチが起こりやすい現状があるのではないかと考えました。そのため、私自身の体験を基にして、これからエンジニア就活を考えている方が、自分に合った企業を探し、自分のポテンシャルを面接等で十分に発揮できることに役立ててほしいということが本記事の目的になります。

もくじ

⓪エンジニアの魅力
①業界研究
②利用すべき媒体
③企業研究
④コーディングテスト
⑤面接
⑥オファー面談

⓪エンジニアの魅力

まず、エンジニアは需要が加速度的に増えている割には供給が全く追いついておらず、給料や待遇がどんどん上がっています。少なくとも将来仕事が無くなることは無いといえるでしょう。また、テレワークができたり私服OKなので働き方もラクです。さらに、個人の能力や市場価値で収入が決まるので、企業に依存しない働き方ができます。20代でもエンジニア経験を順調に積んだ人であれば年収600~700万がざらにいます。エンジニアになれる能力がある方やプログラミングが好きな方は、なるべき理由がたくさんある魅力的な職種と言えます。

①業界研究

ITはもはや業界関係なく様々な場所で利用されています。今こうやって利用しているNoteというサービスもエンジニアたちが作り運用しています。エンジニアとして働こうと思ったら大きく以下3つの働き方があります。

①自社サービスを開発している会社でのエンジニア
②受託開発企業でのエンジニア
③SIerでのエンジニア

まず、各企業の特徴を見ていきましょう。自社サービスを開発している企業はWeb系とも呼ばれます。有名どころは楽天、Dena、ミクシィ、LINEなどがあります。受託開発企業はお客さんに対してプロダクトを納品する業態です。多岐に渡る企業が存在し、高い技術力がウリで何でも屋のような企業もあれば、メーカーっぽいエレベーター開発などのニッチな企業(○○システムみたいな社名)もあります。SIerはお客さんのシステムをヒヤリングし、協力会社に開発を依頼する商社のような会社です。新卒の間で人気の高い大手企業、NTTデータやNEC等が当てはまります。SIerは調整や管理業務がメインで、エンジニアのような働き方は限定的です。

中でも①の自社開発系企業のエンジニアは、事業内容や理念への共感がしやすく私もその業態を中心に就活していました。ただ、人気企業は非常に高い競争率であり、優秀な新卒エンジニアたちがしのぎを削っています。

まず、最初に抑えるべきは、自身の新卒エンジニアとしての市場価値です。これは、各企業ごとに新卒の年収が公表されていることが多いので、これとすり合わせることができます。

新卒エンジニアのレベル感イメージ
年収350万→指示通りにプログラミングが書ける
年収400万→先輩のサポートの元にプログラミングが書ける
年収500万→一人で機能の実装ができる
年収600万→コンテストや論文入賞など高い技術力が認められる

また他に抑えるべきポイントとしてプログラミング経験と照らし合わせてみます。かなり限られてきますが、制作物をリリースした経験有りでようやく年収350万のレベルに到達できるというイメージです(サポーターズの統計上、エンジニア就活生4万人の内上位10%しか当てはまらないそうです)。さらにエンジニアインターンなどの実務経験が有れば、年収400万に到達できるイメージです。なかなか大変ですね!年収500、600万に到達できる新卒はほんの一握りと言えるでしょう。応募者の技術力は選考において制作物やコーディングテスト、ディスカッション等で判断されます。

次にエンジニアの職種をさらに細分化します。エンジニア一つとっても、サーバーサイドエンジニア、フロントエンジニア、モバイルエンジニア、インフラエンジニア様々な職種があります。基本的にはどれか一つに絞って就活をしないと話が進みません。最も需要と求人数が多いのはサーバーサイドエンジニアです。

②利用すべき媒体

利用すべき就活媒体はズバリ、サポーターズ、Paiza、Offerboxの3つです。この3つがあれば、ほぼ全てのエンジニア職種に出会えます。一般的な就活ナビサイトは、エンジニア就活においては基本的に全く役に立ちません。また、就活時期は早期化の傾向があり、早く始めるに越したことはありません。人気企業の場合、定員達成でが早く選考終了することもあり得るためです。

サポーターズは新卒エンジニアに特化した鉄板の人材紹介会社です。質量ともにトップだと思います。イベントやリクルーターをフル活用していきましょう。(支援金も多く支給されます)

Paizaはプログラミングスキルを可視化し、エンジニア就活をする媒体です。スキルは競技プログラミングのような問題を解いてランクを上げることができます。多くの企業で、Bランクあればカジュアル面談や選考に進められます。A,Sランクまで取れれば、ほぼ全ての企業と出会えるでしょう。

Offerboxは登録するだけでスカウトが来るサイトです。ただ、気をつけてなければいけないことがあり、それは、スカウトが来た=内定ほぼ確では全くないということです。企業はエンジニアがとにかく欲しいので、一日何十人へスカウトを送信しています。あくまで選考に載ったら横一線のフラットな勝負なので、しっかり志望理由や過去の取り組みの言語化をしておく必要があります。

選考への使い方としては、受けたい企業があればまずサポーターズを通して選考に申し込むべきです。就活全体の内定率は大体10%くらいで、サポーターズ経由の内定率は20%あり、比較的確率が高いためです。次点でPaizaを使って求人を探しましょう!Offerboxはあくまでカジュアル面談や業界、企業研究のために使うのにとどめておいた方が無難です。選考はその企業に一度落ちてしまうと、もうその年は受けられなくなってしまうので注意が必要です。

③企業研究

まず、エンジニア組織はこれからどんどん拡大するフェーズであることが多いです。なので、一般的にはTech企業としてあまり名の知られていない企業にもTech領域に投資して成長フェーズである優良企業がたくさんあります。しかし、母数が少ないので選考体験記などの情報や内部の情報が公開されていないことも多いです。そのような場合はカジュアル面談をとにかくたくさんすることをお勧めします。
カジュアル面談は選考要素のないざっくばらんな面談の機会です。多くの情報をヒヤリングすることができ、働く雰囲気や色々な企業の価値観に触れられるので、場数をたくさん踏むべき理由がたくさんあります。サポーターズの1on1イベントであったり、そのような機会をたくさん利用しましょう。
企業研究はホームページを見るのも大事ですが、IR情報(投資家向けに事業内容や財務状況を説明するもの)を知ることも大事です。Ulletというサービスが各企業のIR情報を分かりやすくまとめているのでお勧めです。毎年売り上げが成長し続けている熱い企業なのか、落ち目になっている企業なのかが一目で分かります。また、売り上げが右肩上がりでも、利益がプラスで安定している企業もあれば、利益がマイナスでたくさん投資している企業など色々な特徴が分かります。逆質問の機会にこれを利用すると、深い話を聞くことができ、相手にも良い印象を与えられるでしょう。

④コーディングテスト

コーディングテストは特に人気の高いメガベンチャー企業で技術力でフィルターをかけるために多く取り入られています。各企業ごとに一回受験するのに2~4時間かかるので大変です。コーディングテストのレベル感は、PaizaAランク取れる能力があれば、ほぼ全て問題なく通過できるようなイメージです。また、Paizaの内容と親和性が高いため、Paizaにコツコツ取り組むことが良い練習になるはずです。PaizaBランクが最低ラインと言えるイメージなので、アルゴリズムとデータ構造の勉強を頑張りましょう!

⑤面接

コーディングテスト等が無事通過したら晴れて面接にたどり着けます。面接はほぼ全てオンラインで実施されます。まず最初に面接の意義を確認します。新卒面接は、面接官が求職者の水準や為人を把握し、一緒に長く働けるのか?働きたいかを判断するものです。そこでのOutputの質を上げるためには、相手の質問に端的に回答し、その回答を基に話を深めていくようなキャッチボールを意識すると実りある時間になります。話が長いのはダメという評価が一般的です。最後に逆質問の機会が必ずあります。ネットで調べると多くのヒントが出てきますが、これはUlletのIR情報を基にして質問すると好印象間違いなしです。

面接の選考フェーズは一般的に、1~3次面接まであります。各企業ごとにポリシーはあるのですが、おおよそ各選考フェーズでは以下のポイントが見られるイメージです。

1次面接(人事)→企業理解、コミュニケーション力。合格率50%
2次面接(エンジニア)→技術力、コミュニケーション力。合格率40%
3次(最終)面接(役員)→思考力など。意思確認。合格率70%

結果通知の期間は、能力が認められて合格の場合は1日後などすぐ連絡が来る傾向があります。逆に落選の場合は、一週間待たされてメールでお祈りメールが来るだけです。待ち遠しいのは分かりますが、くよくよせず、淡々と新たな選考やカジュアル面談に申し込みましょう。経験値も大いに役立ちますし、多くの価値観に触れることで自身の成長や選択肢増加に役立つでしょう。

各選考の合格率は主に技術力、対人能力、志向性のマッチ度3つの要素で決まります。いずれにおいても、準備段階から企業研究を行い、過去の取り組みをしっかり言語化し、相手に伝える能力を準備しないと伝わりません。特に現場エンジニアが出てくる面接がカギになるので、よく聞かれた質問を列挙しておきます。

・過去のプログラミング経験(制作物など)→技術力
・インターンや研究の内容→技術力
・なぜその技術を用いているのか→技術力
・どのように技術の勉強をしているのか→技術力
・技術の勉強で大変だったことは?→技術力
・なぜインターンやその研究を始めたか→志向性
・なぜプログラミング始めたか→志向性
・なぜエンジニアになりたいのか→志向性
・なぜうちの事業内容に興味があるのか?→志向性
・将来どのようなキャリアを考えているか(テックリード or 企画)→志向性

⑥オファー面談

晴れて内定をもらったらオファー面談がセッティングされることが多いです。これは、労働条件や給与面、評価制度などの説明を受けます。内定をもらった時点で法律的に保護されるため、選考要素は皆無なのでざっくばらんに話を聞きましょう。より働くイメージを深めたり、入社企業を選定する際に役立つはずです!

まとめ

新卒のエンジニア就活について一通りまとめました。需要が多いとはいうものの、人気企業への就活はかなり高い競争率になっています。ポテンシャル採用とジョブ型採用の中間的な考え方の企業が多い印象です。エンジニア就活は技術力が見られることが特徴で、選考を受け始めた時点で、最終的な結果が決まっているような側面があります。弱肉強食なシビアな世界ですね!個人的には大手企業の選考の方がラクに感じました。ただ、それを乗り越えれば、魅力的な夢のある世界が待っているので、是非チャレンジしましょう!一緒にエンジニアとして働くことを楽しみにしています。

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