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中国・天津港の元JR西日本キハ58系キハ28形保存車

中国に行って天津港の保税地区に置いてあるキハ28を見て来ました。
土地柄ゆえか、ごくたまにネットで目にするくらいの存在でしたが、2024年4月現在もバッチリ健在でした。

天津飯って天津に無いって知ってた?

キハ58と紹介される事が多いですが両方ともキハ28。
キハ58系のキハ28形だからまぁ良いのか。
それにしても、1エンジン車のキハ28系だけ海外に持っていって、一体どうするつもりだったのだろうか??
現在分かっている情報をお伝えする。

2024年の中国渡航

先に2024年4月の中国への渡航についての体験談を書いておく。

パンデミック以前に可能であった、中国への15日間ビザ無し渡航が、日本人は未だ不可能となっている。
今回は針の穴を通す唯一の手段として、第三国への移動を目的とする144時間のトランジットビザ免除を使う事により、タイムリミットこそ忙しないが期間限定の中国入国が叶った。

中国・初入国、イェイ!

色々と情報の錯綜しがちな144時間のビザ、結果から言うとワタシはあまりオススメしません。
手続きが日を追うごとに厳しくなっているようで、2024年4月の段階で入国にとても苦労しました。
飛行機搭乗前に航空会社から「コイツが中国に入国したがってるから、着いたらヨロシクね」的な情報を日本の空港からあらかじめ書面で申請しなければならないシステムになっており、その手続きに2時間近くかかります。
たまたま早めに成田に着いていたから良かったものの、この時は飛行機に乗りそびれるかとドキドキでした。
Springjapanのスタッフの方、マジでご親切にほんとうにありがとう。
144時間トランジットビザは中国国内での移動の制限も厳しく、渡航を急ぐ必要がなければ、いずれ復活するであろう15日間ビザ免除の時を待ってからの方が中国旅行を楽しめると思います。

中国内での滞在もなかなか難易度が高いです。

今の中国はキャッシュレス決算が台頭。
現金は使えるには使えるのですが、ほとんどのお店でお釣りは出ないと思っておいた方がいいです。
あらゆる決算がQRコードでイケるので住めば都なんでしょうが、短期旅行者にとっては少々難易度の高い国になってました。
現金社会が終焉したからなのか、ATMも空港以外はほぼ見かけませんでした。

っが、しかし、アリペイが最強すぎた!
コンビニも町中華も自販機もバスもタクシーも、なんでもアリペイです。
渡航するなら必ずインストールしてから行ってください。
最近になって、日本発行のクレジットカードで登録可能になったので、何も難しい事はありません。
SMS認証が必要なので、絶対に日本出国前に済ませましょう。
ワタシ、アリペイ使えなければ詰んでたと思う。

今の中国は、日本には出来そうに無い、デジタル化の進んだすご〜い国でした。
この話をすると、ネト◯ヨなおじいちゃんが何故かワタシに絡んで来るけど、リアルに中国行ってみ。ホントだから。

以下、中国のキハ28について、分かっている概要。

キハ28は2004年頃に中国の天津港へやってきた。
中国内を一度も走る事がないまま、保税地区内に20年留置されている。
地図を見てみると、ここは日本から送られてきた品物を置いておくスペースのようである。

何故このキハたちは中国へと旅立ち、海を渡ったのか・・・。
確実な事は分かっていないのだが、有力な説が2つある。

①インドネシア説
インドネシアに持って行く計画が輸送途中で破綻。船の経由地である中国にひとまず陸揚げし、そのまま20年経過・・・。

②観光鉄道説
中国で新たに建設する予定の観光鉄道の為にキハ28が譲渡されたのだが、鉄道完成前に会社の経営が悪化し建設中止。キハは使い道が無くなり、そのまま20年経過・・・。

どちらの話が正しいのか不明だが、縁もゆかりも無いはずの中国の地で国鉄車両のキハ28を眺めるのは何とも不思議な感覚だ。
日本国内の記事でこのキハ28について語られる時は観光鉄道説が多いのだが、中国の鉄道ファンの方にメッセージを頂いた時はインドネシア説が有力のようであった。
輸入品や輸出品を一時的に置いておくスペースである保税地域から外に出ていない事を考えると、中国に向けて発送された車両では無いような気がしてくる。
インドネシア説が正しいのだろうか。

っていうか、そもそも何故キハ28だけなのか。
キハ58もセットでプレゼントしないと扱いづらいだろうに。

キハ28の周りは高い柵で覆われている。
中国のSNSなどにアップされている数年前の動画では保税区内に入り車内の撮影を行っている映像も見られるが、ワタシが訪れた2024年の4月の段階では敷地内に人が入れそうな経路は確認出来なかった。
また、辺りには大量の監視カメラが設置され、公安と書かれたパトカーも時折周囲の道を走っていた。
実際に中国まで見に行きたいという方はいないとは思うが、国際問題に発展したら超コワいし中に入るのはやめておいた方が良さそうだよ、とお伝えしておく。

これらのキハ28は2両とも元JR西日本の気動車だった。
急行「みよし」色のキハ28 2306は広島県などで走って走っていた車両で、みよしカラーのキハ58/28で現存する最後の個体だ。
国鉄色のキハ28 2486は後藤総合車両所の車両なので、山陰本線で走っていたのだろう。
長年の屋外留置により、元々シブかったキハ28が更にシブい姿になっていた。素晴らしくディープな国鉄考古学スポットである。

一応、iPhoneで動画も回しときました。


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