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カテゴライズの罠

『ピカチュウは、でんきタイプのポケモンです』

うんうん。


『でんきタイプのポケモンは、みんな可愛い』

……うん?

これは、サンダーやコイルから苦情がくるかもしれませんね。


人って、分かりやすくカテゴライズするのが好きだし、脳科学には詳しくないけど、きっとそうしがちな生き物なんでしょうね。


占いも、これを利用したものだと思います。

動物占いで虎だから、リーダーシップのあるタイプ。
星座占いで射手座だからだから、好奇心旺盛なタイプ。

名前をつけてラベルを貼ってもらうと、理解しやすくなりますもんね。
(ちなみにわたしは猿で射手座)

それは別に悪いことではないけど、カテゴライズは偏見や思い込みと相性がいいから、気をつけないといけないなと思っています。


この人はこういうタイプ。
確かにそうかもしれない。でも、それだけじゃない。

わたしは確かに臆病なタイプかもしれない。でも、過去に大胆な決断や行動をしたことがないわけじゃない。
インドアなタイプでも、旅行するのは大好きだし。


人は複雑にいろんな面を持っていて、それは今はまだ見えてないだけなのかもしれない。

休み時間に大人しく本を読んでいる子が、大のお笑い好きかもしれないし、いつもクラスでおちゃらけてるあの子は、実はピアノ教室に通っているかもしれない。自分とは違うカテゴリーに属すると思っていた人と、共通の趣味があるかもしれない。
そういうものを、見つけにくくする一因にもなりうるのかな、と。



『ピカチュウはでんきタイプのポケモンです』
というような、揺るぎないカテゴライズならいいのだけど。

もちろん、第一印象でこの人はこういう人かなあ、というイメージは持ってしまうこともあるし、それはわりと当たっていたりもします。
でも、その人を形づくるものはそこだけではないし、だからダメだとか、分かった気になるのはちょっと違うのかな。


そういえば少女漫画の恋愛は、"全然カテゴリー(所属)の違う気の合わないやつ!"から始まることが多いですよね。

『君に届け』の風早くんは、他のクラスメイトみたいに、爽子ちゃんをただの暗いやつだとは思わなかった。偏見なく、まっすぐに爽子ちゃんのことを見ていたから、彼女のポジティブで優しくて、努力家な一面が見えたんです。


カテゴライズはわかりやすいけど、窮屈な時もある。
よくしちゃうけど、自分がカテゴリーで語られたら嫌な時もある。

歳を重ねるごとに、経験というデータベースに頼りきって、新しいものを見ようという気持ちが減ってきている気がしたので、自戒も込めて。


たしか、アシタカも言ってましたね。
『曇りなき眼(まなこ)で見定め、決める』って。

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