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アテンション・エコノミーとの付き合いかた

アテンション・エコノミーの登場で、「間違うこと」が損ではなくなった。 昭和や平成の初め頃は、 コンテンツを作るときに間違ってはいけなかった。 だから、プロフェッショナルが記事の構成や事実関係を入念にチェックして、 可能な限り正確性を求めてやっていたんですね。信頼を積み重ねて、間違わないことを売りにして飯を食っていたんです。 それがインターネットが登場し、1人1台スマホを持つようになって、情報の氾濫がおきた。 それに伴ってマネタイズの仕方も充実して、広告収入もあればダイレクト課金、サブスクもできる。そういうものがいろいろ出てきて、人々は「正確性ではなくて、いかに注目を集めるか」に重点をおくようになりました。


正攻法で勝てないプレイヤーは炎上商法をしたり、あえて間違ったことを言って注目を集める。 そういう手法をとり出した。 陰謀論界隈は顕著で、陰謀論というのは9割型妄想(作り話・憶測)なので、事実に基づかずにただの思いつきで発信する。世界を牛耳っているのは「ユダヤ金融資本だ」とか「地底人がいる」とか「地球は真っ平だ」と、いろんなことを言う。一人一人がダイレクトに、市場にコンテンツを出すので、 粗製濫造なんですね。とんでもない嘘が書かれている。 「こうすれば癌が治る」「こうすればアトピーが治る」いろいろですね。 アテンションエコノミーでは、こういう間違ったことを堂々と言っていれば、信者もできるし、アンチ(アテンションエコノミーではアンチもお客さん)もつく。


アンチが「また、あの陰謀論者が変なこと言ってるぞ!」と拡散する。 こうなると、嘘がデメリットじゃなくてメリットになる。どれだけ嘘をつけるかの競争になってるんですね。 人々が反応するような、荒唐無稽なことをたくさん言った人、つまり「とんでもない嘘つき」が「知名度を上げ、フォロワー数を稼ぎ、お金をゲットする」そういう時代です。

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