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孤独な人に教わる孤独をきわめる方法

孤独を極めた人は共通して大きな目的を持って外に飛び出して行く。そこで必ず世界と戦わなくちゃいけない。それは孤独を極めた人の使命であって、その境地に至ろうとすれば孤独にならざるを得ない。 孤独を極めるまでの道半ばは、厳しい。辛い。だって周りには、あなたを理解してくれる友達、家族、先生、上司はいない。インターネット上にすらそんな人は存在しない。孤独な人は必死になって、周りの空気を読み、世の中の常識を知ったふりして彼らにすがりつこうとする。大人になっていく周りに置いて行かれないよう

    • 内向型人間にこそ第二言語のすすめ

      内向型人間は基本的に一人を好みます。なぜなら、人といるだけでかなりのエネルギーを消耗するからです。良い人であるために、少なくとも人に不快な思いをさせないように、全神経で気を使ってしまいます。全身にも力がぐっと入ってしまいます。家に帰って一人になっても家族がいるなら家族に、アパートで一人暮らしでも隣の住民の方に気を使って、風呂にすらゆっくりと浸れないなんて有様です。だからどうしても、睡眠時間をたくさん必要としてしまう。こんな性格に生まれなければ.....自分は社会不適合者だ..

      • 躁鬱大学中間レポート(勝手に)提出

        このレポートは坂口恭平教授が生まれながらに持つ人をコントロールするカリスマ性についてのものです。教授は以前より新政府をつくると明言しており、今までもいのちの電話をはじめとして活動をしておられました。躁鬱人ならではの使命感、正義感に突発的にかられ、その行動はけっして非躁鬱人が真似できるものではないと思います。また、初段の躁鬱人ができることでもないと思います。 この十年に渡るいのちの電話を一人続けことから生み出した先日の講義の内容に私は大変驚きました。坂口恭平教授が行っていたこ

        • 'FUCK YOU'から思い馳せてみた

          ちょっと思い出したことがあったから、ここにメモしておこう。 これは私がヨーロッパにしばらくいて悪い言葉やスラングを少しずつ覚えてきたときに気づいたのですが、英語ではよくFUCK YOU! と相手を罵りますよね。日本語では、くたばれ!死ね!などと訳されます。私はここに大きな違いがあると思いました。FUCK というのは実は動詞(自動詞・他動詞?)として機能していて、(I) FUCK YOUと捉えられます。つまりそこにはきちんとした主語があり主体性があります。私があなたをくたばらし

          昔話(1)

          過疎化が進んだある村で、ある夏ひとりの男の子が生まれました。 その名を幸男と言いました。 さらにその年の暮れには、女の子が生まれました。 彼女は風子と名付けられました。 その村にとって待望の子供であったので、二人はたいそう可愛がられていました。 物心つく前から幸男と風子はいつも一緒で、河原で遊んだり、もらったお菓子を食べたり、字を習って過ごしていました。 ところが、彼らの性格は真反対に育ったようで、幸男は生まれながらに明るく、雲ひとつない空のような性格をしていましたが、風子は

          昔話(1)

          音を作る人(2)

          夏休みももうおわりに近づいて、僕はなんだか憂鬱な気分になっていた。とりあえずばあちゃんでも見に行ってくるかと、自転車をまたぐ。今日はひどく国道が混んでいて、あちこちで低いクラクションが鳴る。群れをなした動物が交わって、互いをけん制しあっているようで笑えた。僕は歩道に入って、自転車をまたぐんぐん進める。ばあちゃんが塀の前に立っていた。僕に見向きもしないで中に入ろうとしているけど、僕には呼び止めるなんて大層なことはできなくて、とにかく走る。ばあちゃんはそのまま庭にどっしりと構える

          音を作る人(2)

          無題

          世界に対して見方を臨機応変に変えていくというのは、実はそのひとに柔軟性という軸があるからできることだと知りました。それ以外の人は、情報や周りに翻弄されて、物事への見方はらりはらりと根本から翻していきます。それが国のリーダーや責任のある役職ならなお大変です。軸やプライドを持って生まれてこなっかったんだろうかとすら思ってしまいます。いやしかし、プライドがあるからこそ人の意見を丸呑みして指示を得たいと思ってしまうんでしょうか。私には分からない。 今回のパンデミックでは、濃厚接触とい

          身体について

          わたくしの毛の先が今日は一段とくるんとなっています。 わたくしは天井の方に向けていた首をゆっくりと窓際へやって、やっと雨を確認することができました。 終わりはもう近いようでした。 わたくしは管で繋がれ、食事ももう一人ではできません。 わたくしの心はよく分からなくなっています。 だって、排泄だって管にお任せしているんです。 けれどね、ふと自分の本質のその図太さに今日は笑えてきました。 心が迷子でも、わたくしは食べて出しますし、雨だったら髪がくるんとなります。考えていることを白い

          身体について

          音をつくる人(1)?

          音はどこに行ってもつきまとう。朝起きてから、眠りに落ちる最後の一瞬まで音はそこにある。車が走り去る、木が揺れる、誰かがくしゃみをする、室外機が唸る、包丁がリズミカルにまな板にぶつかる、父さんがキーボードを叩く。音が耳に刺さる。ひどく鋭利なその音たちは間髪入れず僕の耳を突き抜けていって、僕の心臓に刺さる。小さいころ、指に刺さったトゲを優しく抜いてくれた大人はもういなくなっていて、僕は隅っこで泣いていた。おこることができなくて、耳をふさぐ。だけどその指の隙間からさらに鋭くなって入

          音をつくる人(1)?

          木になりたかった人間か人間になった夢を見ていた木か?

          ずっと木になりたかった。街で3番目くらいに大きくて、雨や風から生き物を守り、晴れた日の午後には木陰をつくって彼らを休ませてあげるのだ。木は偉大である。偉大であるからこそ、そういう存在の何者かが私にはできっこないと考えたのだろうか。ともかく奇妙であるかもしれないが、わたしは木になろうと思った。まず理想の木の姿を想像してみる。わたしのは2、3人の大人が幹を抱えるようにしても、到底抱え切ることのできないような、そんな太いやつ。そこから真っ直ぐに上へと伸びる、しなやかな枝枝。目線を上

          木になりたかった人間か人間になった夢を見ていた木か?

          種のないアメリカンチェリー

          なあ、時々タネのないアメリカンチェリーってあるよね ああ、あるかもしれないね 僕はそういう存在なのかもしれない チェリージャムを作りながら君がそう言った。 僕にはピンとこなかった。 だけど、君は世界の新事実を発見したような、そんな誇らしげな顔をしていたから、僕はまた手を動かし始めた。

          種のないアメリカンチェリー