M&Aマッチングサービス、いろいろあるけど、どう違うの?
前回は、「会社員の私でも会社を買えるのか?」という問いに答えるべく、インターネットでのM&Aマッチングサイトをとりあえず検索で調べてみて上から順に紹介してみました。M&Aのマッチングサイトは、調べていけば前回の4社以外にもまだ何社もありました。どのM&Aマッチングサイトがお勧めなのか?について今回は見てみたいと思います。
M&Aマッチングサービスは、ユーザーとして想定されているのは、“売り手”と“買い手”ですが、今回は買い手の立場で見てみましょう。
まずは、どんな会社が買えるのでしょうか。早速見てみましょう。(下記は2021年3月1日に検索したものです)
トランビ(TRANBI)https://www.tranbi.com/
(M&Aマッチングサイト4社のうち1社目)
「M&A 案件」と検索し、トランビのサイトをクリック。事業を買うというボタンをクリック。すると、出てきました。
「地域密着型 家電・設備店」のタイトル。公開日は2021年2月26日とありますので新しい情報のようです。売上高5,000万円から7,500万円、営業利益は損益なし、売却希望価格は1,000万円から3,000万円、所在地は近畿となっています。特に会員登録をしなくてもこれくらいのことは確認できるようです。詳しく見てみたいので、「詳しく見る」のボタンをクリック。
“有利子負債なし”(無借金なのは安心しますね)
“役員報酬総額は非公開”(役員報酬額が少ないのかな)
“純資産0円から500万円”(利益は少しずつでも出してきた会社なのかな)
財務情報や案件概要が出てきました。
・事業内容は、家電販売と電気工事など。(販売・修理・工事・ネットワーク配線など)
・主な顧客は、地域の一般顧客や法人工場など。
・営業手法は、チラシやDMなど。(工事は社員と外注先で実施)
・特徴は、地域密着店として認知度もあり、データベースを利用した営業も好調。
などのことが凡そ書いてありました。
え、トランビが値段を教えてくれるの?!
面白いのは、この次に記載のある「トランビ参考価値」という項目。
「年買法:推定価値350万円から350万円」と記載があります。
トランビがこの会社の価値を参考に明記してくれていました。なぜ350万円になるのか、気になるところですが、ログインしないと詳細は確認できないようです。
M&Aの一番大事な価格について、これっていくらが妥当なのだろうと誰でもが考えるはずなので、このM&Aは割安かどうかを知りたい人にとって(つまりみんなにとって)有難い情報ですね。
その他には、シナジーマップという項目があります。シナジーというのは相乗効果のことです。ここも会員しか閲覧できない状態ですが、ぼんやり見えるのか、相乗効果がありそうな業界や会社などの情報が掲載されているのかなと思います。もしある会社でM&Aを担当している部門の方がいれば、シナジーがどんな会社にあるのかを検討することが多いはずなので、役立つ情報かもしれませんね。
集合知で新しいシナジーを考える!?
最後にAssist Comment(アシストコメント)というコーナーもあります。Q&Aコーナーにこの部分は何が書いてあるのかの説明が書いてありました。“TRANBIに掲載の売却案件に対してあなたが考える売却案件の魅力・事業の再建プラン・業界情報などを買い手向けのコメントとして載せることができます“、”これからは集合知で新しいシナジーを考えます”とのこと。なんと素晴らしいアイデアでしょう。きっとうちの会社はちゃんとどこかに買い取ってもらえるのだろうか、とひとりで悩む売り手さんにとっても、この会社を買い取ってからどうやって伸ばしていこうかと悩む買い手にとっても、この機能はありがたいですね。実際にどの程度のアドバイスや意見が書いてあるのかわかりませんが、頼りになります。
交渉を申込む場合は、どうしたらいい?
買い手として交渉に参加するには、会員登録が必要のようです。
肝心の料金は?!入会金や着手金、成功報酬などはどうなっているのか
利用規約などを探し見ましたら、少し時間はかかりましたがここに料金についての記載がありました。https://www.tranbi.com/about/price/
トランビではこれまで売買代金などに一律のパーセントをかけて手数料としていたようですが、令和3年1月21日から月額課金制に移行したようです。具体的には売買金額に応じて(売買金額が500万円までは月額3,980円、3,000万円までは月額9,800円、3,000万円より大きい場合は19,800円というように分けてあります)月額3,980円から19,800円となっています。契約期間が最低6か月となっていることから、よく注意しなくてはなりませんが、成約時の成功報酬手数料は0円のようなので、なんとなくお得な気がするのは私だけでしょうか。M&Aの手数料が月額定額制というのに馴染みがない方が多そうですが、今後はもしかするとトレンドになっていくのかもしれませんね。
今回は、インターネットによるM&Aマッチングサービスの1つとしてトランビ(TRANBI)をじっくり調べてみました。
次回はバトンズを一緒に見てみたいと思います。
”バトンズ(Batonz)編 (M&Aマッチングサイトリサーチ対象4社のうち2社目)”
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