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もしも徳川家康が総理大臣になったら

日経新聞の広告欄で見かけて、漠然と興味があったので購入。

もしも徳川家康が総理大臣になったら




世界初のAIと最新のホログラム技術で復活した歴史上の英傑たちで構成された最強内閣。
その内閣が、コロナ禍の日本で、次々と政策を打ち出して実行していくという話。

400ページ以上の分厚めの本であるが、中学レベルの日本史の知識と公民の知識があれば楽しく読める。
教科書などでも出てくる有名人物、おなじみのセリフが所々にちりばめられている。

徳川綱吉はダメ将軍だとか、織田信長が残虐だとか・・・
歴史というものがいかに時の支配者によって書き換えられたものかということを痛感する。
人間には、「事実」をある側面からしか見ない傾向があり、その「一部の事実」例えば書き換えられた部分を自分の先入観に結びつけてあたかも論理的であるかのように結論づけてしまう。

英傑たちは、凡人の自分たちよりシンプル。
「事実」に対して、「何が大切か」ということを余計な忖度を抜きにして考える。
遠慮なくシンプルに物事の本質をえぐりとる。
それが凡人の自分たちにとっては苛烈に見えるだけではないのか?


この世には矛盾が満ちあふれている。
この世にある富には限りがあり、そこにあふれる欲望には限りがない。
ゆえに我らは矛盾に苦しみ、争う。
その矛盾は永遠になくならない。
その矛盾を理解し、その矛盾を少しでも縮める。
その矛盾の折り合いをつけるのが統治者の役目。
統治者とは全ての者を満たさず、そして全ての者を欠かさず。
それを己の信念で行う者をいう。

そして、その矛盾を自分で解決できる方法があるかないかは大きな違い。
封建時代に比べ、今の時代にはその方法がたくさんある。
そういう時代に生まれたことにありがたさを感じつつ、時には他人の不自由を引き受け、皆に自由が行き渡らせる手助けをできるようになれたらいいなと思う。

「統治者とはどうあるべきか?」

「ワタクシたちはどうあるべきか?」

人任せ、思考停止、空気に流される、威勢のいい話・・・
クリティカルシンキング大事だな。





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