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終止符のない人生

他人の自伝は他人の人生を追体験できる。反田さんはどういうことでどういうときに悩んだのか、そして克服したのか。
ストリートピアノで緊張しまくるワタクシ。その緊張の対処法というかヒントがあるかと思い、日経の広告で掲載されていたのがきっかけで即購入。

なのだが・・・ヒントはなかった。
強いて言えば、弱気が最大の敵。
プレッシャーがあることが良い演奏ができない理由にはならない。ひとえに努力不足。最大の敵は自分の中にいる。偉大なピアニストの反田さんでさえそう言うのだ。
やはり努力あるのみ、練習あるのみってことに激しく気付かされた。


本書を読んでまず思ったのは、人によって「当たり前」が違うということ。
自分の当たり前が他人に当てはまるとは限らない。
反田さんは11音を鳴らされてそれを下から上まで全部当てられたそう。
ワタクシは絶対音感というものが皆無で、1音でも微妙なことが多々あるのに・・・
この時点で全然違う。あと小学校5年で○○が弾けたとか、ありえない。
音当てにせよ、ピアノにせよ、反田さんはそれが当たり前だと思っていたとのこと。

これは仕事の話にもつながる。
ある業種での当たり前が他の業種では当たり前ではないことが多い。
いろいろなものに触れ、いろいろな人と交わり、そのズレを探し、自分の当たり前を他人の当たり前ではないに当てはめ、新しいビジネスチャンスとする。
イノベーティブと言われる人は本当に0から何かを作っているというよりは他の業種の当たり前を自分の業種(専門)に取り入れているだけなのかなと。
ビジネス的な意味でも人生を楽しみという意味でも引き出しを多くすることの重要性を確認できた気がする。
話は変わるが税理士試験の勉強してて、自分の仕事にヒントとなることが多かった。それを実際に取り入れ、今でもなお使用しているマニュアルとなったものもたくさんある。(計算過程、用語の意義、理論の組み立てなど)


反田さんは実は指揮者になりたいらしい。ピアニストってイメージしかなかった。ここも本書を読んでびっくりしたポイント。
「どうすれば僕は先生のような指揮者になれますか」という反田さんの問いに、「指揮者になりたいのならまずは楽器を1つ極めなさい」と曽我先生が答えたそうだ。
この例だけではなく、何かを成し遂げたかったらまずは何かを極めなければならないのだなぁと。何かを極めると自ずと視野が広がるのだそうだ。
今現在ワタクシはその何かを見つけられてはいない。
一応税理士試験に合格したが、それは極めたと言ってもいいものか、成し遂げた感はものすごくあるものの何か違う気がする。
好きなことやりたいことを早くに見つける方がいいだろうし、それを人生の早い段階で見つけられた反田さんは幸せだと思う。そして辞めたいと思ったことも何度もあっただろうにそれを続けて芽吹かせたのもすごいと思う。
自分の好きなものを広めたいその一心でここまでできるものなのだな。自分の好きなものを他者と共有したいという切なる欲求を感じる。
打算を考えず、いつ芽が出るかもわからないものをしかも飽きずに自分の意志に基づきブレることなく続ける。まさしく芸術家のマインドだと思う。



ピアノ弾いても弾いても一向に上達しない・・・思うようにいかない、悔しいただ情けなくて涙が出そうなときもある。
でも努力はしてもしすぎることはない、練習しないと前には進めないので、不平不満を言わず練習しよう。




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