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木曜日にはココアを

Twitterにて、よく見かけたので購入。
何となく読み始めたら、200ページちょいだったが1日で読めた。
うん、かなり読みやすい。そして引き込まれる。


章が多く、短編集のようなものだった。
でも、1つ1つの話や人物はつながっている。
章が変わるごとに主人公が変わる。
章が変わったとたん、今までと異なる人物の視点。はたして誰の視点で語られるのかがページを繰るにつれてだんだんわかってくる。それが面白い。
そして次の章では誰が主人公になるんだろうと、読み進めていくのも楽しい。最近読む本、この手法が多いのは気のせいか?

バタフライ効果とよばれるものがある。
ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきはアメリカのテキサスで竜巻を引き起こすというもの。蝶が羽ばたく程度の小さな撹拌でも遠くの場所の気象に影響する。

まさしく一見関係なさそうな事柄や人物が相互に絡み合っている。
意外なところでのつながりを考えると実は身近でも同じようなことが起こっている気がしてくる。人生の縮図を感じずにはいられない。




全体的に、たくさんの人たちの恋愛が絡む、なんだかほっこりする話。
めっちゃ嬉しい終わり方。
ちくしょーうらやましいじゃないか!!って思うほど。

でもこの話を通して語られていることは、夢の実現の一歩手前が楽しいのだということ。
夢はただ夢であるうちが一番楽しい、夢が実現した後は楽しいのかどうかそんなことはわからない。でも思ったときに進まなければずっと止まったまま。それどころか願いは果たせないまま気持ちごと消えてしまう。だから一歩踏み出そうとする。そして夢が叶ったとしたら・・・

この主人公たちは今を生きている。今夢が実現する一歩手前なのである。今が楽しい。実現した後のことはとりあえず考えなくてもいいじゃないかと思えてくる。何が正解かもわからない。そもそも正解なんてないのかもしれない。自分の肌で臨機応変に感じるしかない。一つ一つがライブ。今を生きている。



夢でいい、片思いでいい、ただ好きでいる。
それだけのことがパワーをくれる。
好きな人、好きな場所にいるだけで元気になれる。
本気で恋をしたら変な魔力を発揮できるし、妙な偶然が起こることもある。
恋っていいなぁ、恋したいなぁ、こんな年齢になってもしみじみと思う。





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