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今一番読んでほしいマンガを語る!【オンラインマンガプレゼン大会2021】レポート

どうも、クチコミとランキングでいいマンガが秒で見つかるサービス『マンバ』です!
「今、私が一番読んでほしいマンガ」をテーマにマンガ好きの発表者4名が集結した大変ホットなこのイベントのもようを、マンガソムリエ・兎来栄寿さんによるレポートでお届けします!
配信アーカイブを聞きながら発表者の方が推された作品をぜひ読んでいただだければと思います。それではどうぞ!

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マンガソムリエの兎来栄寿です。

2021年12月に行われた、第5回目となる年末恒例のマンガプレゼン大会の様子をお伝えします。

▼過去のレポート

第5回も前回に引き続き、世間の状況を鑑みてオンラインで開催となりました。

■プロローグ

例年通り、開始の合図に全員で
「「「オンラインマンガプレゼン大会~!」」」
と斉唱する儀式を今回も執り行っての開幕。毎年繰り返すことにより、徐々に主催者・参加者共に練度が高まってきている感があります。

マンバの機能紹介、前年までのイベントの概括、制限時間などのルール説明やタイムスケジュールが発表され、期待感・緊張感が高まってきたところでプレゼン大会の火蓋は切って落とされました。

■1人目 漫画Barさん『GUINEA PIG ROOM TOUR』鳩川ぬこ

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思わず『グラップラー刃牙』全選手入場時の「まさかこの男がきてくれるとはッッ」というセリフを言いたくなってしまった、京都の出町柳で漫画Barを営んでいる店主さんにトップバッターを務めていただきました。

漫画Barさんが紹介してくださったのは、鳩川ぬこさんの『くろふねピクシブ』連載作品『GUINEA PIG ROOM TOUR』。

2021年は『PUI PUI モルカー』によって一大モルモット旋風が巻き起こりました。GUINEA PIGとはモルモットのことで、『GUINEA PIG ROOM TOUR』はモルモットとの出会いと別れを描いたオムニバス短編集です。

現在試し読みで読めるのが「ロロちゃんと小松菜」と「いもみたい」ですが、特に読んで欲しいのはモルモットもおじさんもかわいい「ちーちゃんのうんこ」、若い男をアラフォー女子が金とモルモットのかわいさで殴る「もる牧場」、そして"黒おばさん"が活躍する「飼いたいのに飼えない女」の3つであると漫画Barさん。それぞれの短編の魅力を解説しながら、特に「飼いたいのに飼えない女」は一番好きだと主張。

リアルさとかわいさのハイブリッドである鳩川ぬこさんの描くモルモットたちが紹介されると、
「かわいー!」
というコメントも噴出しました。

「どこで連載してる作品ですか?」
「ヒーローズのコミプレ……『ブランクスペース』と同じところですね」
「ああ~!」
「『ブランクスペースと同じとこ』で伝わるのが良いですね(笑)」
というマンガ好きの集いならではの会話も。

そして、何と今回のプレゼン大会でこの作品に興味を持ってくださったnyaeさんは早速お読みになった上でクチコミを書いてくださいました。

こういった連鎖反応はとても嬉しくなりますね。

「このマンガを読むとモルモット飼いたくなりますねー」
「ねー」
ということで、一家に一匹モルモットがいて日々もふもふできれば世界はもっと平和になるのに、と思います。

京都に行かれた際はぜひ京都国際マンガミュージアムとハシゴしていただければ、マンガ好きには幸せな日となること間違いなしです。

■2人目 ナベテツさん『GOAT HEAD』安堂維子里

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2番目のスピーカーであるナベテツさんは、『ヤングキングアワーズ』で連載中の『GOAT HEAD』を紹介してくださいました。

「組長の仇を取るためにウイルスの撲滅を目指す」という「ウイルス×バディ×バイオレンスアクション」。
「暴力はな何にでも効く特効薬なんじゃ 世界の平和は暴力で守られとるんやぞ」という暴力の才能に溢れた38歳の九頭と、舌先三寸で世渡りをする嘘の天才である詐欺師の五味の「ゴミクズコンビ」が紹介されると、「良いコンビ名だ」と反応。

世界に蔓延したゴートウイルスと「物理的に」戦って倒すというあらすじには
「ウイルスを物理的に・・・?」
と戸惑いの声が上がりました。しかし、実際に戦っているシーンが紹介されると納得へと変わっていきました。

『GOAT HEAD』は迫力溢れるアクションシーンと、一方でとてもかわいらしい姿になるゴートウイルスのようなギャグのギャップ、またGO TOキャンペーンなど現実社会の様相とリンクさせている設定も魅力であるとナベテツさん。

「1巻の『○○(ピー)』が何か。それは読んで確かめてください(笑)」

2巻が1月28日発売予定となっていますので、1巻の「○○(ピー)」の正体と併せてチェックしてみてください。

なお、スピーカーのナベテツさん自ら、イベント後に改めて『GOAT HEAD』についてクチコミを書いていただきました。

ナベテツさんは安堂維子里さんの前作にあたる『バタフライ・ストレージ』、『特蝶』についても以前のプレゼン大会で推薦していただいています。同じくアクションシーンが魅力的なこちらの作品も併せて読むと、より深く楽しめることでしょう。

■3人目 libroさん『日に流れて橋に行く』日高ショーコ

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libroさんがプレゼンしてくださった作品は『Cookie』で連載中の『日に流れて橋に行く』。

「江戸時代が終わり明治の文明開化の中で、日本橋の老舗呉服屋が百貨店へと変化していく再生物語のようなお話」
「元々BLを描かれていたので、スーツ姿の男性が非常に魅力的だが女性キャラも魅力的」
「着物も洋服も混在していてカラーが綺麗なのでファッションに興味がある方はお薦め」
「お金をかけないマーケティングや経営論も学べる」
といった紹介で、
「プロジェクトX的な…?そういう漫画好きです」
というコメントが出ましたが、これにはlibroさんも正にそうですと首肯。

「言語化がお上手…!」
とlibroさんのプレゼンの手腕に感嘆するコメントも複数付いていました。

「​アクションシーン本当上手いです」
「​日曜劇場でドラマ化しそう」
という声もありましたが、『日に流れて橋に行く』は個人的にもぜひ実写化して欲しい作品のひとつです。

また、こちらの作品に関してもlibroさんご本人より改めてクチコミを書いていただいております。

なお、ジャンプ+にも掲載されており現在6話まで無料で読めますので、こちらで試し読みしてみるのも良いでしょう。

■4人目 あうしぃ@カワイイマンガさん『合格のための! やさしい三角関係入門』缶乃

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今回のトリをつとめていただいあうしぃ@カワイイマンガさんが紹介してくださったのは、缶乃さんが『コミック電撃大王』で連載していた『合格のための! やさしい三角関係入門』。

缶乃さんといえば近年の百合マンガを定義する作家のひとりであり、『あの娘にキスと白百合を』はオールタイム・ベスト百合を決める時にも必ず候補に上がるであろう名作ですね。そんな缶乃さんの新作ですから、注目せずにはいられません。

「やさしいと言っているがこの三角関係はまったくやさしくない」
として、主要な三人のキャラクターとその関係性、そして三角関係の起こりと進展を熱く丁寧に解説していくと
「え〜!」
「​ふ、複雑〜!」
と、聴衆もざわ..ざわ..せずにはいられませんでした。

「なかよしの皆でいつまでも一緒にいたいと思ったこと、皆さんにもありませんか? 私はあります」
とあうしぃさん。
「三角関係の解答はネタバレなので控えますが、優しいものになっています」
というプレゼンには「めちゃめちゃ結末気になる…」という反応が。

「やさしい三角関係の解法については『あの娘にキスと白百合を』や、吉富昭仁の『ふたりとふたり』などにもあります」
と、関連作品・併読作品も紹介していただきながら綺麗に5分のプレゼンをまとめていただきました。

マンバにもプレゼン内容を補完する内容のクチコミを投稿いただいています。こちらも読み応え抜群!

ちなみに『合格のための! やさしい三角関係入門』は1月6日まで各種電子書店でセール中でお安くお求めいただけるようです。この機会にぜひ読んでみてください。

■投票、ベストスピーカー発表

4名の発表が終了した後は、投票タイムへ。毎回のことながら、どのプレゼンも魅力的なので悩みに悩みます。

しかし、泣いても笑っても大賞に選ばれるのはたったひとり。

そんな栄えあるベストスピーカーに今回選ばれたのは……



『日に流れて橋に行く』を紹介してくださったlibroさんに決定しました!

libroさん、おめでとうございました。

「私はこの作品の続きが読みたいので! ぜひ支えていただけると助かります」とlibroさん。
個人的にも、面白さに対する知名度はまだまだ低い作品だと思いますので、今回libroさんがプレゼンをしてくださったのを機にもっともっとこの素敵な作品が広がっていけばと思います。

■アフター懇親会

終了後には、スピーカーの方々によるオンライン懇親会が行われ、主にマンガについて和気藹々と楽しい会話が繰り広げられました。

ベストスピーカーのlibroさんより注目作品として挙げられたのは、『刀剣乱舞』のミュージカルをコミカライズしたこちら。

また、百合好きのあうしぃさんに複数人から『ハコヅメ』を薦められる一幕も。

そして、もし私自身がプレゼン大会に出場するなら『特別じゃない日』を紹介していたかもしれません。こちらはまだクチコミがなかったので、後日執筆予定です。

なお、漫画Barさんが編纂された『巨女アンソロジー スーパーウルトラメガギガガール』は作家陣もとても豪華で内容も豪華なのでぜひお読みください(PR)。

■終わりに

今回、
「​プレゼン聞くとプレゼンしたくなる、こういう場は本当に良いですね」
と開催側としては大変に嬉しいお言葉もいただきました。

プレゼンは聞くのも楽しいですが、行うのも楽しいものです。
その作品を知らない人にも解るようにその魅力をどう伝えるのか。
改めて作品の隅々までを見返してポイントを絞りながら言葉を凝らしていくその過程は、それ自体が普通に読むよりも深度の高い楽しみ方ともなります。

そうして紡がれたプレゼンという愛の集大成は、ひとつの例外もなく尊くて掛け替えのないものです。
今年も、皆さんの愛を一身に浴びることができてとても幸せな時間を過ごせました。

プレゼンターのみなさん、参加者のみなさん、そしてこのレポートを読んでくださっているみなさん、どうもありがとうございました。

興味を持った方は、次回のご参加心よりお待ちしております!

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2021年を締めくくるにふさわしいイベントを発表者の皆さまと一緒にお届けすることができました。配信見ていただいた方の中には発表者として参加したくなった方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
ぜひ次回以降の参戦、お待ちしております!

さて、新年最初のマンバ読書会も配信でお届け予定です!
こちらはマンバ公式Twitterで続報をお待ち下さい。

それでは来年も、よろしくお願いいたします!

よいお年を〜!

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