見出し画像

『イエスタデイ』『第三夫人の髪飾り』

画像1

10月28日

仕事終わってダッシュしてTOHOシネマズ渋谷でダニー・ボイル監督『イエスタデイ』を鑑賞。事故に遭って目が覚めたら「ビートルズ」がいない世界になっていた。そこで彼らの曲を覚えていた売れないミュージシャンのジャックはビートルズの曲を歌い一気にブレイクしていくのだが。


ifもしも的な内容であり、ある意味では異世界転生ものとも言えるかもしれない。ビートルズがいないのでオアシスもいない。でもストーンズはいて、ジャックの部屋にはレディオヘッドの『イン・レインボウズ』のポスターがある。ハリポタも存在していないなど、ジャックが元いた現実世界から失われているものがいくつかあるコメディドラマ。

大事なのは売れない頃からマネージャーをして恋心をいただいていたエリーとの関係だったりする。エリーを演じたのは『ベイビー・ドライバー』でもヒロインを演じたリリー・ジェームズ。彼女は可愛いです。ちょっと大島優子っぽいかな。エド・シーランがエド・シーラン役で出ていて扱いがちょっと雑な気はするが。正直に生きることが一番だという話になっているが、やはりなんだかんだ言っても「ビートルズ」の曲っていいなっていう。なんか「ビートルズ」の曲を改めて売りたいとかサブスクで広めたいみたいな思惑があって制作されたのかな、どうなんだろう。


隣にいた男性が何度もラインなのかスマホを出してやがったので集中できなかった。本当にジャックが冒頭に事故ったみたいに転けるかなんかして顔面を地面にぶつけて前歯を二本ぐらい折ってスマホが割れればいい呪いをかけたい、というか前歯折れてほしい、というか平日の夜のTOHOシネマズの客ってこういうのが多い。お前のラインが遅れたぐらいで世界変わらないし、変わるぐらいの要件なら映画を観に来るんじゃねえ。知り合いとか知人だったら絶対に縁を切るタイプだ。TOHOシネマズ渋谷の夜の回は異様にこの手のバカが多いのがほんと嫌だ。


画像2

10月31日

休みだし朝から映画が観たい、と検索していたらル・シネマでベトナム映画『第三夫人と髪飾り』という前にポスター見て気になっていた作品が上映していたので朝イチの回を。ル・シネマで午前中だと平均年齢が50歳越えてる感じになるのはいつも通り。


19世紀の北ベトナムを舞台にした作品で、監督のアッシュ・メイフェアの曽祖母の実話を元にした映画であるようだ。主人公の第三夫人であるメイを演じたグエン・フオン・チャー・ミーはどこか岸野ゆきのに似ている気がした。顔の表情やその体躯から発する雰囲気が近いようにも思えた。


静かな物語でありながら、14歳のメイが母になっていくこと、そして、第一夫人と第二夫人との関係性、一夫多妻制があった時代の女性の行き方を淡々と描くのだが、自然の恩恵を受けながらの生活には生と死が常にあり、女性は子供を産むことが、男子を産むことが重要だとされている。そこでの夫人たちの関係性。

冒頭では嫁ぐ際に乗った舟が川を進んでいる美しい映像があるのだが、その水の流れ、生命の象徴のように見え、女性たちは血を流し、子を孕んで産む。そこにある葛藤やどうにもならなさを押し付けがましくなく説明も過多にせずに画で見せていく。最近観た映画ではオダギリジョー監督『舟の船頭』が近い情景や美しさで通じているように思えた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?