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「左様なら今晩は」映画鑑賞

(※以下映画のネタバレを含みますのでご注意ください)

2022年11月11日に公開された久保史緒里主演映画「左様なら、今晩は」を鑑賞した。

今年の7月に情報解禁されてから、これは絶対みにいきたい!と思っていた。乃木坂46が好きだが、「乃木坂46のメンバー」が出演している映画は絶対にみにいく、というタイプでもなく、単純にストーリーが面白そうなのと、久保さんの幽霊役は何気に待望していたのと、尾道が舞台だったからだ。広島出身ではないが、なぜか広島が故郷のように大好きで、特に尾道が好きな私は、公開を楽しみにしていた。

あらすじとしては、Twitterをbio欄の言葉を借りると、
『ピュアすぎる幽霊👻×不器用なサラリーマン👔の奇妙でハートフルな同居生活♥️#山本中学による傑作ラブコメ「#左様なら今晩は」(ヤングキングコミックス刊)実写映画化!』だ。

上記の通り原作の青年漫画があり、マイルドな映画用のキャッチコピーを作ったなぁと思うような、原作はもう少しハードな内容になっているらしい。

同棲していた恋人に振られた陽平(萩原利久)の部屋に、突如姿を現す幽霊の愛助(久保史緒里)
ずっと部屋に住む陽平を観察していたという愛助は、「優しいふりして面倒な事から逃げているから、恋人にも逃げられた」と、いきなり上から目線でダメ出しをする。かと思いきや、生きている間に恋愛を経験しなかった愛助は、男女が〝付き合う〟ことに興味津々で、陽平に質問攻めの毎日。最初は煙たがり、何とかして愛助を除霊しようとする陽平だが、人間の女の子と変わらない愛助との時間に居心地の良さを感じ始める。一方、陽平に想いを寄せる同僚の果南(小野莉奈)は、陽平の身に起こる異変に気づき始め……?

学生時代は1回1000円の恩恵をフルに使い、映画館で映画をみまくっていたが、いつしか成人し1800円が高いと感じ、サブスクリプションで事足りるようになった。しかし、完全な映画館離れはしておらず、レイトショーや曜日で安くなる日を選んだりと、なんだかんだ映画館が好きだった。
今回行った映画館は、館名は伏せるが(何故)昔懐かしい映画館だった。作中に出てくる尾道の映画館のように。

感想は、みてよかった、に尽きる。
陽平は、別れた彼女に「なんか〜ごめんね!笑」と悪気なく言い放っており、優しくみえて面倒なことから逃げている描写がこの一言から感じられてシンプルに「ウッッッザこいつ」と思った。ずっと部屋から見ていた愛助が的確に言うんだから、陽平はずっとこんな奴だったんだろうなと。そりゃあ彼女も別れますよね。
愛助に素の自分を晒せる陽平をみて、人との関わり方を幽霊から始めるのも悪くないなと思った。

愛助の死因とか、2人の未来とか、映画中は(そこじゃない、この物語で伝えたいところはそこじゃないだろ)と思いながらも、やはり気になってしまった。普段ミステリーを好んで観るので……。
ああ陽平が愛助の死因を知って、あまり悲観的になってない所をみると自殺ではないのかなーとか、最後の映画館で再開(愛助に扮した女子高生が陽平らしき人を認識)するシーンはどういうことだ!?来世か!?実は死んでなかったみたいなやつか!?と考察してしまった。
終盤こそ変な癖が出たが、全体を通して、愛助と陽平の日常生活に触れることができ、穏やかな時間を一緒に過ごした気がする。
生きている人間と、死んでいる人間という、普通は関わることのない人間たちが、当たり前のように一緒に生活して、その世界ではなんでもアリで。なんか触れるようになってたし。
これがかつて死んだ恋人との再会とか、触れられない故の障害……!とかだったらもっと感動的なお話なんだろうけど、そういうことでもなくて、新しい関係を知ることができたと思った。
久保さんみたいな幽霊が部屋にいて「付き合うなら君みたいな人がいい」なんて言われたらそりゃあ好きになってしまいますよね。

題名の「左様なら、今晩は」を聞いた時、いきものがかりの「YELL」の歌詞、「サヨナラは悲しい言葉じゃない それぞれの夢へと僕らをつなぐエール」をなぜか思い出した。だから愛助が陽平に「さようなら」と言ったあと、きっとまた再会できると感じた。よかったね。
異色の関係だからこそ、相対して日常が大切なものとして画かれていて、自分の日常も大切にしようかな〜……なんて思ったりした。

予告を見た時、愛助の語尾に「じゃ」が付いていて、冷静に考えれば広島弁と分かるのだが、アホな私は映画をみるまで愛助は江戸時代くらいからいる幽霊だと勘違いしていた。
他にも勘違いしている人がいるんじゃないかと思って調べたけど誰もそんなことは言っていなかった。


上映数は残り少ないとどこかで拝見し、いそいで感想を残した。ネタバレ後だが、観てない人は是非さよこんの世界を感じて欲しい。

最後に、この映画に関わった全ての皆さん、素敵な映画をありがとうございました!

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