旅(駄文)

早朝の祇園四条、観光のベストスポット。
インバウンドだなんだかんだで静かな京都のイメージが薄れていたのだけど、早朝ってのはいいですね。お店も開いてないけど、人もいない。

平らに広がる街の先に見える低い山。
鷺が点々といる川。
古い建物と新しい建物が渾然一体になっている。
通りをひとつ曲がれば若い人達が解釈した京都がウインドウに並んでる。
その隣に長いことここで看板出してるんだろうと思われる喫茶店がある。
歴史と観光と品格と田舎がモザイクみたいに並んでる。

ブラブラしたい。
なるべく人のいない所をブラブラしたい。
旅行よりも旅がしたい。
目的もなく、ただぼんやりと景色を眺めて陽の傾きで変わる色合いをじっと見る。
その街の人達の生活に紛れ込んでコーヒーを飲みながら文庫本を開いたり閉じたりするのだ。

そういう旅がしたい。

いや、たぶん、そういう生活がしたいんだな。
世間に負い目を感じながら最低限のことをこなして生活するんじゃなくて、フラフラと風に飛ばされたりしながらあっちこっちにタネを撒いて歩くような生活をしたいのだな。

今日は暑くなるらしい。
晴れてて良かった。
青空は好きだ。

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