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八朔を愛でる

八朔と帆立のサラダ



八朔を丁寧にカルティエし、
ひと房、ひと房小分けにしていく

薄皮についた残った果肉を、ぎゅっと絞って
オイルや塩と合わせ
簡単なマリネ液にする


薄切りにした帆立貝柱と和え、
少しピリッとするわさび菜にあわせたり
苦味のあるベビーリーフにあわせたり

今日はミントにあわせて、爽やかに仕上げた



八朔は手間がかかる


いくらカルティエが上手にできる人でも
いちごや葡萄の洗うだけで食べられる果物と比べると
やはり柑橘は手間がかかる

皮のしっかりした八朔はなおさらだ

ふん!!!と気合で薄皮を剥こうもんなら、実がズタボロになる
ちょっと失敗すると、目に果汁が飛んできたりしてイタっ!となったり



でもこれを乗り越えた先には、あの美味しさが待っていると思うと
なんだか
手がかかるけれど、可愛い我が子を懐柔しているような気持ちになる


キッチンで微笑ましく皮剥きができていると
「あ、私いま心の余裕があるのね。」と自覚できるモノのひとつだ



食卓にフルーツを取り入れる


フルーツを「食事」として取り入れることに対しては
好き嫌いが分かれるところだと思う
(わたしは比較的、好きなほう)


簡単に食卓に彩りが増え
ビタミンが手軽に取れた気分になる


ビネガーにはない
フルーツがもつ、あの独特のまろやかな酸味が
口の中の油分をスッと拭う感覚と瑞々しさも


あの間違いなく主役をかっさらう鮮やかなビジュアルに反した
穏やかさと、控えめさと、おちゃめさが、わたしはとても好きだ



一人でメインを張るポテンシャルが十分あるうえに、
使い方によっては、影からそっと主役を支えることもできる
(でも少し「私おるで」と主張もしてくる。可愛い。)

ただ単に八方美人なわけではない
しっかり芯のある可愛い女性のイメージ


なんて可愛いげのある食材なんだろう
わたしもフルーツを見習おう。笑


まなおおうちごはん 主宰 茉奈



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