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研究会#17 色彩・色彩(小原流 准教授)2023年3月

花型: 色彩・色彩⇒盛花直立型
花材: 桃、菜の花(3)
花器: 丸水盤
〈結果〉95点

□当日の花の状態と意識したこと

▷桃
 ・役枝となるようなしっかり太い枝は葉が出て花も満開だった。
 ・脇枝が多くある枝を主枝にしたかったが、脇枝が多い枝はすべて蕾の状態かつ枝も細身のものが多かった。
  ⇒直線的だが枝がしっかりし、花のバランスもリズミカルな枝を選んだ。中間高を主枝側に寄せて脇枝のように見せた。後から中間高の他にも細身の枝を挿れた。
 ・細い枝は蕾のものが多かった。
  ⇒4〜5本目以外にも1本は主枝と中間高付近から、もう1本を5本目の枝の一部のように菜の葉にかかるよう桃の蕾を挿した。
▷菜の花
 ・先端が萎れている花があった。
  ⇒先端の花を取ることはせず、1本だけ交換してもらった。
 ・お稽古の時のような曲がりが気になる花はなかった。
 ・根本の茎が太かった。
  ⇒花材が2種しかなく足元が空きやすい取り合わせだが、菜の花の葉をうまく利用することで剣山を隠すのはいつもより簡単だった。

□今回のお題で意識したこと(お稽古での学び 2023/3/8)

・剣山の置き方に注意する。役枝の3点の位置が正面から見ても真横から見ても被らないように。主枝を指す剣山を内側に置きがちになるので、内接する正方形の頂点を意識する。
〈花の調え方〉
 ・桃は黒ずんだ蕾や花びらが落ちているものは取る。
 ・菜の花は脇芽を取る。
 ・菜の花は水揚げがよい状態だと折れやすいが、少し水から離して掌で温めながらゆっくり触ると曲がりを少し調整できる。

〈挿れ方〉
 ・主枝の桃は伸びやかに挿れたいので、花器の1.7倍くらいを目安に取る。
 ・主枝は直線的な枝よりも脇枝が多い枝を選ぶと良い。もし太さなどのバランスを見てふさわしい枝がなかったら後から主枝の前に枝を挿してバランスを整える。
 ・主枝は後ろに引きがちになるので注意。やや前傾気味になるように意識する。
 ・副枝は主枝の2/3の長さだが短くなりやすいので、3/4くらいに切って様子を見ながら傾きとのバランスを見て長さを調整する。
 ・副枝は客枝より狭く浅く傾ける。挿した後に主枝が隠れているようでは開きが浅い。
 ・3本目の桃は主枝の直前から菜の花とのつながりを作るように挿れる。副枝よりは弱く。
 ・高めの菜の花とで3本目の桃はバランスを見て前後を決める。主枝が枝が剥き出しで華やかでない時に は桃が後ろに来た方が主枝の力添えとなりやすい。
 ・客枝の菜の花は横から見た時に1番頭が前に出ている。
 ・客枝の足元にくる菜の花は短めに、1番大きい花を持ってくるとよい。客枝とペアのイメージで離しすぎず、高めの菜の花とでできる三角形のバランスをよく見る。
 ・花がたくさんついている桃を4本目、5本目に選べるとよい。
 ・4本目の桃は主枝と副枝を結ぶ役割になる。寝かせずに立ち上がり気味に内側に傾けるイメージ。
 ・5本目の桃は最長で副枝の1/2の長さ。
 ・あれば6本目の桃を中間高の菜の花の手前から菜の花との境界に差し掛かるように挿す。細めの枝を選ぶとよい。
 ・間が空いて剣山が見えやすいので、菜の花の葉をうまく使い、剣山を隠す。とくに副枝脇のいちばん手前と客枝後ろの水との境界、低めの菜の花の後ろの位置。
 ・最後に役枝でできる三角形、菜の花でできる三角形のバランス、横から見て全て前傾しているかを目安に確認する。役枝より目立つ中間枝がないか確認する。

□研究会で学んだこと(講評: 加賀美萌乃先生)

・桃と菜の花の取り合わせを盛花でいける場合、直立型で生けるのが基本となる。
・桃 = 花木: 花が先に咲いて芽が出てくるもの。
・中国では桃は邪気を払うものとされている。
・桃は直上して育つため、直上の姿を表現するのがよしとされる。
・菜の花が咲きすぎている時は葉と花の間にある蕾をとって空間を作るとよい。

□今回の研究会の感想

審査明けにお部屋に戻ると春の花が沢山で季節の変わり目を目で感じられるのはとてもいいですね🌷

そして准教授初の2回連続95点👏🏼
今回は直立型だったのですが、いつも他の方の比べると役枝が短かったり角度が弱かったりしていたなーと研究会前に振り返って、春の伸びやかさを表現することを忘れずにいけることができました。
どんな花が手元に来るのか楽しみでしたが、わたしの桃は比較的開花が進んでいて、葉も出ていて、みなさんより緑が多くピンクが少なかったように思います。
直線的であまり面白味のない枝ぶりの桃でしたが、葉っぱのおかげで寂しくならいとポジティブに捉えていけました。ただ葉があったり花が落ちている分、桃のピンクが少なく感じて、所々に蕾を添えました。本当は花を挿れられたらよかったのですが、触ってるうちにどんどん散ってしまったので、気持ち程度に蕾を。

次回はならぶかたちだそうで、丹頂アリウムとガーベラのバランスに悩みそうだなと思いつつもうまくいけられたら見てて楽しいお花になるだろうと楽しみです
💐

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