人新世とソマリア紛争、教育

今日の学び

人新世(Anthropocene)
人類が地質に影響を与えているという地質時代。

いつから始まったのかという議論がある。
①1945年:原爆が投下されて放射能が地層に影響を与えた時
②1784年:産業革命によって空気が汚染された時
③1610年:植民地や虐殺が起きて人を葬るために、炭素量が増えた時

下の図がよく表しているが、多くは「北」によって作られた汚染が、それはより脆弱な「南」に影響する。

ソマリアと人新世
①水路

食料やオイルを輸送するのに、ソマリア・ジブチ・イエメンの水路を制すると多くの国に影響を与えることができる。

そのため、植民地でもイギリス・フランス・イタリアなどに支配をされていた。脱植民地した時、例えば、ソマリアの紙幣は一切使えず、アメリカドルしか使えなかった。さらに、アメリカドルの価値はソマリア紙幣よりも高いがために、人々は何も買うことができなくなり、ソマリアは政治崩壊する。その後紛争の渦に巻き込まれていく。

②違法漁業
ソマリア沖の魚を、日本を含め「北」の諸国が大型漁船でとり、その代わりにソマリアにお金を払うようになった。
その政策によって、ソマリア人は魚をとることが難しくなっていたが、さらに北諸国は海底爆発なども行い、生態系にも影響を及ぼした。

さらに、ソマリアはお金を集めるために、北諸国の放射性廃棄物を受けたらざるおえなかった。そのため、ソマリア国内には放射性廃棄物が海沿いに残されている。
1992年から、ソマリア政府はUNに放射性廃棄物の引き受けに関して問題解決を促しているが、行動は起こされなかった。
2011年になって、放射性廃棄物・違法漁業が海賊活動を促しているとして、UNも認識を示すようになったが、未だ何も対策は取られていない。

(余談)
近年、ソマリア沖の海賊については問題視されることが多い。海賊が誘拐を働き、100万ドル程度の身代金を要求されるからである。しかし、ソマリア海賊の発生を遡ると、違法漁業をしていた北の船を取り締まろうとしたソマリアの船上警察が、賄賂をもらったことから始まるという、なんとも言えない皮肉。

➡︎経済的資源の不足→紛争→社会的経済的損傷→社会的経済的脆弱性→経済的資源の不足というスパイラルに陥る


教育にどのような影響を与えるか
ソマリアは主に、北のソマリランド・ソマリア(中央・イスラム支配地域)の3つに分かれている。特に、ソマリランド共和国は、国家承認はされていないものの、独立した国家として政府を置き、ソマリア連邦共和国とは状況が全く違う。ここでいうソマリアは、主にソマリア連邦共和国を指している。

ソマリア内戦によって、97200人の子どもたちが国内避難民となった。
識字率は20%。
(ちなみに1970年代は70%、植民地時代は5%)

ソマリアは政治崩壊したことにより、ずっと無政府状態が続いている。
→税金を集めることができない
→公立学校を建てることはできず、全ての学校は私立、もしくはチャリティスクール

外的支援の教育
教育支援として、INGOと過激派組織アルシャバーブなどが役を担っている。
ただ、ソマリア国内には3つの法律、Xeer、Sharia、Romano-Germanic lawが存在しているほど混沌状態。その混沌さは教育でも同じ。

EUのファンドのもと、それぞれのコミュニティで、女性たちが学校を創設し、女性によって運営されている。(INGOの学校では、男性によって運営されており、男女平等を促しているような組織なのにという批判もある。)
そこでは、女子教育・インクルーシブ教育なども導入している。
その一方で政府からのカリキュラムは存在しないために、隣国のケニアなどで使われている教科書を買ってきて、それを使用している。
そのため、ソマリア独自の歴史・紛争・文学などについては一切学ばない。

ちなみに、国のカリキュラムを掌握したければ、国の試験システムをコントロールすれば良いらしい。

内的教育
ソマリアに従った教育をするか、国際的に通用する教育をするか。

ソマリアにおいてXeerというのは重要な役割を担っている。
何か犯罪が起きた時に、Xeerを使って年長者がグループで和解できるように詩で促す仕組み。

Xeerのことを考えると、これを扱えるような教育をするべきなのではないか。特に詩に関する教育。
ただ、Xeerは基本的に和解へと導くものであるため、(例えば女性がレイプされた場合、そのレイプした男性と結婚すれば良いなど)このXeerに対しての批判も多い。

ただ、不平等性や否定が脆弱性を生み出すという考えをアフリカの伝統に落とし込み、淘汰していくというNeotraditionalismには注意が必要である。

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自分の中での不明点

・Extraverted policy
・Social policy

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個人的見解

地質学から紛争・教育につながっていくのは興味深かった。(もはや途中から、地質学の要素は皆無だったけど)
放射性廃棄物をソマリアに押し付けるっていう話も、他人事ではない。日本だって産業廃棄物を他国に輸出している。違法漁業も、モーリシャスでの海水汚染も。日本が起こしている迷惑行為について、日本で取り上げられている数としては少ない。だから、これらのことを知らない日本人も多い。それは、日本だけじゃなくて、どこの国でも同じかもしれないけど、一日本人としてはすごく残念で、悲しく、申し訳なくなった。

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