難民の非植民地化アプローチと教育

今日の学び

開発理論
近代化論(Modernization theory)
伝統的産業ではなく、工業的な西洋的な発展を促進させることで、発展することができるという考え。

従属論(Dependency theory)
世界は発展する中心国とその周辺国に分けることができる。その中心国が利益を周辺国から搾取するために、周辺国は発展することができないという考え。

脱開発論(Post-development theory)
開発というもの自体が、西洋のエゴであり、失敗でしかないという考え。

Paolo Freireの「非抑圧者の教育」
知らないから教えてあげようというのは、教えてあげる側(抑圧者)の「偽りの寛容」としたうえで、教えられている側(非抑圧者)を無力にする「人道的な施し」という考え。
その中でも、銀行型教育という銀行の中にお金をできるだけ入れるように、子どもたちの頭の箱にできるだけ知識を詰め込もうとする教育は、抑圧者→非抑圧者への抑圧のイデオロギーを広げているとしている。
そのため、できるだけコミュニケーションや体験を通じて「解放される」ことができると主張している。

「人道支援」という名目で、被支援者の思いを聞かずに、西洋的価値観を押しつけ、結局帝国主義的関係が継続しているのではないか。

脱植民地をするには
・歴史的、政治的側面の理解
・難民を受動的ではなく、主体的にみる
・ポストコロニアルを批判的にみる:人の移動はWW2以後の出来事ではなく、歴史的に人々は移動してきたなど。
・難民の発生は、近代化運動と植民地主義によって生まれている関係性とその原因を理解する
・難民の意志を聞く

Global NorthーGlobal  South
比喩的な表現であり、実際に赤道以北、以南を示すわけではない。
南は貧困、未発展、被支援者など、北を富裕、発展、支援者などを意味する。

南南・三角同盟(South south cooperation)
下の図がわかりやすいのだけど、「南」の国が「南」の国を支援し、その資金や技術などのバックアップを「北」の国が行うという構造。

メリット:
・南北の支援(支配)・被支援(従属)の構造から脱却
・文化圏が似ている国同士で行うことで、摩擦を減らせる
・「途上国A」の社会に役立ってる感

課題:
・教育では不適切
→教育は政治的だから、途上国Aから奨学金などもらったら、途上国Aの僕的立場という見方を途上国Bでされるなど。
・緊急人道支援になると、国際機関・国際NGOが出てくる
→南には任せられないとされている?

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hakusyo/11_hakusho/keyword/keyword01.html


支配・被支配とならないために、難民研究をどう進めていくか
研究者ー被験者では、研究対象という被験者は抗えないパワーバランスが生まれる。

共同研究者として、難民の研究への参加・情報共有・相談・声の尊重をする。研究に対して、見返りが難民にもあるように配慮する。

共同研究者のメリット
・言語・文化的価値観などを助けてもらえる。
・信頼関係の構築。
→難民は政治的迫害を受けている可能性が高く、信頼関係が構築されていないと、身の安全のため、インタビューやアンケートに対して、本当の答えが返ってこい可能性がある。真実かどうかの判断も難しい。
・出会いにくい人と出会いやすくなる。
・橋渡し的存在になる

ちなみに、コミュニティリーダーへ研究参加のお願いは難しい。リーダーがコミュニティに声をかけると、参加しないといけないという抑圧につながる。
共同研究者を探すには、長期的な関係構築と交渉が不可欠。

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自分の中での不明点

・この授業は、理論を理解している前提で突き進んだために、授業中は何も分からず。授業のレコーディングも先生の不手際でできておらず、自分の理解が正しいかが分からない。

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個人的見解

難民とかセンシティブな研究をしようと思うと、ethicがどうしても難しい。
昔某NGOの住居建築ボランティアで、スリランカ内戦で住居が崩壊したタミル人の復興支援に行ったことがあって。その時に、アンケートでタミル人たちに、現政府への思いとかを聞いたことがあったんだけど、やっぱ身の安全から答えたくないって言っていた人が多かったのを思い出した。それに答えたところで、見返りはあるのか、ただの日本人の学生に何ができるのかっていう思いもあっただっただろうし。今思えば、完全に倫理的にアウトだなと思う。
でも、自己中心的に考えたら、その経験があるからこそ、紛争削減、人と人の和解、平和構築とかに私は興味を持つようになって。回り回って、いずれその道で、タミルの人たちの思いを報いれるようにしたいなと思う。

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