見出し画像

コンプレックスを活かして 女性化乳房症の僕 【第4章】女装外出

月曜日、僕は目覚めるとブラではなく、ナベシャツを着けた。
今日は学校があるからね。
改めてナベシャツを着ると、本当に窮屈で心地悪い。
ブラの快適さを知ってしまったから、尚更そう感じる。
いっそのことブラ着けて行こうかとも思ったが、Tシャツに思いっきりブラ線が出るので、そう言う訳にも行かない。

そして僕は学校が終わると、今まで以上に早く帰宅するようになり、ブラを着けてくつろぐようになった。

その週の木曜日、サヤカからLINEが来た。
「ブラちゃんと着けてる?」
「うん、家ではちゃんと着けてるよ。」
「着け心地はどう?」
「最高だよ。最高すぎてこないだうっかり着けたまま外に出ちゃって、めっちゃ焦ったくらい笑」
「良かったよ、最高とか言ってくれて。」
「ありがとうサヤカ!」

「またまた急だけど、明後日オフになったのよ。また会えない?」
「僕なんかでいいの?」
「もちろんよ!」
やったー、またサヤカさんと二人で会える!
僕は嬉しくてたまらなかった。

そして約束の日、僕とサヤカさんは例のネットカフェの個室にいた。
ここはある意味プライベート空間だから、サヤカさんはホッとするらしい。
そして今日のサヤカさんも男装だ。
聞くところによると、オフの日に外出する際はいつも男装するらしい。
身長が170以上あるので、男装したらイケメンにしか見えない。
まぁそんなことどうでもいい。
目の前にいるのはサヤカさん本人なのだから。
あっ、今はリョウだけど。

「今日ブラ持って来た?」
「うん。」
「じゃあ着けてみて。」
そう言われて僕はナベシャツを脱ぎ、ブラをした。
その上からTシャツを着る。
「そのTシャツはメンズだから大きいよね。このTシャツを着てみて!」
「これは?」
「これはレディースのTシャツだよ。」

僕はそのTシャツを着てみると、やっぱり一回り小さいせいか胸の膨らみが強調されてしまう。
「次はこれ着てみて。」
そう言って渡されたのは、紺のスウェットだった。
僕は言われた通りに着てみたが、リョウが何を考えているのかサッパリわからない。
「うん、これで外出できるようになったね。」
「どう言うこと?」
「こないだブラ着けたままうっかり外出して焦ったと言ってたでしょ?これならブラ着けて外出できるじゃん。」

リョウの説明によると、このスウェットはレディース物らしい。
ブラを着けて外出しても怪しまれないためには、完全に女装しなければならないが、さすがにそれはハードルが高いだろうと思って、スウェットを用意してくれたそうだ。

「顔も女の子みたいだから、これを着るだけで十分女の子に見えるし、コンビニに行くくらいなら大丈夫だよ。」
「そうかなぁ?」
「こういう時に胸の膨らみが役に立つんだよ。お尻は小さいけど、ブラで胸があるのがわかるし、ブラのラインも見えてるから、周りが勝手に女の子だと思ってくれるんだ。」
そう言われて、僕は鏡を見てみると、確かに胸があることによって、男には見えなかった。

「本当はレディースのデニムとか履けば完璧なんだけどね、それは嫌でしよ?」
そう言ってリョウはスマホでレディースのデニムを履いている女性の写真を見せた。
ああ、これはメンズのデニムと全然違う。
「確かにこれは履けないよ。」
「でもこのスウェットなら、抵抗ないでしょ?」
「うん。」
「若い女の子なのに全く色気ないところが不自然だけど、時々こう言う女の子はいるから大丈夫。」
僕は褒められてるのかバカにされてるのかわからなかったが、リョウが僕のために一肌脱いでくれたことに感謝した。

この日はこれで帰り、僕は帰宅してから再度着替えてみた。
全身を鏡に映して見ると、確かに女の子に見える。
でもリョウが言っていた通り、色気は全く感じない。
僕は姉の残していった服を探してみるとフェミニンなパンツがあったので、それを履いてみた。
すると、それだけでかなり女性らしさが増した。

僕は自分の姿に目を奪われたが、やっぱりこんなのを履いて外出するのはちょっと恥ずかしい。
とりあえずコンビニに行く程度なら、色気なんかなくてもスウェットで十分だろう。
こうして僕はブラを着けたまま外出する準備ができたけれど、それでも昼間は恥ずかしいから、夜だけにすることにした。

それから数日後、サヤカから様子見のLINEが入った。
「堂々と外出してる?」
「いやコソコソ外出してる(笑)」
「大丈夫だよちゃんと女の子に見えるから、堂々と外出しなさい。コソコソしてると逆に怪しまれるよ。」
「そう言われてもやっぱり・・・」

そんなやり取りをしていたのだが、再びサヤカがアドバイスくれると言うことで、今度のオフの時にまた会うことになった。
僕は幸せ者だ、あの国民的アイドルのサヤカさんと何度も二人きりで会えるなんて!
会ってる時はリョウだけど、中身は間違いなくサヤカさんだし。
あーたまんない!!

5日後、僕達は例のネットカフェの個室にいた。
今日もサヤカはリョウに変身している。
「コソコソ外出って、スウェットだと全然色気ないからそうなるのかなぁ?」
「それもあるけど、やっぱり恥ずかしいよ。」
「それわかる、俺も初めて男装して外出した時、めっちゃ恥ずかしかったから。」
「やっぱりそうだよね?」
「今日はそれを克服するアドバイスをしてあげる!」
「ほんと?」
「うん。じゃあこれ着てみて!」
そう言ってリョウは、紙袋を僕に渡した。

中を開けてみるとレディースの半袖ニットとパンツが入っていた。
「これを着るの?」
「そう、つべこべ言わず着てみてよ。」
リョウの勢いに押され、僕はそれを着てみた。
「やっぱりレディースの方が似合うよね。あとはメイクすれば完璧だ。」
そう言ってリョウはメイク道具を取り出して、僕に化粧を始める。
されるがままの僕だったが、しばらくじっとしていると、終わったようだ。

「めっちゃ可愛い!」
リョウが僕の顔を見て叫んだ。
そう言われて鏡を見ると、そこにはショートカットの女の子が映っていた。
これが僕?
「どう、自分じゃないみたいでしょ?」
リョウにそう聞かれて、僕は思わず頷いた。

「じゃあこのまま外に出よう!」
「えっ、外に出るの?無理無理!」
「何で?」
「恥ずかしいよ。」
「大丈夫だよ、どこから見ても女の子だし。それに俺も一緒にいるから。」
「ほんとに?」
「うん、俺もせっかく男になってるから、女の子と一緒に歩いてデート気分味わいたいし。」
「でも…」
「じゃあドライブにしよう。今日俺車で来てるから。さあ、行こうか!」
こうして、僕は女装したまま、真っ昼間の外に出ることになってしまった。

そして僕は、リョウの運転する車の助手席にいる。
良く考えたら国民的アイドルと二人きりのドライブだなんて、こんな名誉はない。
僕は恥ずかしかったけど、開き直ってドライブを楽しむことにした。
リョウの運転する車は高速に乗り、湾岸線を走り抜ける。
さすがトップアイドルだけあって車も立派だ。

ただスポーツタイプの車なので女の子らしくないのでは?と聞いたところ、この車は男モードの時専用だそうだ。
と言うことは女モードの時に乗る車も持っている訳で、18歳なのにアイドルって凄いなと思う。

そんな事を考えていると、車は湾岸線のパーキングに止まった。
「外を散歩しようよ!」
リョウはそう言って外に出たので、僕も助手席から外に出た。
スエットと比べてフェミニンな服装なので恥ずかしかったが、人影まばらだったので何とかなったし、横をリョウが歩いて支えてくれるので、安心感もある。
それに男装しているリョウは美少年なので、視線はリョウに集まるだろう。

その後パーキングのベンチに座って、色んなことを話した。
なぜアイドルを目指したのかとか、仕事と学業の両立の大変さとか。
そんな中でリョウが一番目をキラキラさせて話してくれたのが、男装だった。
サヤカは本来ボーイッシュな性格なので、長時間女の子らしいアイドルをしていると息が詰まるとのこと。
だから男装すると、本当にホッとするそうだ。

そんな会話に夢中になっていたけど、ふと時計を見るともう夕方になっており、リョウのお腹がグーと鳴る音が聞こえてきた。
「良かったらご飯一緒に食べない?おごるから!」
「でも…」
ご飯食べると言うことは、結構多くの人前に出ると言うことだ。
それは恥ずかしい。
「大丈夫、今の美樹を見て男の子って思う人はいないよ。」
そう言うとリョウは僕の手を握って車に押し込み、近くのレストランへ向かった。

そしてレストランに到着すると、僕は意を決してお店に入る。
するとリョウの言うとおり、変な視線に晒されていないことがわかった。
それよりもレストランが高級すぎて、緊張でガチガチだったせいか、視線は氣にならないと言った方が正しい。
食べ終わる頃には僕もすっかりリラックスして、女装していることを忘れて彼との会話を楽しんでいた。


官能小説ランキング
Web小説ランキング

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?