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ゴミを1500万円にした日本人アーティスト

彼の名は長坂真護さん。西アフリカ・ガーナのゴミで創作活動を始めたのが2017年。

4年後の現在、
・自身のギャラリーを銀座にオープン
・ハリウッドでドキュメンタリー制作
が進む新進気鋭のアーティストだ。

きっかけは1枚の写真

長坂さんが初めてガーナに飛んだのは、2017年。日本では、ガーナチョコレートを連想する人が多いかもしれないが、長坂さんが向かった目的は、パソコンなど電子廃棄物の不法投棄場「アグボグブロシー」で、ゴミを持つ少女の写真がきっかけだった。

その写真に衝撃を受けた。

世界中で消費された電子機器のゴミ(e-waste)は、巡り巡って、アフリカのガーナに運ばれ、大量の猛毒ガスを排出し、周辺住民の健康をむしばんでいた。

そして、自分もゴミを出す側の1人だと知り愕然とした。

アートで現実を変える決意


消費が促され、経済成長が善とされる資本主義社会。その裏では、不法投棄されたゴミでガンになるガーナの人々がいる。この状況を彼は「現代の見えない奴隷制度」と表現した。彼のコメントを抜粋する。

「これは現代の見えない奴隷制度だと思いました。この不幸な現実に、今も僕は加担しているのだと思ったら、空気を吸うことさえ申し訳ない気持ちになった。一方で、正直なところこんな現実は知らなきゃよかったとも思った。でも、目の前にある景色は変わらないし、僕はそれを体感してしまったのだから、本気で、この現実をアートで変えようと思いました


元ナンバーワンホスト


長坂さんがアーティストになるまでの経歴は、実に興味深い。

服飾専門学校卒業
→No1ホストで年収3600万円
→アパレル会社経営
→ビジネスパートナーの裏切り
→1000万の借金
→現アーティスト
ざっくり書いても普通の人の人生の何十倍ドラマがある。

この人生経験を通して「どんなに偉い人にもホームレスの人にも、全く同じようにありのままの自分でぶつかるようになりました」という。

借金を背負ってもありのままの自分をぶつけるため、道端で絵を描くアート活動を続けていた時に、少女の写真に出会い、1人ガーナに飛んだ。

ゴミからアート作品を作る

ゴミを題材に制作するアーティストは以前から大勢いる。でも彼の独創性、抜きんでたセンスと大胆さ、そして信念の強さが詰まった作品は、ガーナに飛んでわずか1年後の2018年に、1500万円で売買された。

ここから彼の快進撃が始まった。

今後は、今年中に彼を題材にしたドキュメンタリーが完成してアメリカでお披露目される予定。当面の目標は2030年までに、アグボグブロシ―にリサイクル工場を建て、150億円貯めること。

走り続ける彼に今後も大注目です!


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