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未来に輝く光

阪神淡路大震災から29年
私は石川県七尾市の和倉温泉にいた。早朝揺れに気付いて目が覚めたけど旅館の暖かく心地の良い布団の中で再び眠りに落ちた。目覚めたところでテレビをつけると信じがたい光景が映し出されていた。自宅からわずかな場所にある新幹線の高架が倒壊しているのだ。どこの局も地震発生のニュースで各地の映像をただぼんやり眺めることしか出来なかった。被害の大きさがリアルになるにつれただならぬ恐怖心が膨れ上がってきた。すぐに家や親戚に電話をかけたけど繋がらない。何度も何度も繰り返しかけるけど全く繋がらない不安でいてもたってもいられずすぐに身支度をして旅館を出ることにした。旅館の女将さんがとても心配して見送りをしてくださったことを今でも鮮明に覚えている。
翌日やっと固定電話回線で親戚と家族の安否確認ができ、なんとか家に辿り着いて家族の顔を見たのは地震発生から2日後だった。会うなり母が「あんたいなくてほんまに良かったわ、倒れた箪笥の下敷きになってたところやったよ」と言われ溢れそうになっていた涙が思わず引っ込んだ。
あれから29年、2024年の元旦にまさか大地震が発生するとは。新年の祝いで食卓を囲んでテレビを見ていると突然緊急地震速報に画面が切りかわり和んでいた場が一気に緊張した雰囲気となった。それから遠く離れた関西でも揺れが始まった。しばらく揺れを感じながらテレビで煙が上がっている映像を見ていると、これが本当なのか?と悪い夢を見ている様な気分だった。

まもなく1ヶ月になろうとしているけど極寒の被災地で毎日不自由な暮らしをされておられる被災者の方々に1日でも早い現実的な救援措置を願うばかり。
和倉温泉が能登の被災地支援への中継地になればと旅館のご主人がテレビのインタビューに答えておられたのを見て、29年前に被災地へ帰る私を見送って下さった女将さんが無事でいることを願わずにいられなかった。

阪神淡路大震災後に人々に希望の光を…と始まった光の芸術「ルミナリエ」が4年ぶりに再開されました。今年のテーマは『未来に輝く光』
神戸が復興したように、その後震災を受けた東北や熊本、そして石川に輝く未来があることを祈ります。

A shining light for the future.




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