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言語⑤イソップ寓話「犬と肉」からの~ #00095

 読書には想像(創造)が必要。文章に合わせて想像(創造)できる/できない人は読書好き/嫌いになるでしょう。ということにイソップ寓話「犬と肉」が気づかせてくれた。(吉野賢一)

犬と肉:小学1年生の長男、幼稚園児の長女がイソップ寓話「犬と肉」を知らないというので語って聞かせた。物語の内容は以下の通り。
犬が肉をくわえて橋を渡っていた。すると橋の下に肉をくわえた別の犬がいることに気がついた。犬はその肉も欲しくなりワンと吠えた。くわえていた肉が川に落ちてしまった。別の犬とは川に映った自分だった。

想像(創造)された川はどんな川:ちょっと思うところがあって、長男と長女にいろいろ尋ねてみた。
私:犬って、どんな犬を想像した?
長女:ポメラニアンみたいな茶色の可愛い犬~。
長男:101匹わんちゃんに出てくるような犬~(ダルメシアン)。
私:じゃあ、肉ってどんな肉を想像した?
長女:ステーキみたいな肉~。
長男:漫画に出てくるような骨付きの肉~。
私:じゃあ、橋は?
長女:木の橋~。
長男:石の橋~。
(私が本当に知りたかったのが、次の答え!)
私:じゃあ、川はどんな川を想像した?
(このとき、今まで先に回答していた長女が考え込んだ)
長男:流れの速い川~。
長女:えっとね、流れの穏やかな川~。
私:どうしてそう思ったの?
長女:だって自分の姿が映ったんでしょ。(長男がシマッタって顔をした)

読書と想像(創造):長男は読書が嫌いで、読むのはもっぱら漫画。たぶん物語の内容に一致することを想像(創造)できないので物語が面白くないからでしょうね。子ども時代の私は、長男とまったく同じタイプでした。彼が悪いんじゃないですね。遺伝が悪いんですw 長女はよく本を読んでます。そりゃ面白いでしょうね。彼女は突然変異ですねw でなければ・・・。
読書(活字だけを読む)では、登場人物の容姿や服装、乗り物や風景などのありとあらゆるものを想像(創造)する必要があります。一方、その多くが視覚情報(絵)として提示される絵本や漫画の場合、読み手自らが想像(創造)する必要がかなり少なくなる、つまり楽になるのだと思います。読み手の年齢等に応じた素材(絵本、漫画、本)を上手く使った「読む」によって、言語能力あるいはそれに付随した脳機能(想像や創造、記憶など)の獲得が大切なのかもしれません。

00:15 イソップ寓話「犬と肉」
02:30 川とはどんな川?
04:00 言語から創造・想像へ
07:45 質疑応答

補足・訂正

 子どもの頃から読書を苦手とする私が、高校時代の模試で国語「22」という驚異的な偏差値をたたき出した私が、まさか「言語」について語る日が来るとは夢にも思わなかった。世も末か~w

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