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YouTube動画解説:マナビ研究室

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マナビ研究室が公開しているYouTube動画の解説記事を集めています。動画の補足説明や、訂正などをしています。影機材・設備・編集・音楽などの情報も記録しています。
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2021年10月の記事一覧

「イオンとは何か」を周期表から読み解く:#00071

 神経応答の分子メカニズムを理解するには、「イオンとは何か?」を理解する必要があります。これは「溶けるとは何か?」にも繋がります。今回は、神経の電位変化の理解のために必要なイオンの電気的特性について説明します。(小野堅太郎)  動画序盤では錬金術の話となっています。オカルト認定された錬金術ですが、歴史を紐解くと多くの有名な科学者は「錬金術師」であり、昔はちゃんとした「科学(自然哲学)」の1つとして捉えられていました。古代ギリシアのエンペドクレスによる四元素説「火・気・水・土

左右対称!?:#00070 歯の話⑧

多くの動物は左右相称(≒対称)の体を持っています。ですから「歯の数は左右で同じ」が基本です。でも、歯(顎)の動きは左右非対称なのです。(吉野賢一) 相称と対称:ほとんどの動物は、体のつくりが左右で非常に良く似ていてます。そのような動物を左右相称動物と言います。左右対称と言いたいところですが、対称は完全、完璧、厳密に(左右が)同じときに使われる数学的な用語です。生物の場合、左右が完全、完璧、厳密に同じであることは無いので、対称ではなく相称(均等、つり合う)という言葉が用いられ

歯は弱い!?:#00069歯の話⑦

人体で最も硬いのが歯(のエナメル質)なのに、なんとその歯が「よわい」という衝撃の事実。最後まで怒らないで読んでくださいね。(吉野賢一) 歯の硬組織:人体を構成する硬くてしっかりした組織を硬組織と言います。歯にはエナメル質、象牙質、セメント室の三種類の硬組織があり、エナメル質は人体で最も硬くて頑丈です。 歯の軟組織:象牙質の内側には歯髄腔という腔所(すきま)があり、ここに存在するのが歯髄と呼ばれる軟組織です。歯髄は神経や血管などを含んでいて歯の感覚(痛覚)や歯への栄養補給を

接着前処理:プライマー #00068

インレーやクラウンなどの歯冠修復物(補綴物)の接着操作は、予後の成否を決める重要なステップです。しかし、修復物の材質やセメントに応じて適正な操作は異なり、複雑です。前回の記事(#00065、66、67)では、接着前処理の概略、材質の分類、粗造化の方法について解説しました。今回は、接着前処理のプライマーの種類について解説します。(池田弘)  プライマーの塗布は、冠内面を粗造化した後におこないます。ここで言うプライマーとは、接着性モノマーを主成分とする液体のことで、歯冠修復物と

接着前処理:粗造化 #00067

インレーやクラウンなどの歯冠修復物(補綴物)の接着操作は、予後の成否を決める重要なステップです。しかし、修復物の材質やセメントに応じて適正な操作は異なり、複雑です。前回の記事(#00065と66)では、接着前処理の分類、そして材質を分類しました。今回は、接着前処理の粗造化の方法について解説します。(池田弘)  粗造化とは、歯冠修復物の内面に凹凸を形成し、セメントと修復物の間でマイクロレベルの機械的嵌合を獲得するための操作です。臨床的に使用できる粗造化の方法は、サンドブラスト