大企業で出世する方法(2)こういう人は出世できない
どんな人が出世できるでしょうか?
こういう人であれば必ず出世できるとは言い切れません。
しかし、こういう人は出世できないというパターンはあります。
もし、あなたが該当するところがあれば、ここだけは直した方がベターです。
絶対に出世できない5つの条件
最初から結論を書きます。5つの条件はこちらです。
(1)言われたことしかやらない
(2)報告、相談がない
(3)粘り強さがない
(4)すぐネガティブな感情がでる
(5)批評、批判ばかりする
まあ、当たり前のことばかりです。
できる人には、解説も不要だと思います。「該当しなかったらこの記事は飛ばしてください」と言いたいところですが、どう直せば良いかのアドバイスの前に、上司はどうしてそう思うのか、という観点にも触れています。上司や会社の視点を知っておくという意味合いで興味があれば、読んでみてください。
(1)言われたことしかやらない
(こんな人)
仕事をまじめにこなしている、もっと言えば、他人よりも、失敗なく確実にこなしている自信は持っています。さしでがましいので他人の仕事に口を出すことは少ないけれど、意味もなく仕事を混ぜ返したり、無駄な仕事を増やす人よりずっとマシだと思っています。
(上司から見たら)
言われたことしかしない人は、たとえ仕事ができたとしても上司から見たら「あくまでも従業員レベル」ということです。
責任を持って、きっちり仕事をする人であれば、その点では高評価を与えますが、出世するレベルの評価は出せません。
仕事に対して「消極的なイメージの人」という印象となります。また、自分のことだけというのは「視野が狭い人」という印象にもなります。
一般的には、積極的、情熱的な人の方が出世しやすくなります。部署全体を引っ張っていくというリーダーシップがある人が、部署の長に選ばれやすい傾向にあります。
(どうすれば良いか)
仕事はきっちりできるのであれば、次の段階として、部署全体の仕事の流れと、それぞれの仕事内容を理解しましょう。そうすれば気がつくこと、つまり、やるべきことが見えてきます。
性格的におとなしい性格であれば、情熱的に、あるいは、積極的に行動しろと言っても、苦手に思うかもしれません。しかし、部署全体を見て、必要な行動を起こしましょう。上司に「今日(あるいは今週)は、仕事に余裕があるので他に仕事があればお手伝いします」と申し出るのも良いでしょう。
上司が忙しい人であれば、あまり上司の手を煩わせないようにして、同僚の忙しい人を手伝ってください。これで「言われたことしかやらない」という評価から少なくとも「協調性がある」という評価にアップします。
ぐいぐい部署を引っ張っていくタイプが向く部署もあれば、きっちりとバランスよく着実に職務を遂行する管理能力が問われる部署もあります。そんな部署であれば、部署全体の目配りができ、着実に仕事をこなせるような人にも出世の道が開けてくるでしょう。
(2)報告、相談がない
(こんな人)
仕事の失敗を報告すれば、評価が下がるからできるだけ、自分の仕事は自分一人で解決しようと思っています。
上司や同僚に迷惑をかけるのも気が引けます。できるだけ、余計な時間をとらせないように、自分でやり切るのが部下の美学なのです。
(上司から見たら)
部署全体の職務が予定通りに進んでいる状態が、上司にとって通常の状態です。
もし、職務が滞っているのであれば、早めに状況を相談すれば、全体で調整することも可能です。しかし、ギリギリになってから報告したり、期限がきてから発覚では困ります。職務遂行状況(進捗状況)については、適宜報告が必要です。もちろん、通常のルーティン業務であれば、順調な場合は報告不要です。
もう一つは、問題が発生した場合の相談です。特にクライアントとの問題が大きくなってから、報告を受けたりすると困るのです。早めに相談があればすぐに謝罪するなど対処の選択肢も多くなります。社内の問題でも同じです。被害が大きくなってから報告を受けたり、発覚するような場合は困ります。
上司にとって些細な報告は時間の無駄で困りますが、大きな問題の芽があれば早めに相談して欲しいと思っています。この些細なのか、大きな問題に繋がる萌芽なのかの判断は難しいのです。判断ができない場合は、報告を入れるのが基本です。仕事を繰り返しながら、判断基準を上げていけば良いのです。
相談、報告がなくて、いきなりトラブルになった人、問題を一人で抱え込む人、という印象がある部下には大きな仕事は任せられません。
(どうすれば良いか)
「仕事が遅れている」「トラブルが発生した」など自分の評価が下がるようなことは、報告したくないものです。それは、あなたが、自分の保身や評価を気にして仕事をしているということです。こういう人は出世できません。
問題が起きてしまった場合なら、即時報告です。問題が起きたとしても、それを自分で穴埋めすれば、何もなかったように振る舞えます。しかし、それはNGです。問題が起きやすいところは、部署で共有すべきなのです。
顧客や会社全体に迷惑をかけることがないように、自分の裁量を超える可能性がある場合はリスクがあることを事前に報告しましょう。難しいのは問題が起こる前のイレギュラーな事象の報告です。
例えば「今、取引先A社と製品Bの納期の問題が発生しています。工程を見直すことで解決できる見通しが立っていますが、万が一の場合、C社の製品Dで代替するかもしれません」などのように「1分報告」で良いのです。通常とは違うイレギュラーなことを、ときどき報告を入れることで、上司は状況を理解することができるのです。逆に報告がない場合、全て順調に進んでいると安心できなす。そういう人に仕事を任せたいものです。
実は自分の裁量を超えた問題が発生しているということもありえます。「納品先がC社とトラブルになっているのでC社の製品を使わない方がよい」「他の問題で工程を大きく変更する可能性がある」など、自分の知らない情報があるかもしれません。自分の裁量を過信しなことも重要です。
(3)粘り強さがない
(こんな人)
これは、与えられた仕事を達成することへの執着心が少ない人です。これは2つのパターンがあります。
1つ目のパターンは、上司が「◯◯をやってくれ」とか「もう少し、◯◯にならないか?」と言われた時に、すぐに「できません」と返答したり、反射的に「できない理由」を上げてしまうケースです。
2つ目のパターンは、答えの出ない問題や難しい問題に対する姿勢です。いったん引き受けたとしても、すぐにあきらめたり、社内の協力が得られないとか、景気などの外部環境のせいにして、低い結果に甘んじてしまいます。計画目標に対する情熱がないため、周りと横並びの数字なら安心してしまい、低い達成率でもそれでよいと諦めてしまいます。
(上司から見たら)
普段の仕事はきっちりできる人でも、新しいことや難題に向き合ったときに真価が問われます。上司から見たら、既存の仕事のレベルを越えようとしない人は、現状の職位がお似合いです。上位職になれば、今以上に難易度の高い業務に向き合うことになるが、情熱も結果も期待できない人に見えてしまいます。
(どうすれば良いか)
与えられた仕事をマニュアル通りにこなす人だけでは企業は環境変化に対応できません。つまり、仕事は処理系の仕事と、創造系の仕事に分かれています。
しかし、大会社ともなると、多くの業務が細かく分担されており、処理系のレベルまで細分化されていることが多くなります。そこで、普段は「正確に業務を処理する」「効果的に処理する」ことを優先する思考回路になっています。
その思考パアターンのままだと、普段と違う仕事を打診されたときに、つい、現状の仕事を優先してしまうのです。できない理由をあげて、先回りしてできない自分を自己弁護してしまうこともあります。
上司が普段とは違う仕事を打診するときには、その仕事が必要な「何か」があるはずです。その重要性が見えないと、今後上司職にふさわしい仕事は回ってきませんし、上位職になることもないでしょう。
部署全体を見て「どんな課題を抱えているのか」「将来どんな方向へ変化して行くべきなのか」という視点を持ってください。本来であれば、上長から部署の方針や方向性の説明があるものです。自分の仕事には関係ないと上の空で、自分の職にだけ向き合うようでは出世できません。また、部署の方向性をはっきりさせない部門長であれば、自ら自分で方向性が考えておくべきです。自分の仕事ができ、その上で、視野の広い判断ができるようになることが出世の条件です。
(4)すぐネガティブな感情がでる
(こんな人)
「トラブルが起きたときに、相手に苛立ってカッカとしてしまう」「契約が取れずに腐ってしまう」「仕事がうまくいかないと、泣きが入る」「しかるとドーンと落ち込む」「プライベートが安定せず仕事に影響する」「数字が悪いとイライラし、部下に当ったり、どなったりする」こんな人たちです。
(上司から見たら)
あまりに感情の浮き沈みが激しく、そのために仕事に支障が出るような人には、責任のある仕事、難易度の高い仕事は与えにくいと考えます。
(どうすれば良いか)
もって生まれた性格なので、すぐに変えられないこともあると思います。この性格のままで出世すれば、組織のメンバーも苦労することになりますし、さらに昇格することは難しいでしょう。
感情に飲まれてしまうような状況では、冷静な判断はできません。詳しいことは専門書に譲りますが、私なりの解決法を少し書いて起きます。参考になれば幸いです。
(1)まずは、自分が感情的になっていることを自覚してください。それはどんな感情でしょうか?
【強い感情】
自信喪失、恐れ、怒り、落胆、身の危険、絶望、無能感、嫉妬、敵意、復讐、挫折、自責、避難、心配、疑い、心配、悲観など
【弱い感情】
不安、いらだち、疑い、憂鬱、退屈、焦り、我慢など
(2)こころのニーズを知る
自分のニーズ(欲求)が満たされないときに、負の感情が湧き出るものです。
・売上の期待に応えたかった
・周りに迷惑をかけたくない
・あてにしていた契約が予定通りとれる
・仕事がスムーズに進んで欲しい
(3)自分のニーズと残念な結果を他人に話す(話つもりになる)
・売上の期待に応えたかったけど、できませんでした
・迷惑をかけたくなかったけど、かけてしまった
・あてにしていた契約が取れなかった
・仕事がスムーズに進まなかった
感情の暴走に任せて話すのではなく、いったん、意識を自分の感情に対し客観的になり、感情を引き起こした自分のニーズを考えることで、落ち着いてきます。落ち着いてから、自分の状況を周りに伝えてください(冷静になれば、伝える必要もないのかもしれません)。
(5)批評、批判ばかりする
(こんな人)
タイトルの通りで、会社の方針や部長の方針に対して、ブツブツ文句を言ったり、陰口を叩いたりする人のことです。こういう人にも2つのパターンがあります。
1つめのパターンは、自意識高い系の人です。自分は業界の知識や経験があると自負しています。しかし、会社の方針にはそれなりの理由があるわけです。その背景を知らずに評論していては、現実的でない評価になってしまうのです。
2つ目のパターンは、仕事に対して、自己中な人です。このような人はやりたくない仕事が回ってくるだけで、文句を言います。もちろん、このような人は出世する資格はありません。
(上司から見たら)
上司のいないところで批評、批判する人が多いと思います。そういう人がいると部下の士気が下がります。それに批判は間接的に上司の耳にも入るものです。
また、面と向かって批判する人もいるでしょう。職場の雰囲気を作ろうとしている時に、ネガティブな発言をするのは全体の士気が下がるのでやめて欲しい。
(どうすれば良いか)
自分の知識や考えの鋭さや正当性を主張したい気持ちはわかります。
それはあなたの才能を評価して欲しいのではありませんか?結局あなたは組織のことを考えているようで、自分のことしか考えていないのです。あなたの考えが正しいとしても、せっかくの判断力を活かすことになっていません。
なぜ、会社がそのような方針を取らざるを得ないのか、視野を広げてください。その理由がわかれば、そこを改善することで、会社の方針も変わっていくでしょう。
出世できない5つのタイプは以上です。いかがだったでしょうか?
後日、このような部下を持ったら、どう、モチベーションを持たせるかという記事も書く予定です。お楽しみに!
大企業で出世する方法、前の記事と次の記事です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?