普通の子の中学受験、2021年中学受験を振り返る
2021年受験組の皆さま、お疲れさまでした。コロナの影響も受け、さらに予測が難しかった2021年の中学受験。2022年以降の受験組の皆さんのためにも、その実態について振り返っておきたいと思います。
そこで、参考になったのが、何度も紹介している市進さんのサイト。ほとんどの学校の実質倍率も出揃い、2020年度と比較する資料としても優れています。
さらに、よく読ませていただいている「僕らの戦略受験 超中流の逆襲」という中学受験ブログのTwitterで紹介されていたのが、声の教育社さんの中学関連の動画。ブログの方は、お子さん達の中学受験を経験されたお父さんが書いてらして、するどい分析力と冷静な判断力で、娘さんを最後の最後で上位校合格に導かれ、その体験記は号泣ものです。暗黒編、飛翔編、遺言編の三部作なので読み応えありますよ~。私はただのブログファンですので、URL等は控えますが、ブログのタイトル名で検索すればすぐ出てくると思います!
声の教育社さんは、過去問の赤本で有名ですよね?うちも、たいへんお世話になりました。こちらも、2022年中学受験の総括はもちろん、いろいろな学校の裏話も出てきて、興味深い内容になっています。
これらの資料を元に、私の個人的な分析も踏まえつつ、今年の2021年の中学受験を振り返ってみたいと思います。
2021年中学受験の振り返り
1 コロナゆえの超安全志向、ゆえのまさかの結果に
中学受験は年々、短期決戦になってきていましたが、その傾向がコロナゆえにさらに加速。なるべく早く合格を確保したいとのご家庭が増え、2月1日はチャレンジ校ではなく、確実な志望校を選ぶケースが多かったようです。付属校でいえば、早慶チャレンジをやめてMarch付属へチェンジ。さらにはMarch付属をやめて、日東駒専付属へチェンジと、志願者の集中が下位へと移行してしまったため、本来ならMarch付属合格ゾーンの子が、日東駒専付属合格ゾーンの子がはじきとばされ、まさかの×になるケースが散見された模様です。
2 学校の合格者数の絞り込み、ゆえのまさかの結果に(併願校は逆)
前述のように超安全志向によって受験者が第一志望を早期に取りにくる傾向が高かったため、各学校で受験者中のうちの第一志望者の割合がアップ。それを鑑みて学校側も例年より合格者数を減らした学校が多く見られました。
一方で、第二志望以降にされていると自覚している併願校は、この逆の傾向に。農大一、明八などは、1回目の合格者数を昨年よりも多めに出していました。受験生だけなく、学校側も早めに優秀な生徒を確保したいとの考えがあったのではないでしょうか。特に、コロナで地元志向の傾向が強かった2021年の中学受験では多摩地区やバス便の学校の志願者減がみられました。明八はMarch付属の一角なので、あいからわずの人気でしたが、それでも立地や併願率の問題からか、早めに生徒を確保すべく1回目の合格者は男女合計で約20人増。その他の併願校でも、早めの生徒獲得の動きが見られました。
3 コロナゆえの問題易化、ゆえの平均点爆上がり
コロナの影響で、思うように塾に通えなかったことも考慮し、中学校側も例年より問題の易化(やさしく)させる傾向が見られました。そのため、全体的に平均点がアップ。高得点での争いになったため、少しのミスが致命傷に。本来なら算数や国語といった得意科目で差をつけられた子が、他の子と差がつけられず、凡ミスでまさかの×になる事態も。昨年なら7割とれていたら合格だったのが8割とれないとダメ、手応えがあったのに×だったなど、先が読めない戦いになったようです。落ち着いてバランスよくとれる子が優位な戦いになったのではないでしょうか。
ただし、問題の易化は、声の教育社の先生方によると、2022年は元に戻るのではないかと。大学受験の改革によって思考力、表現力などが求められる試験にシフトチェンジしてくるため、それを中学受験にも反映する動きがみられるようになるとのこと。ただ答えを選ぶ問題ではなく、もっと自分の言葉で答えさせる記述式、教科を超えた問題(理科に国語の単元の問題が出たり等)が増えていくだろうとのこと。そういう意味でも、2022年以降の中学受験の問題は、内容的に難化すると予測されます。
<総括> 2021年は、コロナに振り回された中学受験でした。超安全志向や学校の合格者の絞り込み、地元志向、問題の易化によって、狙いやすい&通いやすい都心部の学校に志願者が集中。4都県合計の中学志願者数は108%とそれほど増加していないにもかかわらず、一部(2月前半)に志願者が偏り、「昨年と同じぐらいの出来であっても、なかなか合格が得られない」事態が多発したようです。この傾向は2022年はいったん緩み、2020年位に戻ると考えられますが、5年後、10年後というスタンスでみていくと、全体の中学志願者数は増加し、中位~下位といったボリュームゾーンでの戦いは、ますます熾烈なものになってくると予測されます。特に女子の場合は、高校から入れる私立が少ないため、中学受験を考えるご家庭はますます増えるでしょう。全体的にみても、中学受験は上位層という一部の者ではなく、中位や下位にもどんどん広がり、より「一般化」&「中流化」することが考えられます。
以上。今日は、2021年の中学受験を振り返ってみました。あくまで個人的な見解によるものなので、話半分でお願いします~(汗)。では、2022年以降の受験組の皆さんのご健闘をどこよりも早くお祈りしています(笑)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?