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解像度を上げる:曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法」:2024年上半期ベスト本

私が2024年上半期に読んだ中で最も印象に残った一冊についてご紹介したいと思います。その本は、馬田隆明さんの『解像度上げる:曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法』です。

曖昧な思考をクリアにするための4つの視点

この本の中心テーマは、「深さ・広さ・構造・時間」の4つの視点を用いて、曖昧な思考をクリアにする方法です。それぞれの視点がどのように役立つのか、具体的な例を交えて説明されています。

  1. 深さ
    深さの視点では、問題を表面的に捉えるのではなく、根本的な原因や背景を掘り下げて考えることが重要だと説かれています。つまり「具体化」です。このアプローチは、特に受験生たちが直面する復習の際に非常に有効です。この思考をするために具体的な要素が紹介されており、日々の指導にも取り入れやすいと感じました。

  2. 広さ
    広さの視点では、一つの問題を多角的に捉えることの重要性が述べられています。異なる視点から物事を考えることで、新たな発見が得られることを教えてくれます。つまり「横展開」のことです。これは、受験生たちが横断的に教科を関連付けて学ぶ際に役立つアプローチです。

  3. 構造
    構造の視点では、情報や考えを体系的に整理する方法が解説されています。複雑な問題を解決するためには、まずその問題を細分化し、整理して理解することが必要です。この手法は、特に数学や理科の問題解決、浜松西高中等部の適性検査問題、静大附属中の算数入試問題において大いに役立ちます。

  4. 時間
    時間の視点では、物事を長期的な視点で捉えることの重要性が強調されています。短期的な結果にとらわれず、長期的な成長や発展を見据えることで、より効果的な学習や計画が可能になります。これは、受験生たちが志望校を設定し、それに向かって努力する際に非常に有益です。

実際の指導にどう役立つか

馬田さんの書籍は、理論だけでなく図解も豊富に紹介されているため、日々の指導にすぐに取り入れることができます。特に、受験生たちが自ら考え、問題解決に取り組む着眼点を養うためのマインドマップを用いたメソッドは、私たち教育者にとって非常に参考になります。

最後に

『解像度上げる』は、思考のクリアさを追求するための優れた教本です。この本を通じて、私自身の思考もより明確になり、受験生たちに対する指導にも一層、解像度が上がりました。親御さんもぜひ一度手に取って読んでみてください。きっと、まだ見えていなかったお子さんのストロング・ポイントが得られると思いますよ!

皆さんの学びがより充実したものとなりますように。

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