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人は変われる。どんな時も 高校野球

土曜の朝、
今、僕は北海道行きの飛行機に一人で乗っている。
ニセコにいるクライアントと、新規の大きな企業と交渉しにだ。

1000円プラスの飛行機のプランを迷わず選び、
毎月のリモートの契約でインセンティブがあり、
会社から支給されたMac Book Proで趣味の音楽作成が出来、休みたいときに休みを取れる生活なんて、

オーストラリアの大学の図書館に、2ドルのクッキーで夜通し籠もっていたときには想像もつかなかった。

バス代が高いから45分歩いて大学まで通ったときにも想像はつかなかった。

野球部で2時間ノックをうけ動けないのにボールを追ったときには、あ、その時は単純に意識が飛んでいた。

少しだけ僕の話をすると

僕の野球のキャリアは高校卒業で終わった。
小学校では弱いチームのキャプテン
中学では強いチームのレギュラー
高校では中堅校の半レギュラー(半魚人的な)

高校3年の春に、甲子園常連校の練習を見た。
全部違うんだなと思った。同じ高校生ではない。

それが一番の進路相談だった。
もっと世界を見たいということも重なり野球は終わったのだ。

これが僕である。
その選択は間違いでもなければ正しいとも限らないが、正しいと思うようにしないと人生が進まない。

題名通り、人は変われる
僕は野球を辞めたが、
今日は僕が飛行機に乗ってる間に、
僕が本当にかっこいい、そして野球を続けることと共に進化したと思う二人を紹介したい。

ワタル君

ワタルという名前の選手がチーム内に何人もいたが、流行りネームなのか、

彼は一年の頃に僕と同じクラスで
同期の野球部が30人いるにも関わらずクラスで野球部が僕とワタル君だけだった。
そのこともあり、かなり親しい。
二人で、毎日弁当を食べてた。今でもたまに呑む。

身長がすごいでかいのに、
サイドスローとアンダースローの間の様な投げ方で
チームからは下手投げ、下手投げと呼ばれなぜかそれが面白かった。

ギャグセンスも高い。笑いが分かる。
根は真面目。茎はデカイが、咲く花はただのアホ。 やることはアホだが、野球では僕以上の努力家だ。

でも夏の大会、ベンチに入れなかった。
僕が最後の打席打てなかったあとに、
最初に
「あれは、エグい、しょうがない、しょうがない」と言ってくれたのは彼だ。

彼は大学進学と共に野球を続けた。
もしかしたらそれが進学の唯一の道だったのかもしれないが、野球を続けた。

要するに僕があ、違うんだなと思った人たちと対戦することを決めたんだ。

この大学4年で彼はものすごい成長を見せる。
彼の大学は、多くある大学リーグのうちの一つのリーグの二部に所属していたが、二部リーグでは先発の一人として優秀賞を納める。

一部にあがった。
一部となるとプロも注目する選手が多い。
現に横浜の濱口投手なども同じ一部にいた。

打者なんて甲子園に出た選手や、まさしく僕が、あ、違うんだなと思った選手達だ。
その相手から横浜スタジアムでアウトを取る彼を見て、僕とキャプテンのタクロウ君は興奮し、横浜スタジアムで上半身裸で軽く踊っていた。
僕達もその時は一瞬プロに注目された。

彼はその後四国アイランドリーグという、
あ、なんか聞いたことあるというリーグに参戦。
なぜ聞いたことがあるのかというと、プロの選手が紹介される際にその出身リーグとして、
または元プロの選手が、まだキャリアを諦められないということでプレーするからだ。

藤川球児、村田修一、今でいうと西武の岸潤一郎などもいた。

チームの寮が鶏肉とご飯は無料で提供してくれることで大きくなった下半身を披露し、バッターを抑える姿に僕は携帯越しに涙が出てきた。

今は何もなかったかのように同期が経営してる飲食店で働いている。

ベンチから外された彼がめげずに僕があ、違うんだなと思ったことに、だからと言って諦める必要はないと否定してくれたことが、あっぱれであり、
これからは僕もそうゆう人間になりたい。
ちなみに出会い系アプリで遊びすぎて金がないというのが野球断念の主な理由らしい。

もうひとりだけ、お付き合い願いたい。

ケンサク君

彼は野球一家だった。二人の兄の流れに添い野球を始め、2つ上の兄は甲子園に出た。全国大会に出た僕の中学の先輩3人と同じチームになり、
なんだかんだ縁がある。

エグいほど勉強に興味がなかった。
僕たちの赤点取り犯の一人だが、
野球になるとリーダーシップを発揮する。
ケンサク君は3番手投手だった。
二人の主なピッチャーの後ろの投手。
僕が戦犯の春の大会で苦い思い出があるのも彼だ。

高校卒業後、日本で野球をやることに疑問を持ち、なんとアメリカで野球をやると言いだした。
皆、

あめりか?

となった。
考えが他の野球部よりも少しだけ広かった僕も

あ、あめりか?

となった。

あめりかってあのあめりか?と。
正直まぁすぐ帰って来るだろうと、皆思っていた。

彼は今でもあめりかにいる。

全く英語が話さないところからカレッジに入り、
野球も勉学も成長させたのだ。

野球ではカレッジ生投手として注目され、Kensakuを取りたい大学の監督から毎日のようにラブコールをされたらしい、
毎日のように

「How are you doing?(元気か?)」と

まさしくラブコールだ。怖いほどに


そして、その大学から奨学金を得て野球をし、
州の中でも優秀投手として選ばれた。
そう、彼の、日本人のKensakuという名前が州の優秀なスポーツ選手のリストにのっているのだ。

僕たちはなった、
Kensaku Aってあのケンサク?と

学業でも成績は良い。
そして、英語も話している。
人は何にもなれる、どんなときでも。
僕が彼は勉強に興味がないといったのは、
勉強が出来ない人はいないと、
彼を見て思ったからだ。

大学2年の夏、アメリカにいる彼を訪ねに行ったことがある。
他の同期と三人でだ。
幸い僕たちはバイトをちゃんとやり潤っていた。

四人でシアトルや、彼の町を回った。
ホームステイ先のファミリーとも会った。
すごく良い人達だった。
アメリカのシャンプーの強さに驚いた。
バリクソ強い。
なんか分からんスクラブとかいうボディーソープに入っている小さくて黒くて硬いものにビビった。
まっくろくろすけかと思った。

アメリカの甘いドーナツにも驚いた、
ドーナツに入っている砂糖の固まりのような白いものが○液に見え、
これ○子じゃん!ドーナッツに○子入ってんじゃん!と言っても誰も分からないことに爆笑していた。

僕たちが帰ったあと、独りでに涙したらしい。
多分それまで大変苦労してきたことに、身体がホッとして、感情は分からずともそうなったんだろう。

彼はまだ野球をアメリカでしているが、
他のキャリアを探しているらしい。

彼は常に自分を謙虚に評価するが、
僕の彼に対して、彼の経験に対して、
彼の気持ちの強さに対し、どんな企業でも、どんな仕事でも出来てしまうんだろうなと思った。

僕もこれから進化したい。
ちょうど今着陸した。
Boys, be ambitious.
札幌とニセコでの一週間で成長し、更に変わろうと思う。

いい週末を。



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