見出し画像

日本の物流は世界一だと学んだ日 高校野球

#日本の物流は凄い

田舎に行ってもコンビニやスーパーは充実しているし、どこに行っても美味しいものが食べられて、旅館も綺麗で清潔だし、そのスピードも物凄い。
長野の奥の方の山を登った後に、麓の小さいカフェでもめちゃくちゃ美味しいコーヒーが飲める(疲れていたから錯覚だったかもしれないが)

本当に海外に行くと、信じられないほどにものが売って無かったり、食べ物が無かったり、都心でも清掃が行き届いていないことが多い。
むしろ日本がエグすぎるのか。

この小さな国を元々世界2位の経済大国にしたものは、まさに「回転」だ。
しかも、日本は特に日本でものが回っている印象がある。
多く作って効率よく回転して、安くしようだ。

それを肌感覚、脳感覚、いや、もはや飛び越えて生感覚で感じたのが、
僕たちがまだ、一年生の夏休み、関西に遠征に行った時だった。

関西遠征

関西の強豪校と練習試合をしながら甲子園を見学するという遠征である。
新幹線で移動し、宿に到着。
その日の午後に練習試合、
その次の日はAとBに別れ練習試合をし、
夏の甲子園を見学するというスケジュールだ。

日数が多いこと、AとBに別れることなどから、荷物がめちゃくちゃ多い。
三年生が卒業するまでは、荷物の管理は二年生だったが、
三年生が卒業してからは、荷物の管理はもちろん一年の責任だ。
確認する荷物は、

- ボール(練習用、試合用)
- ヘルメット
- キャッチャー防具
- バット などで、AチームとBチームでそれぞれ必要なのでかなり多い。
それを担当に分けて、自分たちの荷物に加え運ぶ。

僕たちが初日に宿に到着すると、天気は雨だった。
雲行きが怪しい中で、荷物をチェックすると、

「おい、ちょっと待て」

ん?

「ヘルメット足らなくね?」

どれ?

「Bのヘルメットがないぞ」

み?

「あ、やべ、忘れた」

ファ?

ということで、僕たちは何回も確認したにも関わらず(恐らく大阪に行くという気分の高揚でバイアスがかかっていたかも知れないが)Bチームのヘルメットを忘れてしまったのだ。

あーーーあっっかーーーーーん

わかるだろうか。
本当にやばい時のこのあっっかーーーーーんの「かーーーーーん」がオリバーカーンの「カーン」より長くなる感じ。

あーーーあっっかーーーーーん

となり、先輩たちに伝えると、

先輩たちも、

あーーーあっっかーーーーーーーーん

ともっとかーんが長くなっていた。

なぜこれがやばいのかというと、もちろん忘れたこと自体もヤバかったが、
このタイミングが本当に悪い。夏の練習の先輩たちに監督が呆れ、練習すらもしない時期があった。

ようやくこの遠征まで漕ぎ着けたというのに、
ここでヘルメットを忘れましたなんて、あってはならないのだ。
絶対にあってはならない。
どのくらいあってはならないのかというと、
天皇陛下に「おい徳仁ー!野球しようぜー」というぐらいやばい。
「いいよー」と言ってバットで殴られ一瞬、一瞬で死ぬだろ

どうする。どうする。いろいろ練った。
一年が新幹線に今から乗って帰り、翌日に帰ってくるとか。
焦った先輩は「一人100円出せば誰か自由席のれる」
とか夢のようなことを言い出したりとかしたが

最終的に、かなりの高熱で遠征に参加できなかった同期に、学校に行ってもらい、そのヘルメットをホテルでは間に合うかわからないし、監督にバレるリスクがあるとし、次の日のBチームの相手高の近くのコンビニに送ってもらうという理想に辿りついた。(風邪で休む意味なんて無視だ!)

高熱で休んでいる彼が、学校に行くと言い出すものだから、親がすごい怒ったと言っていたが、その親は理解していないのだ、
高熱の彼は知っている、彼が死んでもヘルメットを大阪に送らないといけないことを。
僕たちは知っている。ヘルメットが無ければ、我々は死ぬと。

ヘルメットは届いたのだった。

当日Bチームの一人が相手校についた後、こっそりコンビニにいき、ヘルメットを回収してきた時は、生き返った。

そしてコンビニでものを受け取れることすらも知らなかった僕は、

日本の物流すげーー!!

となった。
ていうか、いつもこれでよくね?となった。(そんなお金はない)

高熱の彼は、生きていた。よかった。

ちなみにそのBチームの試合で、
珍事件として知られるのが、最終回の攻撃前に、いい守備をした我々に、元々声が高くなる癖がある監督が興奮し、早口になり

お前たちだってこういう守備を繰り返していけば@#$%^^%$%^&*@#$%^&^%^&*で、#%*&^*なんだからね、*&^&**&、なぁ?相手が$$%^&%$@%^&*&^だから、自分たちも*&^&*%^%、これからは*&^&*%@分かったろ? さぁ行こう!

といきなり、日本語検定三十段のリスニングテストがいきなり出題され、
僕たちは

「はい!」

と言って攻撃に移ったが、今でも何を言ったか議論になっている。

とにかくヘルメットがついたことに感激したのと、
着替える際先輩のバナナが見え、怖い先輩のバナナが結構可愛くてあとで同期と爆笑した。

馬鹿である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?