マーケティングで用いる分析手法5つまとめてみた!part3

分析といっても、この世には分析手法がたくさん有ります…!
今回は、統計分析から少し離れて、テキストマイニング(自然言語処理)について勉強していきます!

テキストマイニングとは

大量の文章データ(テキストデータ)から、有益な情報を取り出すことを総称してテキストマイニングと呼びます。自然言語解析の手法を使って、文章を単語(名詞、動詞、形容詞等)に分割し、それらの出現頻度や相関関係を分析することで有益な情報を抽出します。
ビッグデータの活用においても、テキストマイニングは非常に重要な要素となります。ビッグデータ解析の対象となるデータは数値などの形であらわされる比較的取扱いの簡単な「構造化・定量データ」、数値に表すことのできない感覚的な側面を持つ、「非構造化・定性データ」に大別されます

TRAINA:https://www.traina.ai/solution/textmining/about.html

テキストマイニングで出来ること

コールセンターでの活用

参考:コールセンターにおける会話マイニング

日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所

コールセンターでは、毎日多くの顧客の声を取得でき、それぞれをテキストとして蓄積していくため、テキストマイニングを実行しやすい。
また、問い合わせユーザーの発した言語とその後の行動(成約結果)などを紐づけることで、発話言語との相関などを分析し、問題抽出や問い合わせ業務の効率化などにもつながると考えられている。

紹介した文献では、レンタカー業務のコールセンターのテキストマイニングを扱っている。
936 件の会話を対応者によって書き起こしたデータをIBM TAKMIにて分析した。結果として契約に至らなった461件では『要望に応えられなかった』という定型情報が付随している42件のデータがありその特徴を分析したところ、デビットカードの制限により契約に至れていないという層がいることが明らかになった。

上記のような事例の場合、利用できるデビットカードの幅を広げる、あらかじめ予約ページにデビットカードについての案内を記載するなどといった施策案が講じられそうです。

SNSでの活用

SNSには膨大な生活者の生の声が眠っている、いわばデータの宝庫です。
既存の顧客だけでなく、色々な視点から企業や製品に対する生活者の声・課題・ニーズが吸い上げられる可能性があります。

SNSのテキストマイニングには主に2種類あります。

①センチメント分析
センチメント分析は、テキストから人々の感情を分析する手法で、マーケティングにおいては、製品・サービスに対して、顧客が抱く感情の分析に応用可能です。「この製品は良い」「この製品はおすすめ」などといった肯定的な感情表現はポジティブな意見として分類し、反対に否定的な表現はネガティブな意見として分類します。このように、テキストに対して「ポジティブ」「中立」「ネガティブ」の評価を下すことから「ネガポジ判定」とも呼ばれます。
②共起分析
ある文字列に紐づいて別のある文字列が同時にあらわれることを「共起」といい、その関連する文字列を洗い出す手法を「共起分析」と呼びます。共起分析を用いることで関連性のある単語を網羅的に抽出できるため、ユーザーが持っている意見をより高い解像度で把握することができます。例えば、「SNS」に「マーケティング」や「発信」という語が共起されるというデータがあったとします。この結果からは、SNSは情報発信のマーケティングツールとして意識されているということが読み取れます。

salesforce blog:https://www.salesforce.com/jp/blog/2020/10/text-mining.html

②の共起分析は、ユーザーや生活者がどのように企業や製品(ブランド)をとらえているかを、一緒に用いられるKWから推測することが可能になります。SNSがユーザー独自で自由に発言できる場所であるからこそ、想定外のデータを発見できる確率も高そうです。

テキストマイニングのメリット・デメリット

メリット

テキストマイニングは前述した通り、毎日毎時集まる生活者やユーザーの生の声をそのまま引き上げることができることが最大のメリットになると考えられます。企業からでは想定しえなかった新たな側面や生活者・ユーザーのニーズ/課題を抽出できる可能性があります。
また、分析ツールも近年増加しているのでどのような生活者・ユーザーの声を引き上げたいかによって分析方法を検討するとよさそうです。

デメリット

例えば、コールセンターでは記載するデータが俗人的になる可能性があります。また、正確性も判断がつきにくくなります。こちらは、自動音声入力等で対策も可能です。
また、SNSにおいても生活者やユーザーが言語化できていない要素が満足/不満につながっている可能性があります。
分かりやすい例があったので紹介します↓

例えば、とある新商品のお菓子があったとして、味についてのアンケートデータがあったとします。分析をするために味に関連する言葉を登録をします。ここでは「甘い」「まずい」「美味い」という単語と仮定します。こうなると「硬さがよい」という単語は漏れてしまうことになりますが、ここで「硬さがよい」「うまい」「おいしい」などを加えて拾う単語を増やしていくと「パッケージの硬さがちょうどいいので持ち運びが便利」や「売り子が美人で販売がうまい」というような言葉も拾ってしまうこととなり、お菓子自体の感想としての精度は落ちていきます。

データの時間:https://data.wingarc.com/text-mining-17884

どういった要素が製品の満足につながっているのか等、ある程度企業がわで絞れる場合にはアンケートにて点数をつけてもらう等、検証方法は都度精査する必要がありそうです。

テキストマイニングを行うツール

次に、テキストマイニングができるツールを紹介していきます。

テキストマイニングシステム -IBM TAKMI-

どの様な分析ができるか?

  1. 傾向分析
    ・カテゴリーに含まれるKWの推移を時系列で確認可能
    ・KWベースでどのような問い合わせがあったか、それがどの程度増減したかを確認可能

  2. トピック抽出
    ・ある文書集合に含まれるキーワード群や定型項目の時系列でのトピックを調べることが可能
    →トピック間での期間を見ることで、例えばユーザーがどのようなフローをたどったかなどを確認できます

  3. 2Dマップ (相関分析)
    ・あるカテゴリーに属するキーワード群と、他のカテゴリーに属するキーワード群との対応関係を見ることが出来ます。
    →AというメインのKW(専門用語等)に対してどのような用語が紐づくのか(例えば、スペックを見たい)等が確認可能です

詳細は公式サイトをご覧ください

無料でテキストマイニング

無料の分析ツールを用いてテキストマイニングを行うことも可能です!
そのツール名はR!(Rについて:https://www.stat.go.jp/teacher/r.html
また、Rと一緒にMeCab(http://taku910.github.io/mecab/)を用いていきます。
いくつか専門の記述や、ツールのインストール作業が必要なので、別機会に紹介したいと思います。
こちらはSNSのテキストマイニングを行う際にもってこいな、共起語分析が可能になります。
アウトプットのイメージは下記です↓↓

引用:統計ER(https://toukeier.hatenablog.com/entry/text-mining-in-r

この手法では、名刺と助詞とにKWを振り分けることも可能です。

音声認識・対話要約ができるTRAINA

コールセンターの例で記載した通り、テキストマイニングは音声に対しても実施可能です。

TRAINAでは独自の音声認識によって、対話を要約&ナレッジ化&モニタリングができるそうです。
集めたデータを、外部のCRMと連携、TRAINAのテキストマイニングツールとの連携を行うことで、日本アイ・ビー・エム株式会社の検証のような実行→運用が可能になりそうですね。

今回は、テキストマイニングって何?どんな時に使えるの?について学んでいきました。
今は分析ツールも豊富なので、今後もツール調査を行っていきたいと思います。
無料のツールRも用いながら、SNSで独自の分析も行ってみたい所存です!

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