商社必見!!実は日本発祥「先物取引」とは何か⁈基礎解説
本日のテーマは「先物取引」になります。
正直、先物取引に関してはアナリストや証券マンのほうが詳しいです。
ですが、ビジネスマンとして基本は知っておく必要があります。特に商社では先物取引を行うケースがあります。
今回はその歴史を読み解き、「ニュースが分かる」ようになる基本を解説します。
◾️先物って何⁈
取引としては「先に値決めする」ことになります。
例えば、1月20日に「4月20日にとうもろこし10kg100万円で買います」など先日付けで買うと値決めをあらかじめしてしまいます。
必要な時に必要な量を調達することで当日値決めすることを「直物」(じきもの)といいます。
先物と直物の間でとうもろこしが不作で価値が上昇すれば先物で得をしますし、反対に豊作で下落すれば損をします。
金融界隈では先物取引を含めてオプション取引、スワップ取引をよく「デリバティブ」と呼びますよね。
金融商品は「投資」「ローン」など分かりやすいものから顧客ニーズに応えるため派生した商品がデリバティブ商品となります。
◾️先物の種類は何がある⁈
商品は「コモディティ」と呼ばれていて、原油やとうもろこしなどさまざまな商品があります。
その他、大豆、国債も先物市場にて取引されています。日経平均株価に連動する先物がありますよね。
またよくニュースで見るのは「WTI」(ウエストテキサスインターミディエイト)です。
こちらはアメリカの原油先物市場になります。取引単位はバレルになります。
例えば、中東経済に緊迫感が生まれると原油供給の先行き不安から1バレル◯円上昇とニュースでも放送されます。
◾️なぜ先物取引が存在するのか⁈
将来価格の不明確から価格急騰に備えてリスク回避(リスクをヘッジするといいます)する目的があります。
取引で先に価格を決めておけば安心して他の取引計画を立てれますよね。
例えば、4月20に原油を販売する予定があり、3月20日に原油を在庫していたとします。
その原油を違う取引先へ販売して4月20日に買うことで3月21日〜4月19日間は保管コストを抑えることができます。(手数料は考慮してません)
◾️注意が必要な「追証」
先物を取引する上でポイントがあり、本証と呼ばれる「証拠金」を納めることでしょう。
必ず取引が行われないといけません。その取引の担保金として「証拠金」が必要になります。
例えば、「300万円の証拠金を納めるから2000万円の原油を4月20日に買います」など300万円の元手から2000万円の取引ができることを「レバレッジ効果」と言います。
4月20日の期限のことを限月(げんげつ)と呼びます。
この証拠金は経済状況に連動しており、洗替と言って毎日価値が評価されます。
その価値が下がってしまった時のリスクとして「追加証拠金」です。(通称、追証と呼ぶ)
追証は政治リスク、為替リスク、カントリーリスクなど予期せぬ状態に陥ると証拠金の価値が下がってしまいます。
その価値を穴埋めするために追証を納めるということになります。
■日本は歴史が深い先物取引
有名な話ですが、先物発祥地は日本と言われています。
当初江戸時代、米は貴重な商品であり、豊作不作はその年により価格が変動していました。
そうなると人は「この年は米が不作かもしれないから今のうちに値段を決めておこう」と考えるようになります。
江戸幕府はこの取引を公認と認め堂島で行われるようになります。
これを堂島米市場と呼びます。
意外にも日本というのは金融システムにおいて海外より先駆けだったのかもしれませんね。
先物取引は実は、深く知ると転売、差金決済、裁定取引、先物理論価格などアナリストになれば分かりますが、一般のビジネスマンとしてはこのくらい知っておけば十分だと思います。
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