アンディ・ウォーホル

先日、「抽象絵画の覚醒と展開」を目当てにアーティゾン美術館を訪れた。
一番好きな画家はルノワールで一番好きな絵は「エチュード若い女のトルソ 陽の効果」とものすごくベタであるあたりから察せられるように美術には詳しくないがアーティゾン美術館の企画展は興味を引くものが多いので、時間が合えば前売り券を購入して年に数回訪れている。

さて「抽象絵画の覚醒と展開」である。展示としては印象派から抽象までの美術史を辿る内容であった。その展示は素晴らしかった。展示において個々の作品もさることながら、その歴史上の位置付けというものが非常にわかりやすく解説されていた。
表題に含まれる「展開」という単語がものすごく腑に落ちた。
「抽象絵画の覚醒と展開」を通して「構造の解釈→解体→再構成」というプロセスを経ることで、印象派→フォーヴィスム・キュビスム→抽象の繋がりがやっと理解できた。
余談だが美術館や博物館の図録は情報量に比してものすごく安価であるので、荷物に余裕を持たせて今後も買い続けたい。

私が美術の時間が好きでないのは、図画工作の技量にものすごく乏しいことに加え、鑑賞であってさえその手法が教えられないからであった。その代表例がアンディ・ウォーホルである。大きめのスーパーに行けば日本でも売っているスープ缶の人である。教科書に載せる意味が分からなかった。正直に言えばインクと紙のムダたと思っていた。
しかし「抽象絵画の覚醒と展開」を訪れ「構造の解釈→解体→再構成」というプロセスを経るた「印象派→フォーヴィスム・キュビスム→抽象」の流れにアンディ・ウォーホルを置いたとき、アンディ・ウォーホルを「抽象構造の解釈→解体→『具体』という表現形式への再構成」と解釈できた。その意味合いにおいて、アンディ・ウォーホルは『具体』という表現形式を確立した芸術の第一人者であると理解した。
この解釈が正しいかは分からないが、私にとって世界を楽しく見る視点が得られたので満足している。

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