【新刊】イーロン・マスク 上 (文春e-book) ウォルター・アイザックソン (著)

イーロン・マスク本の新刊で、著者は、世界的ベストセラー『スティーブ・ジョブズ』を書いたウォルター・アイザックソン。氏がイーロンへ行ったインタビューを纏めた、初の公式伝記です。(追記:公式伝記といえるか、微妙です。理由は下巻の記事で。最後にリンクあり)

上下巻の、上巻まで読んだ感想です。
私は、イーロン・マスク関連で最近気になっていた事があり、それは「イーロンの気分次第で軍事利用しているスターリンクが使えなくなる可能性があり、それを米国防総省が非常に気にしている」という情報です。私は、最先端技術及び民間利用されている以上のものを米軍が持っているという認識なので、上記情報が事実なら、それは何故なのだろうと思ってましたが、この本で、理解が進みました。
考察ですが、米軍は技術は持っているが、生産能力は無いため、パートナーが必要。今までは、コストプラス方式で、企業が要求した分国がお金を払っていたので、あくまで立場は国>企業だった。イーロンは入札方式を提案し、圧倒的低コストを実現・受注したため、代替企業が不在となり国と企業(イーロン)のパワーバランスが変わった。この仮説が正しければ、イーロンは今までの歴史上存在しなかった位の凄い人なのかもしれません。

また、私が感じたイーロン像は、抽象度が非常に高く、圧倒的な知識もありGOALを実現する高い能力がある。それは、本人の臨場感が周囲の人の選択肢に影響を与える(意図せずに人を支配している)位の力になっていると思います。反面、抽象度が異なる(低い)相手を理解する事ができないのが弱点。

その他、気になった内容。
・イーロンは本人も認めるアスペルガーだが、母親はそんなイーロン少年を肯定した。
・反面、父親は毒親というかかなりのクズであり、イーロンはそんな父親の影響も大きく受けている。
・アスペのイーロンを理解し協力してくれる弟がいた事が、イーロンの助けとなった。
・マスク家は、イーロンの祖父からとんでもない事を実現してきた血筋でもあった。

疑問点
・イーロンは気候変動を脅威と考えており、その問題解決の一つをテスラだとしている。私は、気候変動問題の一番の目的はグローバル企業の金儲けであり、その中心がソーラーパネルと電気自動車だと考えています。私は、イーロンは、純粋に自分が信じた道を進んでいるだけだと思っています。相当の知識はあるのでしょうが、反対意見を聞く耳を持っていないと思われ、純粋に、気候変動を脅威と信じた結果、グローバル企業の金儲けの仕組みと上手く重なったんだと思います。

気候変動については、チョムスキー博士も本当に脅威と捉えており、それを思い出しました。


連想した事
イーロンは小さい頃からとんでもない事をする人で、石坂産業の典子社長を思い出しました。典子社長は、倒産寸前の産廃会社を父から譲り受け立て直した人ですが、その手法はイーロンとは違い、社員を育てて会社を良くしました。私は、イーロンの、ありえない期限を設定しデスマーチによって達成する手法より、典子社長のやり方の方が日本に合っていると思います。
イーロンの本を読んで、真に受けてパラハラを実行する日本人管理職が現れなければいいなあ。


関連書籍

イーロン・マスクが好きだったSF小説等。私は読んだことはありませんが、有名なSFだそうです。

これは本内で紹介されていたビジネス本(と言っていいのだろうか)


下巻を読んだら、もう少し整理して記事にします。

追記 記事にしました。


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